アイコン 香港で人口培養魚肉公開 2ヶ月で切り身生産  シンガポール培養鶏肉販売認可


国連食糧農業機関は、2020年の報告書で、世界の漁業資源のうち3分の1は乱獲状態にあると述べている。漁業資源は50年以上前から乱獲で枯渇問題を抱え、漁獲量の制限など行っているが、世界から見ればそれは一部でしかない。
 2月28日、香港では、世界初と称する「実験室育ち」の魚の切り身の料理を公開された。
料理人によると「調理前は、ずいぶん身が固い感じだったが、加熱すると食感が本物の魚のように変わった」と述べている。
切り身の味・香りは普通の魚と変わらないが、クラブケーキ(蟹のすり身)のような粘りがあるという。
培養魚を製造したのは、香港に本拠を置く食品スタートアップ企業アバント・ミート社。

NPOグッド・フード・インスティチュート(GFI)アジア太平洋支部のマネージングディレクター、エレイン・シュー氏によれば、気候変動に関する目標を危うくすることなく、肉・魚介類に対するグローバルな需要増大に対応する重要なステップになるとしている。
「培養肉によって、海洋資源を枯渇させたり、熱帯雨林を伐採したりすることなく、消費者が求める動物性タンパク質を提供できるようになる」と同氏は語っている。

この魚の試食会の直前に当たる12月初めには、シンガポール政府が、他国に先駆けて細胞培養による鶏肉を承認したと発表した。
「クリーンミート」とも呼ばれる人工培養肉が世界で初めて一般向けに販売されることになる。
GFIは、昨年発表した報告書の中で、経済成長と所得向上により、アジアにおける従来の肉・魚介類の消費は2050年までに80%近く増大すると予想されると述べている。

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<資源消費を大幅に削減>
人工培養肉はこれから地歩を築いていくところだが、オックスフォード大学が2011年に行った調査によれば、人工培養肉は食肉生産におけるエネルギー消費を最大45%、温室効果ガスの発生を78%以上、必要な土地面積を99%、水消費を最大96%削減する可能性があるという。
だが別の研究者らは、人工培養肉が環境面でもたらす恩恵は過大評価されているとして、特に、生産がエネルギー集約的になるという理由を挙げている。
アバント・ミート社の共同創業者であるキャリー・チャンCEOは、魚肉の人工培養に要する時間は通常の方法による魚介類の生産の数分の1で済むと言う。
チャンCEOはトムソンロイター財団の取材に対し、種類にもよるが、たいていの養殖魚は成長に1~2年を要し、天然魚の場合はもっと長くかかるという。
だが、今回の試食会に向けてアバント・ミート社が用意した約10尾分の切り身は、生産にほぼ2ヶ月しか要していないという。

<さまざまな動物性タンパク質を培養>
アバント・ミート社では、ハタ科の魚から抽出した細胞を、バイオリアクター(生体触媒を用いて生化学反応を行う装置)に投入し、ブドウ糖、ミネラル、アミノ酸、ビタミン、プロテインで培養したものだという。
アバント社の共同創業者で最高科学責任者を務めるマリオ・チン氏によれば、ビールやヨーグルトの製造と似たようなものだという。
培養された細胞は筋肉組織へと成長していく。頭やヒレ、内臓などはない。

チン氏によれば、細胞培養テクノロジーによって、ほぼどの部位でも、さまざまな動物性タンパク質を培養できるという。

みずほ銀行でアジア太平洋地域における農業・食品プロジェクト向けの融資を担当するJ・Y・チョウ氏によれば、こうした人工培養による動物性タンパク質は、食品供給の不安定さを克服するために安定した価格と予測可能な供給量を求める企業にとって、また消費者に近い場所で食材を調達したいと考える企業にとって魅力的だと言う。

各国政府にとってもメリットはあるだろう。COVID-19のパンデミックや貿易紛争により、食糧生産の確保・国内化のニーズが見えているからだ。

アバント社のチャンCEOは、人工培養を推進すれば、食糧生産に必要なスペースを「バイオリアクターを設置する場所1点に絞ることができる」と語る。
社会的責任を重視する世界最大のティラピア生産企業であるリーガル・スプリングス社の会長を退任する予定のマークス・ヘイフェリ氏は、トレーサビリティや品質の安定も大きな魅力だと話しているという。
以上、ロイター参照

資源枯渇問題、食糧安保問題、地球温暖化問題から、ロイターは肯定的に記事を配信しているが、もうそれは食ではなく、気持ち悪く、吐き気がする。
しかし、そうした時代が30年もすれば訪れのだろう。
ただ、遺伝子操作作物の本家アメリカも、主食となるパンの原料、食料用小麦は、今もって遺伝子操作種子による生産を禁止している。何を物語っているのだろうか。いまや日本は世界に対して大股を広げていることから、遺伝子操作作物・穀物が大量に輸入されている。日本が主導するTPP加盟国はほとんどが農業国、遺伝子操作作物を生産している国で、輸出品もそうした作物となっている。当然、1.2億人の国への輸出を念頭に入れ、それを実現させてきている。

 

[ 2021年2月 8日 ]

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