名鉄観光バス、不正受給で20億円返納
名古屋市の名鉄観光バスが、新型コロナ対策の雇用調整助成金について不正受給が発覚し、受給していたおよそ20億円を返納していたことが明らかになった。
同社は2020年3月から同助成金を受給していたが、愛知労働局による調査で約100件、計140万円分が不正と認定された。社内調査の結果、「休業日」とされていた日にもかかわらず、一部の管理職らが実際には出勤していたことが、パソコンの使用履歴や社用車の運行状況から判明したという。
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この問題を受けて名鉄観光バスは、過去3年間に受け取った助成金の全額と違約金を自主的に返納。「真摯に受け止め、再発防止に努めたい」とコメントしている。
厚生労働省のまとめによれば、2024年(令和6年)12月末時点で、雇用調整助成金の支給決定が取り消された件数は3,874件にのぼり、取り消し金額は約909億6千万円。すでに約691億9千万円が回収されている。
不正受給が明らかになった企業は他にも、旅行大手の株式会社HIS、美容業界の株式会社ビッグママ、結婚式場運営の株式会社アルカディアなどがあり、制度の信頼性と企業の倫理観が問われる事態となっている。
[ 2025年4月15日 ]
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