原油価格4日84ドル台まで 急落/生産コストによる適正価格は60ドル前後
7月、年末まで特別減産をし続けると発表したサウジ(100万バレル)と露(30万バレル)、4日サウジがあらためて11月・12月の減産をこのまま維持すると発表、サウジ主導のOPEC+電話会合もサウジと露の特別減産の継続を承認した。
これを受け、なぜか大幅に原油価格は▲5%以上下落している。
4日の米国で、前日の90ドル大から一時84.17ドルまで下げ、日本時間03時40分現在84.40ドル前後で取引されている。
今回の下げは、市場が更なる減産を予想し、原油価格を高騰させていたものと見られる。
ハゲタカの投機市場であり再び上昇する可能性は高い。
米国の原油生産量過去最高水準
欧州は米国産原油と天然ガスの新たな市場に完全変貌(大儲けで米経済好調)
・・・米国のウクライナ戦争での漁夫の利・・・未来永劫大漁保証
米国は原油も天然ガスも世界最大の生産量を誇る。しかし、2019年11月に付けた過去最高の生産量は、新コロナで暴落、膨大な原油掘削リグが稼動を停止し、その痛手もあり、停止リグの生産再開は遅々として進められなかった。
価格は暴落から早期に戻したものの、生産再開や新規稼動は大規模で生産効率の高いシェールガスの掘削リグに限られてきている。生産技術の進歩で生産効率も大幅に向上している。
そうした中、今年6月からテキサス州で大型シェールガス田での生産が開始され、7月には過去最大級の生産量となっており、その後も増加しているものと見られる。
欧州では露制裁により、露産原油は一部しか購入しなくなっており、その穴埋めに米国から欧州へ大量に輸出されている。また、米国産天然ガスも米国でLNG化され、パイプライン経由の露産天然ガスは露制裁とパイプ破壊もあり、露産購入国の減少もあり大幅減少、変わって米国から大量に輸出されている。
原油価格は、米国が生産を拡大し続ける限り下落しようが、価格暴騰時、備蓄在庫放出により価格を抑制させた経緯があり、米国の原油の戦略的備蓄量が新コロナ以前のピークから半減しており、備蓄にまわせば価格は上昇することになる。
OPECの中でもベネズエラは150万バレル以上の生産枠を持っているものの、実際の生産量は、施設の老朽化、改修工事代(=支払いはドル)がなく、放置され、生産量は70万バレル以下。
そうした中、サウジに増産要請したものの実質断られたバイデン氏は、ベネズエラと生産再開に合意した。これは数十万バレルとされる米シェブロンの原油生産施設、改修工事が必要でシェブロンが改修し再稼動させる契約を締結している。
※ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量国
上記2点からしても、サウジとロシアが特別減産(130万バレル)しても、原油価格の下落原因の情報となろうが、それに加え、中国や欧州など経済が低迷しており、産業用原油が需給をさらに緩めている可能性もある。
欧州の石油精製品は、ディーゼル油、ガソリン、灯油は今やインドがロシアより安価に原油を購入し、インドで精製しインド産として欧州各国へ輸出、暴利を得ている。中国の民間石油精製会社も遅れて同じ動きにある。
韓国は、ドバイ産原油が主力で関係なし、さらにナフサやエタノールの石油精製品や石油化学品を生産し輸出しているが、原油価格が昨年より下がっており、連れてそうした石油関連品価格も下がり、輸出面からはマイナスに作用している。ただ、原油の輸入価格も昨年から下がっている。
ロシア産原油は大量のタンカーが保険(欧米の必須条件)を付けず世界各国へ2割ほど安価にOPEC枠で輸出されている。原油に限り露制裁はまったく効いていない。
金持ちの欧州は購入しないが、それ以外の国は市場価格より安価であり喜んで購入している。但し、石油製品は国内が品薄になり、現行、輸出が禁止されている。世界中でみれば船主は瀬取りなど平気で行う中小の船主が多い。
↓米原油生産量(米EIA版)/5年間推移と1年間推移
単位:BBL/D/1K、23年7月は1299万バレル/日
↓過去5年間
↓米国の戦略的備蓄在庫原油量(単位:サウジバレル/米EIA版)
今後、備蓄量の回復が求められる
スクロール→
原油価格(WTI/ドル) 月末価格 月日はランダム |
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2019年12月 |
59.80 |
備考 |
2020年4月 |
16.71 |
新コロナショック |
2020年6月 |
38.35 |
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2020年9月 |
39.66 |
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2020年12月 |
47.09 |
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2021年6月 |
71.40 |
米バイデンインフレ開始 |
2021年12月 |
71.53 |
|
2022年3月 |
108.86 |
ロシアへのウクライナ侵攻制裁 |
22/6/6日 |
120.18 |
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2022年9月 |
79.95 |
世界がウィズコロナ策導入 |
2022年12月 |
79.45 |
中国ウィズコロナ策に変更 |
2023年3月 |
74.82 |
世界はインフレ退治の高金利策/ 中国バブル崩壊 欧州経済低迷 |
2023年5月 |
70.75 |
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2023年6月 |
69.64 |
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2023年7月 |
81.63 |
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2023年8月 |
83.63 |
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2023年9月 |
90.79 |
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10/4日 |
85.92 |