アイコン サムスン電子 2023年決算 売上高▲14%減、営業利益▲84%減


サムスン電子の2023年(12月決算)期の決算は、
売上高は前年比▲14.5%減の258兆16百億ウォン(約28.2兆円)、
営業利益は前年比▲84.9%減の6兆54百億ウォン(約71百億円)。

2023年は「半導体寒波」の影響で、年間営業利益が10兆ウォンを下回る2015年来最悪の経営成績表となった。
主力の半導体の業況は、昨年下半期から回復傾向を見せているものの、業績改善の幅と速度は予想より緩やかで遅い。昨年第4四半期の実績も「アーニングショック」水準となった。
これは
① 中国経済の低迷(愛国主義からもサムスンやアップル製品も売れていない)、
② インフレ退治の高金利策での世界経済の低迷(データセンター等投資低迷)、
③ 新コロナ特需の反動減(サーバー・パソコン等)などによるもの
で2024年が明るくなるとは限らないが、半導体の在庫調整が進んでおり2023年より好転する。

 

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サムスン電子の年間営業利益が10兆ウォンを下回ったのは、リーマン・ショックの2008年期(6兆3百億ウォン)以来15年ぶり。

ただ、昨年第4四半期(10~12月)だけ見ても、売上高は前年同期間比▲49.1%減の67兆ウォン(約7.3兆円)、営業利益は▲35.0%減の2兆8千億ウォン(約3085億円)で、2023年第1四半期の営業利益は6千億ウォン(600億円)台まで下がったが、第3四半期は2兆44百億ウォンと回復傾向にある。
主力の半導体部門(DS)の収益改善が予想より鈍い。半導体部門の営業損失は昨年第3四半期までに12兆69百億ウォンに達し、昨年第4四半期にも▲1兆~2兆ウォンの赤字を出したとみられる。半導体部門の年間赤字は▲14兆ウォン(約1.5兆円)前後と推算される。
以上、

サムスンが主力とするメモリ半導体は、SKハイニックスや米マイクロンが在庫調整のため生産調整に入ったのは2022年の11月から12月、サムスン電子はその間、市場を制圧するとして生産を続け、その赤字の大きさに驚き、2023年3月になりやっと生産調整に入った。実際、その後も巨漢サムスンの在庫調整が進んだことにより値崩れが続いたが、昨年末にかけ同社はその在庫調整も進み、新製品投入効果もあり営業利益はそれでも回復してきている。また、ファンドリー部門(システム半導体の受注生産部門)も回復してきている。

サムスンは、スマホ部門が廃れば半導体部門が活躍、半導体部門が廃ればスマホ部門が支える構図になっている。スマホは世界経済の不調から売れていないが、貧富の差拡大とウィズコロナ策でプレミアム品は売れており、同社の折りたたみ式のフォルダブルフォンも売れ、業績は堅調に推移している。
ただ、アップルもサムスンもスマホの販売台数が頭打ちとなり、活路をプレミアム価格帯の商品に求めてきたが、フォルダブルフォン以降の戦略が見えてこない。戸倉サムスンの場合は自社製の半導体を使用しており、スマホ販売が不調となれば、半導体部門へも直接影響してくる。プレミアム品の拡大により半導体使用数の増加が図れてきたが、これ以上にはスマホの概念を変えない限り、半導体の増加には限界がある。


 

[ 2024年1月11日 ]

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