「徴用工」訴訟団 24日まで回答ない場合は差し押さえ手続きに
隣の芝は青いとか、隣のバラは赤いって言うが、お隣の国はロウソクまで赤いようだ。
また「アホは隣の火事より恐い」と言うようですが、今回のは「隣のアホの放火より恐いものはない」とのことです。
1週遅れですけど、今日も珠玉のブログ(農と島のありんくりん)の【「徴用工」訴訟団 24日まで回答ない場合は差し押さえ手続きに】を読んでみてください。
農と島のありんくりん
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「徴用工」訴訟団 24日まで回答ない場合は差し押さえ手続きに
さぁさぁ、ルビコン川が間近に迫ってきましたよ。ここを超えると、いよいよ日韓関係はポイント・オブ・ノーリターンを超えることなります。
いわゆる「徴用工」裁判で、弁護団は今月24日午後5時までに新日鉄住金から回答がなければ、韓国内の資産を差し押さえるそうです。
※ほんうとうは「募集工」、ないしは「朝鮮人戦時労働者」と表記すべきですが、世間で通用している表現なのでカッコをつけるか、「いわゆる」をつけて表記することにします。
「韓国人の元徴用工への損害賠償を命じる韓国大法院(最高裁)判決が確定したことを受け、原告代理人らが4日、東京・丸の内にある被告企業の新日鉄住金本社を再び訪れ、判決にもとづき賠償支払い義務を果たすための協議に応じるよう改めて求める要請書を提出した。
24日までの回答を求め、応じない場合は同社の韓国内資産を差し押さえる手続きを進めるという」(朝日12月4日)
https://www.asahi.com/articles/ASLD44RNPLD4UTIL01M.html
代理人の林宰成(イムジェソン)、金世恩(キムセウン)両弁護士 。韓流ドラマにでてきそうなさわやかキャラ 朝日新聞https://www.asahi.com/articles/ASLD44RNPLD4UTIL01M
イムジェソン弁護士によれば、現金化のために具体的には新日鉄住金の韓国ポスコとの合弁会社の株と、韓国国内の知的財産も差し押さえるそうです。
株式だけならまだしも、ポスコの特許権侵害事件で争点となった知的財産権まで差し押さえるというのですから、もうハンパじゃありません。
「ただ、林氏は資産の差し押さえと資産現金化の手続きは異なるものだとも説明。「差し押さえの手続きに入ることは交渉の決裂を意味しない。
手続きの過程でも(同社の)責任ある協議の意思を待ちたい」と強調し、あくまで新日鉄住金側との協議を最重要視している立場を示した。
新日鉄住金は、韓国鉄鋼大手ポスコとの合弁で設立したリサイクル会社の株式を保有。林氏によると、新日鉄住金は多数の知的財産権を韓国内で持っており、こうした資産が差し押さえの対象になるとみられる。(時事12月4日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018120400636&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
実は2015年に、韓国財界第6位のポスコ製鉄は、新日鉄住金の方向性電磁鋼板に関する特許侵害で300億円の巨額賠償をしています。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/21930.html
この損害賠償額は、コーロンが合成繊維アラミドの営業秘密侵害で米化学企業デュポンに支払った2億7500万ドルより多く、世界最高額といわれています。
方向性電磁鋼板は自動車、新再生エネルギー素材などに幅広く使われ、未来高付加価値鉄鋼素材に選ばれる製品です。
新日鉄住金は韓国内でこの方向性電磁鋼板など多くの特許を登録していますが、これを差し押さえるということも、訴訟団は視野に入れているということになります。
すると韓国司法がこの差し押さえを認めた場合(とうぜん認めるでしょうが)、この300億で和解したはずの知的財産は、韓国の法によることになります。
日本の場合、差し押さえた場合、評価額との兼ね合いもありますが、一般的には強制執行を行い、競売に付されます。
そして入札を行った後に、特許権が移転します。
訴訟団弁護士は、原告が高齢なために現金化は一日を急ぐという言い方をしていますから、競売で安くバーゲンセールをして叩き売りをするかもしれません。
その場合、ポスコだけが相手ではありません。
訴訟団は、世界各国の新日鉄住金の資産を押えると公言している以上、いずれにせよ世界相手の新日鉄住金の知的財産の競売がありえます。
世界有数の先端製造技術を持ち、高付加価値製品づくりに特化している新日鉄住金にとって、長い期間辛苦の末に作り出した知的財産を奪われた上に、それをあろうことか大安売りで叩き売られるはめになります。
当然、新日鉄住金は対抗訴訟を起こすでしょうが、「徴用工」をナチスドイツの強制収容所労働と混同するプロパガンダが浸透している人権先進国の欧米では、韓国の主張が勝訴する可能性が高いと思われます。
もちろんこれは、日本政府が指をくわえて傍観した場合であって、最悪シナリオだとお断りしておきます。
ところでイム弁護士は、「新日鉄住金との協議を最重要視している」(時事前掲)そうですが、なにを寝ぼけたことを。
産経https://www.sankei.com/photo/story/news/181112/sty...
彼らが日本に来て真っ先に行ったのは新日鉄住金の本社でしたが、すげなく面会を断られています。
二国間紛争の次元にとっくに発展しているのに、あえて気がつかないふりをして無知を装っているのか、はたまたただのパーフォーマンスなのか知りませんが、愚かです。
彼らはお約束の怒りの抗議をしたようで、それを同情的に報じた日本メディアも多く出ました。
いきなりアポなしで玄関口に集団でおしかけて、面談出来るはずがありません。
「警備員から面会には応じられないことを伝えられたということで、弁護士の1人は記者団に対して、 「当事者と会わないということは、私たちと協議をする意思がないことを確信させた。財産の差し押さえに向けた手続きを始めざるをえない」 (NHK11月12日)
なにも考えないNHKは、なんだ会うくらいすればいいじゃないかと言いたいようですが、とんでもない、絶対に日本企業は会ってはいけません。
それがあの人たちのてなのです。
イム弁護士らが口を開けば交渉、交渉と言っているのは、個別交渉に持ち込みたいからです。
かつてそれに応じた日本企業があったために、柳の下のドジョウを狙っているのですが、ひとつ応じて一円でも払えばそれが前例となってしまいます。
下世話な話、彼等のような人権屋は、早く現金化したくてたまらないのです。
政府をからませずに、日本企業を別個に交渉テーブルに引き出して、そのつど解決金を取る、これがカネになる最短距離です。
一方、新日鉄住金は、仮に差し押さえに出てこられてもやりようはいくらでもあります。
そもそも韓国国内に新日鉄住金は資産がありませんし、先述したポスコによる特許侵害事件和解案では、新日鉄住金がポスコの生産の枠組みを決定することも可能です。
こじれれば、ポスコの生産をゼロに追い込むことすら可能なのです。
したがって、新日鉄住金が訴訟団と「面会を拒否した」こと自体が「回答」です。
仮に、メディアが望むように面会したとしましょう。すると、新日鉄と訴訟団の間に直接交渉窓口が開いてしまうことになります。
集団交渉をしたことがある人ならお分かりでしょうが、「協議に応じる」ということ自体に意味があります。
協議を始めれば、基本的にはゼロ回答はありえません。それをすると即座に決裂となって協議の場を持ったこと自体が無意味になるからです。
ですから、なにかしらの落とし所を互いに探り合うものだからですが、今回のような「ありえない訴訟」を吹っ掛けられた場合、賠償額の多寡ではなく、「訴訟を起こされたこと」自体が受け入れられないのです。
ですから現時点で、意味ある協議が唯一あるとすれば、それは日韓両政府による国家間協議でする以外にありません。
いつになるかムンの腹ひとつですが、未来永劫「司法が決めたことだ」で引き延ばすわけにはいかない以上、やがて何らかの意志表示をして、日韓政府間協議は開かれるでしょう。
その場合、交渉が二つあることになります。
ひとつは民間レベルの「訴訟団協議vs新日鉄住金」交渉と、政府間の「日本政府vs韓国政府」交渉の二つが存在することになって、同じことを交渉しながら片方が折り合っても、片方は折り合わないということになりかねません。
とまれ、24日午後5時と勝手に期限を切っても、新日鉄住金に回答も協議もする意志がない以上、いまや歴史上もっとも冷えきった日韓関係は、絶対零度にまで直滑降するまであと一歩となりました。
政府間関係や国民感情にとどまらず、韓国側訴訟団がほんとうに韓国内の新日鉄住金の知的財産権まで含む資産に手を付けた場合、在韓日本企業の大部分は「コリア・リスク」の存在を肌身で知ることになります。
そしてその結果は目に見えています。全力でそんな人治と恣意の国、あるいは過激労組の支配する国からの資本逃避を始めることでしょう。
いったん新日鉄住金や三菱重工などの巨大企業が撤収を本格化させれば、雪崩をうって日本企業の総撤退が開始されるかもしれません。
同時並行して、政府の制裁も開始されるでしょう。
たとえば、韓国の銀行への信用状の取り消し、金融庁による韓国債権のリスク評価の下方修正、経済産業省による六フッ化水素酸やネオン、クリプトン、キセノンといったレアガスの輸出の制限、外務省による渡航警告の引き上げなどをかけることも可能です。
民間と政府が同時にこれらの制裁を課した場合、その破壊力は予想がつかない規模となるでしょう。
ついこの間まで通貨スワップをするのしないのと言っていたことが、遠い昔のようです。