アイコン 住友重機 機関銃の図面、中国へ流出さす その根底にあるもの


防衛費予算は限りなく増加しているが、その大半は米国様が喜ぶ高額な米製兵器の購入に充てられ、日本の兵器産業は衰退の一途をたどっている。

政府は5月20日、住友重機械工業(住友重機)が、陸上自衛隊向けに製作した試験用機関銃に使われた部品の設計図面が中国へ流出したことを明らかにした。
流出したのは、陸自が次世代機関銃の調達先の募集を始めたのに伴い、住友重機が試験用に製作したサンプル品の部品の設計図面。
経産省は、海外との取引を管理する外為法に下請けが違反したとして、住友重機と下請けを4月28日付でそれぞれ厳重注意した。(注意したのはよいが、一切公表していない。秘密のあっ子ちゃん)

この部品をめぐっては、住友重機から生産を受注した企業が、中国企業を孫請けに選び、製作を委託、この際に住友重機の部品の図面が中国企業に流出したというもの。
住友重機は「今回の件を真摯に受け止め、下請企業の管理を徹底したい」としている。

加藤官房長官は20日午後の記者会見で、「こうした事案が発生したことは大変遺憾。政府としても適正に対処すべく努めていく」と述べた。
4月28日に経産省からの指導に加え、防衛省からも住友重機に対して、下請企業に関する管理業務の見直しを徹底させたという。

住友重機は機関銃生産について、売り上げ拡大が見込めないほか、生産設備の維持や技術者の育成が難しいなどとして3月、撤退することを決定した。今後はメンテナンスや整備用部品の生産は続けるが、入札には参加しない方針を決定している。

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<兵器産業から撤退相次ぐ日本企業>
日本は次期戦闘機として試作機「心神(X-2)」を製作し飛ばしながら、トランプ大統領から好かれたいがためにF-35Aを選定したことで、横浜ゴムや住友電工が戦闘機生産から撤退、その後、戦闘機などの射出座席を生産していたダイセルは完全に防衛産業から撤退した。
コマツは装甲車製造から撤退を決定。同社は砲弾も製造しているが、これも戦車や火砲の数が前防衛大綱から、2019年からの30大綱になって半減することが決まり、同社の防衛事業からの撤退は時間の問題と見られている。

そして、自衛隊に機関銃を供給している住友重機は今年3月、現在の陸自次期機銃選定で試作機を提出していたものの辞退、機関銃の生産を止めることを決定した。(当時、違反容疑で調査が入っていたものと思われる)

陸自は、1993年に7.62ミリ62式機銃の後継機としてベルギーの銃器メ―カーFN社の5.56ミリのMINIMI(Mk1)を選定、以後、住友重機械工業が2019年度までライセンス生産して4922丁を納品してきた。
しかし、陸自は計画の残り800丁を未調達にしたまま、2019年に次期5.56ミリ式機関銃を選定作業に入った。それも数量は800丁あまり、これではよほど防衛省が予算を出さない限り採算は合わないことから、住友重機は陸自の選定作業から撤退を表明した。

なお、住友重機は2013年に、機銃の性能や耐久性などのデータを40年以上改ざんし、防衛省が定める発射速度や目標命中率などの基準を満たさないまま納入していたことが判明していた。このため同社は当時、指名停止措置5ヶ月をくらい、賠償請求金額6247万円の支払いを命ぜられていた(韓国企業並み)。

何れにしろ、日本の兵器産業は、武器輸出3原則で海外への販売をしないことから、調達価格は高くなり、企業も儲けられないという現実があった。

安倍前首相は、国会で絶対多数を擁していたことから、武器輸出3原則を取っ払って輸出できるようにした。

安部首相自身、自ら鳴り物入りで進めていたオーストラリアの潜水艦調達事業で、懇意にし、ほぼ日本からの調達で内定させていたアボット首相が2015年9月与党内の政変で退任、変わったターンブル首相には脈はなく、相手にされずフランスが受注(総額7.2兆円)、それ以降、安倍首相は兵器商売のやる気を失し、海外国への武器販売を行わなくなった。実績0.

それでいて、安倍首相は米国からの兵器購入を拡大させ続け、日本の兵器産業の技術力は停滞=後退し続けている。

本来、兵器産業を進化・強化させれば、新しい技術が産業にもたらされるものだが、日本では今や幻想に過ぎない。

それを象徴しているのが、三菱重工の旅客機製造の失敗(現状)ではないだろうか。

最近の日本の政権者たちは米国かぶれのお坊ちゃまたちが多く、米国一辺倒になり、国策というものを知らない。憂国。

 

[ 2021年5月21日 ]

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