アイコン ルネサスが2350億円の巨額損失 米ウルフスピード支援で誤算、半導体成長戦略に暗雲


半導体大手のルネサスエレクトロニクスは7月25日、米パワー半導体メーカー「ウルフスピード」関連の損失として、2025年1〜6月期に2350億円を計上したと発表。巨額損失の影響で、中間決算は純損益が1753億円の赤字に転落。前年同期は1395億円の黒字だっただけに、投資家や業界に衝撃が走っている。

 

■なぜこれほどの損失に?

ルネサスは子会社を通じてウルフスピードに資金を預託し、成長市場であるSiC(炭化ケイ素)半導体の安定供給体制を築こうとしていた。EV(電気自動車)や再生可能エネルギー向けの需要が急伸している領域で、ルネサスにとっては将来を見据えた戦略投資だったといえる。

しかしウルフスピードは業績が悪化し、今年6月には再建支援契約を締結。最終的には米連邦破産法第11条(チャプター11)に基づく再建計画を申請する事態に陥った。これにより、預託金の大部分が回収不能と判断され、今回の損失が確定した形となった。

 

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■投資の「成長性」と「リスク」は紙一重

ウルフスピードは、EVシフトが加速する中で最も注目されていたパワー半導体企業の一つ。ルネサスとしても、安定供給を実現するために踏み込んだ投資だったはずだが、結果として外部リスク管理の脆さが露呈。

ルネサスは2010年代前半の経営危機を乗り越え、最近では業績回復と買収戦略を両立させていた。その矢先の大幅赤字であり、再び成長路線が揺らぐ可能性もあるといえる

 

■今後の焦点:誰と組むか、どう備えるか

EV市場やグリーンエネルギー分野は、今後も成長が見込まれる領域だ。その中で、素材や製造インフラの供給元をどう確保するか、提携先や出資先の「選球眼」がますます問われるだろう。

今回のような巨額損失は、他の半導体企業にとっても他人事ではない。経営の安定性を保ちつつ、どこまでリスクを取って成長を目指すか――。日本の半導体産業が世界と戦う上で、非常に重い問いが突きつけられた格好となった。

 

[ 2025年7月25日 ]
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