アイコン 運賃急上昇の海運業界 事例韓国 郵船は今期利益3倍増に上昇

最近釜山港への外国海運会社の入港が減り続けているという。韓国の運賃は中国・東南アジアに比べ5~20%安いため「韓国パッシング(素通り)」が増え、釜山港湾公社によると、今年1~4月に釜山港に寄港した(主に食料品や製品を積む)コンテナ船は6411隻で、前年同期を▲11%下回っているという。昨年は新コロナの影響が出て大幅に減っていたと見られ、尋常ではない減り数になっているようだ。

フォワーダー「ニューワールドシッピング」は、「船舶と空きコンテナの不足、船積み・荷役作業の遅延だけでなく、海外の海運会社が韓国にそっぽを向いている。海運物流の混乱は7~9月期以降まで長期化するのではないか」としている。

全世界のコンテナ船の遊休率は4月末現在で0.8%。修理中の船を除けば、事実上全世界の全てのコンテナ船が投入されている状況となっている。

これは、新コロナにより港湾で積み下ろし期間が長引き、主要港では入港待ちになっている船舶が行列していることにある。
それに加え、今年はじめからはワクチン接種も本格化し、急速に世界経済が回復してきており、運搬量が大幅に増加していることにある。

 


↓バルチック海運指数=外航不定期船(ドライカーゴ)の運賃指数

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鉱物・石炭など資源や穀物の運搬船価格の指数。

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2019年まではトランプ政権による米経済の回復によりバルチック海運指数も上昇傾向にあったが、トランプ政権は中国習政権との激突による貿易制裁合戦に明け暮れ、和解すればバルチック海運指数も高くなり、新たなる制裁により再び悪化するという循環を繰り返していた。
2020年からは新コロナの経済打撃で海運指数は大幅に低下、
しかし、トランプ政権による補助金バラ撒きと経済再開により、20年夏場に上昇、
2021年のバイデン米政権発足で、補助金バラ撒き、巨額インフラ投資が執行され、米国ではワクチン接種も進み経済急回復、また欧州も経済回復、中国はそうした経済回復の受け皿となり空前の輸出増に、ドライカーゴも工業製品輸出用のコンテナの運賃価格も高騰しているもの。
以上、
当然、船賃価格の高騰は販売価格に反映され、大きなインフレ要因になる。米国で生じている人手不足による労賃上昇も、製品価格・物流価格・販売価格を押し上げることになる。
そのため、米国では新コロナ経済対策の金融緩和策(市中資産の買い入れ+低金利政策)の解除に向けFRBが動き出している。

日本では世界経済低迷下、また船腹過剰により、欧州の巨大船舶会社の巨大コンテナ船(単価安)による価格競争を強いられ苦戦、政府主導により郵船・商船・汽船の日本の大手3社のコンテナ船部門を統合させ「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE-JAPAN)」を発足させ、2018年4月からサービスを開始している。

その1社である日本郵船は7月1日、2022年3月期連結業績予想について、早くも営業利益を1300億円(従来予想660億円/コンテナ船以外)に、当期利益を3,500億円(同1,400億円/前期1,392億円/コンテナ船配当反映)にそれぞれ上方修正すると発表した。
旺盛な輸送・活発な荷動きを背景に、コンテナ船事業の統合会社ONEジャパンの業績が想定以上に堅調なことなどを反映している。

 

[ 2021年7月 5日 ]

 

 

 


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