外国人が"韓国の家"10万戸を超えた 不動産市場に迫る静かな異変
韓国の国土交通部が5月30日に発表した統計によれば、2023年12月末時点で外国人が韓国国内に所有する住宅数が初めて10万戸を突破した。半年前と比べて5,158戸、5.4%の増加だ。
この数字は単なる統計上の節目にとどまらない。韓国の住宅市場が、静かに、しかし着実に外国人資本に浸食されつつある現実を物語っている。
■中国人保有比率56%超、首都圏に集中
所有者の国籍別で見ると、中国人が56.2%と過半数を占め、米国(22.0%)、カナダ(6.3%)が続く。住宅の約73%がソウルや京畿道、仁川市などの首都圏に集中している点も見逃せない。
つまり、首都圏の不動産の一部が“外資に握られている”状態が着実に進行している。これは、ただの数字の問題ではない。
住宅は経済財としてだけでなく、人々の生活基盤であり、社会の根幹を成すインフラだ。その一角が他国の個人や企業の投資対象となっていけば、いずれ「誰のための不動産市場なのか」が問われる事態に発展する。
■土地でも広がる外国人保有、主権リスクも
住宅に加え、外国人が所有する土地面積は前年比1.2%増の2億6,790万㎡。国別では米国人が53.5%と最多だが、中国人(7.9%)や日本人(6.1%)の存在も無視できない。
特に、郊外の観光地や沿岸部、インフラ周辺の土地取得が進めば、経済安全保障や地域政策にまで影響が及ぶリスクもある。
■経済の自由と社会の安定は両立するのか
外国人による不動産取得は、グローバル化や資本の自由な流動という観点から見れば「健全な市場活動」に見えるかもしれない。しかしその一方で、地元住民の居住コスト上昇や不動産投機の温床ともなりかねない。
韓国だけではない。日本や台湾でも同様の懸念が高まりつつある中、**“住宅は誰のものか”という原点に立ち返るべき時期が来ている**のではないか。
政府がいま取るべきは、無制限な市場開放ではない。
「所有は自由、だが公共性は守る」――そうした原則に基づいた不動産政策こそが、いま必要だ。