アイコン 蜘蛛糸のスパイバーSpiber 穀物メジャーと組み米で量産化へ 「ブリュード・プロテイン」


世界初の合成クモ糸繊維「QMONOS(クモの巣)」の量産化に成功している繊維素材開発ベンチャーのスパイバー(Spiber、本社:山形県鶴岡市)は6日、同社が開発する人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン」を米国で量産すると発表した。
同日、米穀物大手のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM、イリノイ州)と量産に関する協業で提携した。

ブリュード・プロテイン=Brewed Protein™ は、植物由来のバイオマスを主な原料とし、微生物発酵(ブリューイング)プロセスによりつくられる人工タンパク質素材(植物由来の糖類=グルコース=ぶどう糖を主原料とした繊維素材)。
脱石油素材の一つで、衣料品などへの採用が広がっている。

提携では、
ADM社が、植物由来のグルコースを原料とする「ブリュード・プロテイン」の発酵と生産を担当。
スパイバー社が、加工拠点で繊維や樹脂、フィルムなどに加工する。

また、スパイバーはADMを割当先とする第三者割当増資を実施し、59億円を調達した。
は平成19年9月、当時、慶應義塾大学先端生命科学研究所でクモの糸を研究していた関山和秀社長が立ち上げた。
現在、タイにタンパク質製造プラントの建設を進めており、来年の稼働開始を予定している

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同社は昨年11月、同社と資本業務提携しているゴールドウィンが提携する米ノースフェイスブランドから『MOON PARKA(ムーンパーカ/150,000円+税(165,000円))』をネットで限定販売している。

「QMONOS」も10年余年でやっと事業が開花する(ただ、プラント工場が日本ではなくタイという)。
植物由来というところがミソ、
ゴールドウィンと組みノースフェイスブランドを使用させてもらったことが大きなプラス
同社は開発資金に多額を要し資本金だけで354億円(資本剰余金含む)、売上高は2019年12月期で2億円と僅か、しかし、合成繊維も含めマイクロプラスチック問題が浮上する中、植物由来での強靭で軽い繊維の製品化に成功したことにより、環境に金銭に糸目を付けない欧米人から大きな支持を得られると見られる。
今後ともいろいろな分野で「QMONOS」は製品化されるものと見られる。
同社は既に1000億円以上の評価がなされている。

会社名:Spiber株式会社
設立年月日:2007年9月26日
社員数:235名(2020年4月現在)
平均年齢:36.6歳
資本金等:354億円(資本剰余金含む)
事業内容:新世代バイオ素材開発
所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上234番地1
プロトタイピングスタジオ:山形県鶴岡市覚岸寺字水上240番地1

取締役:取締役兼代表執行役:関山和秀
慶應義塾大学環境情報学部、先端バイオ研究室である冨田勝研究室所属。2002年より山形県鶴岡市にある慶應義塾大学先端生命科学研究所を拠点に研究活動、2004年9月よりクモ人工合成の研究を開始。これを事業化するため博士課程に、在学中2007年9月、学生時代の仲間の菅原潤一らと共にスパイバー株式会社を設立
取締役兼執行役:菅原潤一
(慶應義塾大学政策メディア研究科博士課程修了(Ph.D) /(バイオインフォマティクス専攻)
社外取締役:荒井俊行(弁護士/NY州弁護士)
社外取締役:松橋香里(公認会計士)
社外取締役:冨田勝(慶應義塾大学先端生命科学研究所所長)
社外取締役:田幡直樹(ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究所 客員研究員)
社外取締役:瀧川博

Xpiberはトヨタ系の小島プレス工業(愛知県)の出資を得て設立され、同社のバックアップで試作品製造工場の建設など開発を加速させてきた。その後社名変更しSpiberとなっている。巡り合わせ。

[ 2020年10月 7日 ]

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