アイコン 文政権 着々と進める米国離れと北朝鮮融和策 しかし現実が・・・


北朝鮮と蜜月時代を築き上げたい文在寅政権は、北朝鮮関係が2019年2月の米朝首脳会談で、自らが描いた北朝鮮に対する経済制裁緩和策がトランプ大統領により否決され交渉決裂、北朝鮮との関係さえ暗礁に乗り上げ焦っている。

文在寅政権は、内政面では積弊清算を完勝して敵なし状態、好き放題にしてもそれは韓国民が選択したもの、選択の余地はなく韓国民は許容するしかない。
しかし、外交面は、
1、国際社会からの経済制裁を緩和させ、ゆくゆくは統一を図りたい北朝鮮、
2、忠誠を示し制裁を緩和してもらい関係を強化したい中国、
3、同盟というしがらみから抜け出したい米国、
4、国民の反日感情を利用し歴史清算をしたい日本
という4軸を動かしながらも何一つ成果を挙げていない。

文政権は残り任期2年を切り、特に北朝鮮との関係を2019年2月の米朝首脳会談決裂以前に戻したい一念に駆られている。
ただ、これまでの南北融和は自ら演出したものでもなく、北の金正恩が2018年2月の平昌冬季五輪にかこつけた南下策にあった。核実験や弾道ミサイルの発射を続け、金正恩にしても米朝緊張関係が最高潮に達し、すでに兵器性能の向上目的と兵器によるプロパガンダ目的を達成させたことから、従北の文在寅を利用して米朝緊張関係の緩和策に動いたことによるもの。

文在寅は金正恩の思い通りに動き、米朝首脳会談を実現させ、若き金正恩にしても北朝鮮内での権力をさらに集中させることにも成功した。

 

 

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しかし、2019年2月の決裂、絵に描いた餅を提案し続けた南に対して北は激怒、特に米朝交渉を取り仕切った妹の金与正の怒りは収まらなかった。
金正恩の怒りは同年5月から弾道ミサイルを200発あまり発射して日本海へ撃ち込み、ロシアから手に入れたと見られる変則軌道弾道ミサイルの発射実験にも成功させてきた。
金正恩から外交・対南政策を任された金与正は、5月3日には38度DNZラインの韓国側監視所銃撃、南が無反応を決め込むと、さらにエスカレートさせ、韓国資金で建設された金剛山観光施設や開城工場団地を破壊するぞと脅迫し、文政権は慌てたもののこれにも無反応、6月16日には実際、開城工業団地内の4階建の管理棟=南北合同連絡事務所の爆破を敢行、米朝会談決裂での叱責の鬱憤を晴らした。

北朝鮮親愛学者だった金錬鐵統一部長官はこうした状況に何の融和策も実現できず、事務所爆破により引責辞任した。
文在寅は、そして、ここにきて筋金入りの北朝鮮親愛派の国会議員李仁栄を統一部長官に抜擢し、早速、行動に移させている。
李仁栄は韓国で学生運動が最高潮に達した1980年代に学生運動団体の全大協(北朝鮮心酔派)を立ち上げ、初代委員長に就任した。その学生運動時代を純粋培養させたまま、1992年の盧武鉉政権時代に入り与党ウリ党から出馬し国会議員に、長官就任前は与党ともに民主党の院内代表だった。

北朝鮮に対し猪突猛進する文政権に対して、共同歩調をとるように諭した米政権が、北朝鮮政策を相互理解の下で推進するために設けた米韓ワーキンググループについて、李長官は早速、ハリス米大使とバドルを演じ、ワーキンググループについて、韓国政府が北朝鮮政策を取るには邪魔で必要悪だと発言し、変更を求めた。

李長官は一方で、国連制裁下にある団体ともろくに調べもせず、「北朝鮮の酒と韓国の砂糖とを物々交換」すると発表、南北交流の突破口を開こうとして躍起になっている。最初から物々交換相手の企業が国連の制裁対象団体であったことが判明し、没になった。これに懲りず、金融機関や公的機関に対して、国連制裁や米制裁を抜け駆けできる妙案を出すよう強く要請している。
こうしたことはすべて、文在寅の掌の中で行われている。

<国連制裁対象の法案>
文在寅氏の意向を汲み威勢のよい李長官率いる統一部は8月27日、北朝鮮企業の韓国内での営利活動を可能にし、韓国企業の北朝鮮内事務所の設置を許可する南北交流協力法改正案の立法化を推進している(改正法案そのものは金錬鐵前長官時代に作成されていた)

改正については、米国主導の対北朝鮮制裁に抵触する恐れがあるという指摘もなされたが、統一部は修正なく立法を強行する方針。
統一部の南北交流協力法改正案は、「経済協力事業(第18条3)」条項を新設し、南北経済協力の範囲を具体化した。
韓国と北朝鮮の企業が、韓国や北朝鮮、第3地域で共同または独自に営利活動できる法的根拠を設けている。
特に、北朝鮮の企業が韓国の株式や不動産、著作権などを所有することも可能にした。
しかし、これは北朝鮮と新規の合作事業および投資を禁止した2017年の国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議案2371号に違反する。

李長官率いる統一部は「抽象的な法律だけで制裁に違反すると見ることはできず、現行法にも制裁を考慮した規定がある」とし、問題ないとしている。
北朝鮮側と取り引きする法人や団体の事務所を北朝鮮に設置できるようにする内容も改正案に含まれている。
以上、

南北事務所が北により爆破され3ヶ月も経たないうちに、こうした改正法案を国会に提出、文在寅氏+与党の総意として、議席を圧倒している国会で決議することになる。
北朝鮮に対してこうした土下座外交を推進する文在寅氏であるが、足下の経済は、これまでの経済失策に加え、新コロナにより大打撃を受けている。

<自由にできそうで自由にならない為替問題>
雇用対策に巨額を要する韓国版ニューディール政策を推進中(今期だけでも150兆ウォン)と総額300兆ウォンの国防5ヶ年計画を打ち出し、それを大量国債発行で乗り切るとしている。
文政権は、韓国の国債残高はGDPに比し、OECD内でも少なく、いくらでも発行できるとしているが、その国債や証券は外資保有比率が高く、財政を悪化させ続ければ、為替不安を招き、1997年のように再びIMFに面倒を見てもらうことになる。

今年3月月初の新コロナ不安では(1ドル)1290ウォン台まで急落、米政権が緊急スワップ協定を締結しなければ、まったく分からない状態に至っていた。
しかし、韓国は、旧政権の官僚の専門家たちを積弊清算により追放してきたことから、文在寅氏はじめ与党に国際金融に精通した者などおらず、取り巻きにも左巻きの学者バカの経済学者しかいない。唯一韓銀総裁により支えられているが、政治が米国を怒らせた場合、米国との信任状であるスワップ協定での協力ももはや期待できないものになる。

3月の1件で、これまで韓国政府は、中国やカナダ・スイス・インドネシア等数十ヶ国とスワップ協定を締結してきたものの、基軸通貨のドル=アメリカとのスワップ協定なしには、為替不安には何の役に立たないことを立証さえしてしまった。

<中国との経済関係>
韓国経済を牽引している半導体と中国への輸出(香港含み韓国の輸出の35%超)は、中国政府が現行の半導体内製化率30%前後を国家政策で70%まで引き上げという中国製造2025を推進している。
韓国勢との技術格差は2年余りまだあるが、2025年にはほとんどなくなっていると見られ、市場の需要拡大はあるものの、韓国勢が主とする汎用性のメモリ半導体では、これまでのような暴利を貪ることもできなくなる。

<経済対策等の内政>
韓国は現在、文政権の経済失策により、公共機関で失業者を短期雇用させ大量に抱え込み続けており、表面上の失業者数を押さえ込んでいる。当然財政負担は高じるばかりだ。
財政出動のニューディール政策も巨額国防計画も計画を立てること自体は韓国の内政であり、問題はないが、為替問題は国際金融問題であり、韓国政府にはどうしようもない現実がある。
現行、戦作権の返還を米国から受けたとしても米国から乳離れできず、中国に傾注しすぎれば米国から注射を打たれ、北朝鮮政策では国連制裁や米制裁を無視して進めれば、結果、韓国自身が制裁を受けることになり、米国には逆らえない現実が横たわっている。
文在寅氏が意識して、統一部長官に学生時代に反米闘争を繰り広げ、そのまま政界入りした李仁栄氏を起用したところで、北朝鮮が核を完全廃棄しないかぎり、国連も制裁を解除することはなく、核の完全廃棄の国連決議に応じさせることを目的とした経済制裁を国連加盟国である韓国が反故にすることも到底できない。

北朝鮮は、核や弾道ミサイルは米国をターゲットにしたものだと公言しており、北朝鮮に対する米制裁を米国と軍事同盟国を締結している韓国が反故にすれば、その制裁は韓国に向くのは当然のことでもある。
イラン制裁に関わった中国ZTEやファーウェイを見るだけでも一目瞭然。例え、米大統領がバイデンになったとしても、米国を標的に製造された北朝鮮の核がなくならない限り、北朝鮮政策は変わりようもない。

追、次期日本の政権者は、韓国の文政権に対してだけは安倍首相の政策を踏襲する必要がある。米政権や文政権が何を言おうと目先で動けば隙が生じ、文政権は日本の政権の間隙を縫い、結果、日本の新政権は日本を墓穴に陥らせることになる。

[ 2020年8月29日 ]

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