アイコン 韓国でも発生  昨年インドで牛200万頭感染の「ランピースキン病」


昨年インドで15万頭の牛を死に至らしめた「ランピースキン病」が、韓国国内でも初めて発生した。
2023年10月19日、忠清南道瑞山の韓牛(韓国伝統の肉牛)農場で飼育されている韓牛4頭で瘤などの皮膚病変が発見され、精密検査を実施した結果、ランピースキン病にかかったことが確認された。韓国農林畜産食品部(省)が20日に明らかにした。

ランピースキン病(Lumpy Skin Disease)とは、Lumpy(ごつごつした、でこぼこした)とSkin(皮膚)の合成語で、牛や水牛などが感染する伝染病。
蚊のような吸血昆虫や、汚染された注射器などを介して伝播する。人には伝染しない。

 この病気にかかった牛は、全身に大きさ2~5センチほどの硬い結節が生じ、41度を超える高熱と食欲不振、流涎などの症状を示す。

致死率は10%以下と高くはないが、伝染性が高く、流産や不妊など経済的被害を誘発する。乳牛がこの病気にかかった場合、牛乳の生産が52~83%減少することもあり得るという研究結果もある。
 
この病気に対しては、特別な処方薬はなく、抗生剤を投与して2次細菌感染を防ぐという水準で対応できるといわれている。ただし、ワクチンは既に開発されている。

 

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 1929年にアフリカのザンビアでランピースキン病が初めて発見された後、アフリカのサハラ砂漠周辺地域の風土病と認識されてきた。
しかし、1989年にイスラエルで最初の発病事例が出現。その後、2010年代に入ると中東を経て東ヨーロッパやアジアなどで感染事例が相次いだ。昨年はインドでこの病気が大流行し、200万頭が感染して15万頭が斃死した。
 
韓国は1995年から、この病気をアフリカ豚コレラ(ワクチンなし)や口蹄疫と同水準の「第1種家畜伝染病」に指定し、2019年に関連のウイルス診断システムを構築している。
昨年にはワクチン54万頭分の輸入も行っている。
 
防疫の専門家などによると、今回の発病は中国など海外から吸血昆虫が流入したことで発生したと推定されるという。
韓国政府は、ランピースキン病が発生した農場への出入りを規制し、調査班を派遣して疫学調査を進めている。
この農場で飼育している約40頭の牛は、緊急行動指針(SOP)などにより殺処分するという。また、20日午後2時から48時間、全国の牛農場や屠畜場など畜産関連施設の従事者や車両に対し、臨時の移動中止命令を発した。
以上、

現在の日本の農水省は、豚コレラの呼称を豚熱やCSFに変えることはできても防疫能力はなく、個々の畜産農家が最大限、防疫能力を働かせるしかない。
もしも、全国で1ヶ所でも発生したら、黒毛和牛など日本各地の和牛肉の輸出ができなくなる。豚類は、黒豚などブランド豚など、豚コレラの汚染国として、2018年9月の発生以来5年間も
輸出できていない。先般もこれまで発生していなかった中四国九州の佐賀県で発生している。
2018年9月からの在来種か、外国から新たに入った豚コレラ菌種なのか、農水省から何も発表されていない。

ランピースキン病、
ランピースキン病ウイルス感染を原因とする牛や水牛の感染症。家畜伝染病予防法における届出伝染病。
ランピースキン病ウイルスは、ポックスウイルス科コルドポックスウイルス亜科カプリポックスウイルス属に属し、中和テストにおいて羊痘ウイルス、山羊痘ウイルスと交差反応を示す。
主として節足動物による機械的伝播により感染が成立する。
症状は、発熱、元気消失、流涎、流涙、鼻汁漏出を示し、皮膚結節を形成する。
病変部の上皮細胞において好酸性の細胞質内封入体を形成することがある。
診断は羊あるいは牛の精巣培養細胞によるウイルス分離による。
ワクチンが開発されている。

日本が輸入する国では、口蹄疫,牛疫,水胞性口炎,ランピースキン病,狂犬病,リフトバレー熱,牛肺疫,牛海綿状脳症(BSE),出血性敗血症及びトリパノソーマ病の感染がないことを日本への輸出条件としている。


 

[ 2023年10月23日 ]

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