関税爆弾外交行き詰まり、不法移民排除も過激すぎ、MAGAはイラン攻撃支持せず
トランプ1政権時代から岩盤支持のMAGAがトランプのイラン攻撃で割れている。
<不法移民排除>
トランプ政権は、不法移民問題、政敵・民主党の牙城がカルフォルニア州で大規模摘発、州知事の要請なく、大統領令で州兵や軍隊を投入して、摘発を強行している。
トランプ政権では、日に3000人を摘発して強制送還する計画だが、実際は1000人にも達せず、不法移民が一番多く居住するカルフォルニア州、それも州都のロサンゼルルスのスラム街などを移民局と警察が合同で実力行使により摘発、しかし、住民反発・暴動発生、軍隊を投入して鎮圧、これには全国でも反発を招いた。
<留学生ビザ停止>
その前には留学生の規制を執行、数千人の留学生のビザを取り消した。ハーバード大学は政府のイスラエルのガザ大虐殺に抗議した学生らの名簿を提出するように命令、これに応じなかったハーバード大に対して、年間1兆円に近くになる政府補助金の支出を停止、留学生のビザも取り消すとし、新入生のビザも受け付けないという大弾圧を講じた。
<関税爆弾、自爆と報復>
外交・経済ではMAGA政策に基づき、関税を強行、鉄・アルミに対して25%、その後50%に引き上げている。貿易赤字の大きい国など64の国や地域に対して相互関税を執行、これには国内企業から強い反発があり、90日間執行留保、現在交渉にあたっているが、トランプ関税でも基本関税を設けた10%関税は全輸入品に対して執行している。自動車に対しても25%の関税をかけ、5月までは3月までの駆け込み輸入車の在庫販売により値上げは限られたが、6月からは徐々に値上げが浸透してきている。
<レアアースではトランプ政権が中国に白旗>
こうした関税に対して反発した中国は米国に対して報復関税、報復関税戦争に入り、中国に対して145%の関税をかけ、中国もまた対米125%の関税を賦課した。4月4日米国の相互関税、対中34%に対して、中国はレアアースの輸出規制も執行していた。
5月に入るとネオジム(永久)磁石に用いるレアアースが枯渇、モーター類が製造できなくなる事態に(モーター部品不足でフォードなど一部工場の操業停止)。レアメタルのネオジウムも中国産出が大きいが規制対象ではない。レアアースは16種で電子・電化製品やロボット、自動車向けの各種モーター類および半導体製造に欠かせない。
米国はレアアースの中国の輸出規制解除をはかる過程でAI半導体の輸出を大幅緩和した可能性があり、NVIDIAの株価を筆頭にするSOX指数も大幅に上昇しており、トランプは大幅に譲歩(輸出緩和)したものとみられる。
トランプ政権は対中関税を145%から30%に下げ、中国もまた対米関税を10%に下げたが、実質トランプ政権のギブアップとなった。
中国はまた4月4日からレアアースの輸出規制、対地夕刊勢の緩和交渉で一連のモーター用磁石の保持力持続、品質向上用のレアアース2種の対米輸出規制を緩和した。
しかし、半導体に用いるレアアースについては、まだ未解決。
半導体工場は、バイデン前政権時代に巨額補助金政策により大規模誘致、インテル・TSMC・サムスンなどが大規模工場を米国のあちこちで建設しており、2027年にかけ本格操業してくることから、今後も半導体用レアアース問題が浮上してくる。しかし、現状は棚上げ状態。
<習政権の「中国製造2025」とトランプ政権の「MAGA」政策の類似性>
「中国製造2025」を模したにトランプ政権の「MAGA」政策に基づく「米国版製造・国産国消」、
世界経済の構造は半世紀以上前から進化させ続けてきた繊維など労働集約型産業の低賃金地域への産業移転、先進国は高付加価値産業や金融経済の集中を進めてきた。
<移民排除では人手不足・賃金高騰へ>
米国内でも白人労働者がしない低賃金の末端作業を多くの不法移民たちが担っている。しかし、トランプ政権は不法労働だとして罪に問い、目標の500万人以上の不法移民を国外退去させようとしている。その後は、劣悪作業を白人が担うことになり、人手不足から賃金が大幅上昇、当然、物価も上昇する。
こうした問題の対策を講じないまま、不法移民強制送還政策も関税問題も執行しているところにアメリカの危うさが凝縮されてきている。
米国発の5月の第2日曜日の母の日の花も輸入依存度80%、今年は30%値上がり、花屋の売上高も大きく落ち込み、稼ぎ時の花屋は死活問題になっているという。
鉄鋼・アルミ製品に対する関税も、トランプ政権は調子に乗り缶ビールまでアルミ缶に入っている(オランダ・ハイネケンの缶ビールも対象)として関税賦課、2月から・4月から、6月からの関税政策により、すでに原材料・部品・製品の輸入価格は高騰しており、輸入品に依存した製造業者や流通業者は悲鳴を上げ続けている。
<NO-KING>
ウォルマート創業家の一人が、全国紙に全米でNO-KINGというトランプ批判の一面広告を掲載、その後、全米で数百万人が参加したNO-KINGデモが行われている。
こうしたなか、ウクライナの停戦仲介は欧州も動かず、うまくいかず、すでにウクライナ支援は欧州の各国が行えと支援放棄に動いている。それでいてこれまでの支援についてはウクライナから原油・レアアース含む鉱物資源の採掘利権(実際のウクライナへの支出金の倍額以上)により取り上げている。
<トランプ政権、対パレスタナ・イラン攻撃、ネタニヤフへの牽制から協調へ>
イスラエルによるパレスチナ人の殲滅攻撃、ジェノサイド、トランプが止めさせようとしても、米政治や米共和党内もユダヤ強硬派が支配しており、ネタニヤフもすでにトランプを舐め腐っている。
最近では、イスラエルのイラン攻撃に対して、トランプはイランに対して無条件降伏を命じ、応じなければ攻撃すると発言している。
(日本もかつて米英蘭の列強からマラッカ海峡を封鎖され、太平洋戦争に突入、原爆まで投下され、無条件降伏に追い込まれた)
すでに攻撃の準備態勢に入らせており、中東におけるこれまでの空母1編隊を2編隊にすべく空母を派遣途上。アラビア海に到着すればトランプの最終GOサインが出ることになる。
2017年4月96日、中国習国家主席夫妻をフロリダの私邸マラ・ア・ラゴに招待しての晩餐会、その夕刻の席上で、トランプは習に対して「今、シリアに対してトマホーク(59発)で攻撃した」と晩餐会の肴として報告、習は度肝も抜かれた。(当時、シリアはロシアが支援、中国はロシアと深い関係にあった)
<中東海域に空母ニミッツ艦隊派遣、イラン海域に2空母編隊>
トランプ政権は空母カールビンソン編隊(空母含む8隻で構成の打撃群)に加え、6月15日、東南アジアの空母ニミッツ編隊を中近東・アラビア海に向け急遽派遣、到着すれば、いつでも攻撃可能となる。
内政や外交で行き詰まり現象が生じてきているトランプ政権、過去の多くの米政権同様、戦争をすることで国民をまとめ上げる戦略のようだ。
<7月14日、EUも報復関税自動発効>
7月14日には留保していたEUの対米、報復関税が追加も含め自動的に発効する。米国は6月から鉄鋼・アルミに対する関税を25%(3月12日発効)から50%(6月4日)に引き上げており、中国に続き、EUが報復することになる。
こうした関税爆弾は、代参の製造品が全くない米国にあり、国内を直撃、自爆弾ともなり、その影響が徐々に出てきており、7月から本格化、米国民へ満遍なく年末商戦への物価高の影響が出る。
<トランプ政権、関税と微罪問題で四面楚歌に>
トランプは自爆の関税爆弾で四面楚歌になり、戦争へと走る。拳じゆうを持ち戦争好きな米国民、戦争では常にまとまる米国民、今回のイラン攻撃はどうだろうか。
<MAGA分裂の気配>
米国がイランへの軍事攻撃に動くべきかどうかを巡り、トランプ大統領の支持層に深刻な亀裂が生じ始めている。
これまでトランプ氏を強力に応援してきた米国第一主義運動「MAGA」(米国を再び偉大に/Make America Great Again)推進派の中から、イランに対する軍事介入に猛反対する声が出てきている。
トランプ1政権でトランプ氏側近であり、現在もトランプ支持基盤のMAGA有力者であるスティーブ・バノン氏は18日、「外交交渉もなく米軍がイスラエルに合流してイランの核開発プログラムを壊滅させようとするべきでない」と警告した。
米紙クリスチャン・サイエンス・モニター主催のイベントで記者団に「米国を引き裂くことになる。イラク(戦争の)二の舞をやってはいけない」と語った。
与党共和党内の反介入派の間でも、トランプ氏が外交的解決から大型の地下貫通特殊爆弾(バンカーバスター)使用を含めた軍事介入へと急速に軸足を移しつつある状況に警戒感が生まれている。
トランプ氏が実際に軍事介入に乗り出せば、同氏が日頃口にしている外国に対する関与への消極姿勢を転換させることになる。
また、これは同氏が進めてきた中東湾岸諸国との関係親密化や、ウクライナでの停戦に向けた取り組み、各国との関税交渉にも影響を及ぼしかねない。
何よりトランプ氏は、MAGA推進派の離反という事態に直面することになる。
MAGA推進派は2016年と24年の選挙で同氏を大統領に当選させる原動力になっただけではなく、現在も重要な支持基盤であるのは間違いない。
その支持基盤が動揺すれば、トランプ氏の人気が後退し、2026年の議会中間選挙で共和党が上下両院の多数派を維持できなくなるかもしれない。
<根強い保守派のイスラエル支持>
トランプ氏は18日、支持層の亀裂について聞かれると、一部が離れる可能性を心配していないような様子を見せた。
同氏は「私の支持者たちは現在、これまで以上に私を愛してくれているし、私も選挙期間中以上に彼らが好きになっている。私が望むのは1つ、イランは核兵器を持てないということに尽きる」と語った。
また一部の支持者は「いささか不快」だろうが、ほかの支持者はイランが核兵器を持てないという自身の考えに賛同していると強調。「私も戦争は望まない。だが戦争するか、核兵器を持たせるかという選択なら、それ相応の義務を果たさなければならない」と付け加えた。
ペンス元副大統領の盟友で、第1次トランプ政権時にホワイトハウス高官を務めたマーク・ショート氏は、イラン問題に関する共和党内の分断はかなり大きいと分析。ただトランプ氏支持層の大半は最終的に同氏についていくだろうと予想した。
ショート氏は、イスラエルに味方することはトランプ氏にとって政治的プラスにもなると指摘している。
伝統的な保守派有権者はイスラエル支持に賛成している。3月のロイター/イプソス調査によると、共和党員の48%は、やってくる脅威がどこからであろうとイスラエルを守るために米国は軍事力を行使すべきだとの意見を肯定し、否定派の28%を上回っていた。
<MAGAの主張>
人気ポッドキャスト「ウォールーム」の司会者も務めるバノン氏は「イスラエルは自分たちで始めたことに自らけりを付ける必要がある」と切り捨て、トランプ氏は米軍の関与という考えにブレーキをかけなければならないと訴えた。
別の有力なMAGA推進派で元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏や、長年トランプ氏と緊密な関係にある共和党のマージョリー・テーラー・グリーン下院議員も、イランへの軍事攻撃反対を唱えている。
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グリーン氏は15日のソーシャルメディアへの投稿で「米国はイスラエルとイランの戦争に全面的に関与すべきだと吹聴する向きは誰であれ、MAGAではない。われわれは外国の戦争にうんざりしている。全ての戦争に」と述べた。
カールソン氏が17日に配信した共和党のテッド・クルーズ上院議員のインタビュー番組でも、亀裂が浮き彫りになった。
この番組でカールソン氏は、クルーズ氏がイランの体制転換を目指していると強く批判し、そのクルーズ氏はトランプ氏支持を表明した。
カールソン氏がクルーズ氏に「イランのことを何も分かっていない」と食ってかかると、クルーズ氏が「私はタッカー・カールソン流のイラン専門家ではない」と反論した。
カールソン氏が再反論するなど両氏は激しい言葉を投げつけ合い、この動画はSNSで広く拡散された。
トランプ氏は18日、イラン問題に対応する幾つかの考えがあると明かしたが、なお最終的な決断は持ち越したままとなっている。
ただ、いつ何時でもGOサインが出させる状態にし、イランの対応次第では攻撃すると明言している。
以上、後半はロイターなど参照





