アイコン アルケゴス被害のクリディ・スイス5100億円の減損


クレディ・スイス・グループは、アルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジション破綻で47億ドル(約5100億円)の減損を計上したことを踏まえ、ヘッジファンドとファミリーオフィス向けの融資条件を厳格化する。
新しい業界慣行の前触れとなる可能性がある。
クレディ・スイスはプライムブローカレッジ契約のより制限的な条件に一致させるよう、スワップ契約の証拠金要件の変更を顧客に要請する。

具体的には、固定型の証拠金を変動型にシフトして、顧客により多くの担保差し入れを迫る可能性を持たせるものとし、一部取引では収益性の低下が生じ得る。

スワップは、アルケゴスのビル・フアン氏が自身のファミリーオフィス、アルケゴスで高レバレッジの株式ポジションを取る際に利用していた。

フアン氏のポジションは、3月22日の週に急激な評価額の減少に見舞われ、アルケゴスに対し巨額の追加証拠金要求が発生。フアン氏はわずか数日で200億ドルを失った。

(アルケゴスの純投資資産は70~100億ドルとされ、レバレッジで500億ドルを購入、一時は1000億ドルを購入していたともされる)

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固定型の証拠金では、一定規模のポジションや口座を維持するために顧客が差し入れねばならない定額の担保が設定される。
変動型では、ボラティリティーなどの要因でポジションや口座の潜在的リスクが増大した場合にディーラーはより多くの担保差し入れを求めることができる。
以上、報道参照

アルケゴスが巨額投資していたバイオコムCBSと中国バイドゥの株価が急落、融資団がアルケゴスに追加担保差し入れ要求をしていた矢先に、アルケゴスにそうした能力はないと判断したモルガンスタンレーやゴールドマンサックスなどが、ファン氏に了解を取り付け、預かっている株券を場外バスケットで売り逃げし被害を免れる一方、クレディ・スイスと野村證券などは売れそびれ巨額損失、手数料欲しさの取引が巨額リスクとなった。

野村は20億ドルの損害だとしているが確定数値は発表していない。同社は調査委員会を立ち上げるとしている。一方でアルケゴス前身のファン氏のタイガーアジアファンドを育てたのは野村證券とも言われ長いお付き合いだったようだ。

アルケゴスのビル・フアン氏はインサイダー取引により2012年に罰を受け、一時、業務停止処分を受けていた。過去、親密な関係を築き上げていたとしても、傷者とは取引しない商売の鉄則を破ればこうした巨額損失を招いてしまう教訓だろうか。

[ 2021年4月 9日 ]

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