NTTグループ談合疑惑─「民間の皮をかぶった公共企業」の倫理が問われている
2024年度にNTT東日本が北海道内で発注した設備工事を巡り、NTTグループ企業による談合の疑いが報じられた。毎日新聞によれば、設計や監理を担っていたNTTファシリティーズが入札を実質的に取り仕切り、子会社である日本メックスなど3社が、事前に調整された見積もりで応札。予定通りメックスが落札するなど、出来レースが繰り返されていたという。
談合は本来、公正な競争を阻害し、コストの高止まりや品質の劣化を引き起こす行為である。しかも今回の案件は、公共調達ではなく民間企業による発注だった。民間ならばルールは各社が定めるため、独占禁止法の適用は難しいケースもある。だが、NTTは特殊だ。政府が3分の1超の株式を保有し、日本の通信インフラを長年支えてきた、いわば“準公共企業”である。
そのような企業の中で、グループ会社が癒着し、系列内で利益を融通し合っていたとすれば、倫理的責任は極めて重い。設計・監理と入札の線引きが曖昧なまま、調達プロセスが“身内の論理”に支配されていたならば、それは制度の形骸化を意味する。
また、談合が2023年度以前から行われていたとの情報もある。もしそれが事実ならば、NTTグループ全体としてのガバナンスに深刻な欠陥があることになる。国が株主として関与している以上、信頼性の失墜は国家としての信用にも影響を及ぼしかねない。
NTTは現在、事実関係を「調査中」としているが、単なる社内調査にとどめるべきではない。外部の独立した調査機関を入れ、談合の有無と構造的な問題を明らかにする必要がある。調達制度の透明性を確保し、公的資産とも言える通信インフラの整備を私物化させない体制づくりが求められている。
公正な競争は市場経済の根幹である。NTTグループは今、自らの存在意義を問い直す局面に立たされている。





