アイコン バイデン大統領 閣僚人事候補 女性国防長官の可能性


ジョー・バイデン米民主党大統領候補が当選した場合、オバマ政権の対外政策をかなりの部分で受け継ぐことが予想される。
「米国第一主義」を掲げたトランプ政権とは違い、同盟との共助を強化し、一国主義ではなく多国間主義的な外交政策を展開が予想される。
バイデン候補の主な外交・安保参謀では、

1、WH国家安保補佐官/国務長官には、
(1)トニー・ブリンケン氏、前国務副長官、WH国家安保補佐官や国務長官になると見られる。10月の対談では、金正恩委員長に対して「最悪の暴君」と呼び、北朝鮮を「世界最悪の『収容所国家(gulag state)』」と規定し、トランプ政権の対北朝鮮政策を批判。韓国の北朝鮮統合派の文政権と対峙することになる。
バイデン氏の選対本部外交政策顧問。バイデン氏の外交・安全保障のブレーン。国務長官としては知名度が低くNSC(安全保障担当)に就任するものと見られている。

(2)ジェイク・サリバン女史、前副大統領国家安保問題補佐官、WH国家安保補佐官候補
(3)スーザン・ライス女史、元国連大使、バイデン氏に近く、WHの要職に付くものと見られている。一時は副大統領候補にも挙がっていた。親中派としても知られ国務長官になった場合は、日本に対しては厳しい対応をとるものと見られ、大統領副補佐官・安全保障担当の経歴からして大統領補佐官が適任かと見られている。

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2、国防長官には、
(1)ミッシェル・フロノイ女史は退役軍人、元国防次官、オバマ政権継承委員会の国防チーム長を務めた人物、オバマ政権時も初の女性国防長官候補と言われた。
(2)タミー・ダックワース女史は、上院議員、バイデン候補の副大統領候補の1人だった。ヘリコプター操縦士としてイラク戦争に従軍し、脚を失って除隊した後に政治の世界に飛び込んだ人物。母親が中国系タイ人で、もし国防長官になればアジア系の女性で初の国防長官になる。マイノリティ代表にもなる。
国務長官・国防長官の両方に米史上で初めて女性が就任するかどうか、注目される。

(3)クリス・クーンズ氏、上院議員、バイデン氏の盟友(弟分)。国務長官、主席補佐官、司法長官の可能性があるが閣僚経験がなく上院院内総務になる可能性も高い。

3、主席補佐官
(1)ロン・クレイン氏、バイデン氏の新コロナ対策ブレーン、バイデン氏が副大統領時代の首席補佐官という関係にある。調整力があり。
(2)スティーブ・リケッティ氏、バイデン選対本部議長、バイデン陣営の金庫番として豊富な資金を集めた実績は高く評価されている。NEC(国家経済会議)担当が噂されている。

4、財務長官
(1)ラエル・ブレイナード氏、FRB理事、金融政策ではハト派、
(2)エリザベス・ウォーレン女史、上院議員、左派、オバマ政権で消費者金融保護局(CFPB)を立ち上げ金融規制・投資家保護に尽力。
(3)ジーナ・ライモンド女史、ロードアイランド州知事、年金問題や州財政のスペシャリスト。GAFA改革に適任とされる。

5、国家経済会議(NEC)長官
(1)ジャレッド・バーンスタイン氏、バイデン副大統領時代の経済政策顧問、左派。
(2)サラ・ブルーム・ラスキン女史、元財務副長官、中道派
(3)スティーブ・リケッティ氏、バイデン選対本部側近で現在の首席補佐官
(4)ヘザー・ブーシェー女史、エコノミストだが女性の労働事情に精通、中間左派

6、司法長官 
アンドリュー・クオモ氏、現NY州知事、次期大統領候補の一人。

7、通商代表部(USTR)
多国間の貿易交渉や海外への直接投資など米国の通商政策全般を担当。通商代表は大統領直属の閣僚級扱い。これといった人物はまだ予想されていないが、対中政策の強硬派でトランプの保護主義に準じた者になれば、日本に対しても貿易赤字問題が浮上してくる可能性がある。
米なきTPPを推進した日本、リーダーシップ力もなく空中分解の様相、上院を今回も共和党が抑えたため、米回帰も望めそうもない。民主党にもTPP反対派がいる。

8、バイデン候補の外交安保政策は、
「同盟強化」、「対中けん制」、「グローバル・リーダーシップ回復」
の3点に要約される。
トランプの取引的な観点よりも価値中心の同盟重視政策を通じ、自由主義国際秩序の再建に外交力を動員するものと予想される。
米民主党は、今年の政綱政策で「同盟は金の問題ではない」として公正な防衛費分担を強調している。

9、北朝鮮非核化交渉では、
トップダウンの「首脳外交」方式を好むトランプ大統領とは違い、専門家の徹底的な検証作業を経る「ボトムアップ」方式の実務交渉を強化すべきだという考え。
オバマ政権に続き、トランプ政権でも続いた対北朝鮮制裁圧力路線は変わらない。
バイデン政権発足では、北朝鮮が対米圧力の観点から来年初めに挑発行動を試み、朝鮮半島の緊張が高まるかもしれないと見られている。

バイデン候補は、北朝鮮の「人権問題」もトランプ政権より積極的に提起するものと見られる。
トランプ政権の対中圧力政策は維持というレベルを越えて強化される可能性もある。米国の対中牽制戦略は、超党派的でトランプ政権前から続いてきたもの。
トランプ大統領がポピュリズムの観点から反中政策を立てたとすれば、「賭け」発言からも分かるようにバイデン候補は、「同盟重視」の観点から反中を促す反中包囲網に動くことになる。
以上、

経済優先のオバマは、南シナ海埋め立て問題で完全に中国にコケにされ、最後は自由の航行作戦を敢行、政府機関の中国製通信機器の使用禁止など反中政策の強化に乗り出していた。
トランプは当初中国に対して様子見をしていたが、貿易赤字問題から、財務長官や通商代表部に対中強硬派を配置していたこともあり、貿易=国防問題に発展、今では議会は共和党・民主党関係なく、対中強硬派が蔓延している。

バイデン民主党政権が誕生しても、オバマの最後の対中政策とトランプの対中政策に共通した対中政策を進めるものとなる。
特に民主党政権は「人権問題」も取り上げることから、「150万人ウイグル族強制収容所問題」は避けられず、さらに香港問題では中国が英中協定を破棄した一国2制度破棄に対して、政治的には対中関係は悪化し続けるものと見られる。
ただ、経済・貿易問題でどこまで政治にリンクさせるかはまだわからない。


 

[ 2020年11月 7日 ]

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