アイコン 鉄鋼・アルミを25%⇒50%に トランプ氏関税引き上げ計画表明


トランプ米大統領は30日、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の製鉄所で、輸入される鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明した。6月4日から実施されるという。

「鉄鋼に対する追加関税を25%から50%に引き上げる。これにより米国の鉄鋼産業の安全がさらに強化される」と述べた。
また、日本製鉄とUSスチールのパートナーシップに関する演説で表明した。
トランプ氏は、合意は関税引き上げと同様に米国の鉄鋼労働者の雇用維持に役立つと述べた。ただ、子会社化には言及しなかった。

(日本製鉄はUSスチールの完全子会社化、最低でも過半以上の株取得を出資条件としている。日本製鉄は開示されるため特許の申請もしない独自製品も持ち、技術・生産技術情報流出を危惧している。過去、ポスコに盗まれ、ポスコから中国宝鋼に流出、トヨタは中国宝鋼製電磁鋼板を使用しようとしたが日本製鉄から提訴された)

トランプ氏は後に、関税引き上げはアルミニウムも対象になると表明。自身のSNSに「米国の鉄鋼・アルミニウム産業はかつてないほど回復しつつある」と投稿した。

 

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関税引き上げ表明を受け、時間外で鉄鋼メーカーのクリーブランド・クリフスの株価は利益押し上げの期待から26%急騰した。

鉄鋼関税引き上げは、貿易戦争をさらに激化させる可能性がある。
この数時間前、トランプ大統領は、中国が相互関税引き下げのほか重要鉱物の取引に関する合意に違反したと主張し、中国に厳しい措置を取る可能性を示唆した。

トランプ大統領は1月20日就任後、苦境に立たされている業界支援の最初の措置として、鉄鋼とアルミニウムに対する追加関税を25%に引き上げ3月に発効した。
トランプ氏はカナダ産鉄鋼に50%の関税を課す可能性を示唆したこともあったが最終的には撤回していた。

通商拡大法232条(安保棄損条項/特別条項)に基づく自動車や鉄鋼・アルミニウムに対する関税の対象には、多様な原材料の金属とその派生製品(アルミ缶入りビール、スチール缶入りジュース等)が含まれる。(大統領の貿易に対する232条適用は違法性も問われている)

米国際貿易委員会のシステムを通じて取得した国勢調査局のデータによると、2024年は289製品の輸入総額が1473億ドル(約23兆円/157円)にのぼり、そのうち約3分の2がアルミニウム、3分の1が鉄鋼となっている。

対照的に、トランプ大統領が1期目の2018年に中国の工業製品に課した最初の2回の懲罰的関税の年間輸入額は500億ドルだった。
米商務省によると、米国は欧州連合(EU)を除くと世界最大の鉄鋼輸入国で、24年の輸入量は2620万トンにのぼる。新たな関税は鉄鋼価格を上昇させ、業界と消費者の両方に打撃を与える可能性が高い。
以上、

★逆トランプ出現の可能性は否定できない。
トランプ氏の鉄・アルミ政策で自国産業を回復させようが、それには時間がかかる。老朽化施設を改修・もしくは新築すれば相当の時間と投資が必要となり、需給ギャップが大きいアルミの生産施設は、昨年にも廃棄され、遊休施設もなく、大規模に新築するしかない。
米国で逆トランプが誕生した場合、安価な海外製に押され再度衰退を辿ることになり、それほどのリスクを米鉄鋼メーカーやアルミメーカーが取るのか不明。
ましてや、米国企業の多額の工場投資、高価格の材料と高賃金によって生産される製品は50%関税をかけても輸入品に叶わないだろう。
すでに米国は高機能鋼材など高付加価値品の鉄鋼・アルミ製品を製造する技術すら持たない。こうした製造できない高付加価値製品は、米国企業は購入せざるをえず、輸入価格高騰で機械代や設備投資・建設投資の費用が暴騰することになる。


スクロール→

米国 鉄鋼・アルミ製品輸入

ジェトロ、USITC版 2024年実績/億ドル

輸入国

鉄鋼製品

割合

アルミ製品

割合

カナダ

132

16.3%

114

42.8%

中国

124

15.3%

29

10.8%

メキシコ

104

12.9%

18

6.9%

ブラジル

51

6.3%

 

 

UAE

 

 

10

3.6%

韓国

50

6.2%

9

3.4%

台湾

43

5.3%

 

 

ドイツ

40

4.9%

 

 

インド

30

3.7%

8

2.9%

日本

29

3.6%

 

 

カンボジア

 

 

7

2.5%

その他

208

25.6%

71

26.7%

合計

811

 

266

 

 鉄鋼製品78%を輸入に依存している米国、鉄鋼産業を復活させるとしており、トランプ氏は生産量を需要の50%以上に引き上げるつもりだろう。それも関税という貿易障壁を設け、自国産業保護政策に基づくもの。

新自由主義経済のご本家様が自由奔放にコロコロ政策を変えたら、世界の貿易は成立しないだろう。米国の高賃金、高価格材料、高い物流経費により自ずと高い製品価格に対して、より安価に生産される海外品との差は広がるばかりで、海外での価格競争力は0になり、国内では関税で保護されるものの、より高価な価格へ引き上げられ続け、関税率はさらに上昇させ続けるしかなくなる。

中国どころか、肝心の欧州貿易で軋轢が拡大、欧米関税戦争に至り、米国は孤立するしかない。それも4年任期のトランプ政権時代だけに有効な米国の政策であり、米国に対する不信感が全世界に拡大することになる。

 

米国生産量/万トン/USGS 2023年実績

 

鉄鋼製品

アルミ製品

米国消費量

9,300

 

米国生産量

2,045

 

 自給率

22.0%

 

 



 

 

[ 2025年6月 2日 ]

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