アイコン LG製バッテリー搭載のVW EV「ID」.3も全焼 オランダ


電気自動車専門メディアのインサイドイブEVsによると、VW(フォルクスワーゲン)の小型EV-ID.3が、オランダのフローニンゲンで14日火災が発生し、全焼したと報じた。
ID.3は充電を終えた状態だった。運転手は3歳の子どもを乗せて座席に座った状態で、後輪の方から出ている煙を確認した。運転手と子どもはすぐに車から出て人命被害はなかったが、車両は全焼した。
VWは火災事故に関する独自の調査に着手した。

VWのID.3とID.4に搭載されているEV用バッテリーのリチウムイオンバッテリーはLGエナジーソリューションが供給している。

インサイドEVsは「フォルクスワーゲンID.3のその他の火災事故はまだ確認されていない」とし「ID.3の最初の火災である可能性が高い」と伝えた。
ID.3は昨年の発売直後に部品問題でリコールを実施したが、バッテリーに関するものではなかった。

LGエナジーソリューション製バッテリーは、米GMは火災が3台発生したシボレーボルトEVのリコールを発売当初から2018年までの分をリコールしたが、最近、2019年以降の分もリコールすると発表した。リコール対象車は14万台を超える。

韓国の現代自動車もEV-コナの7万台以上のLG製バッテリーのリコールを進めている。コナ車も2018年までの分をリコールしているが、リコールしていない2019年以降の生産分車両でもその後火災が発生している。

スポンサーリンク

世界最大のEV市場の中国ではEVの火災が続いている。中国生産のテスラ車も燃えている。

VWも今回の火災原因調査で、バッテリーが原因だとすればリコールを実施する可能性が高い。

GMが唯一火災原因を判明させているが、それによるとまれに発生する2つの製造上の問題が、稀に同時に問題を起こしたときには、火災が発生しているとしている。
そのため、充電空き容量をこれまでの3%を10%以上に設定しても火災が生じたとしている。

1、以上の製造上の問題による火災
2、GMや現代自のEV火災は、充電時の空き容量の問題が主で、EVの1回充電による走行距離が短い問題から、可能な限り遠距離を実現させるため、空き容量を3%前後しか持たせず、充電時や充電直後にバッテリーセルが熱暴走を引き起こし火災を起こしやすくなるとされている。
3、バッテリーが直接の問題ではなく、自動車製造過程の配線の問題により火災が発生することもあると指摘されている。

バッテリーで自動車メーカーがリコールした場合、もともと車両価格に占めるバッテリー価格が車両価格の1/3~1/2)であり、その費用は高額となる。

バッテリーに問題があると判明すれば、バッテリー会社の負担額は最悪7:3になる可能性もある。現代車のEVコナの場合は、原因が究明されておらず、3:7と現代車が7の負担でリコールを進めているという。

自動車メーカーはEVの生産拡大をはかるため、2025年までは韓国3社と中国2社のバッテリーメーカーを高値で囲い込み、搭載している。
そのため、EV価格は販売数量が大幅に増加しているにもかかわらず値が下がらない状態となっている。
それ以降は、独自開発(VWなど)やこうした専業メーカーとの合弁会社(GMなど)による生産バッテリーを搭載するカーメーカーも多くなってくる。

それにしても、日産リーフの火災問題は聞いたことがない。やはり安全のため、しいては利益のため、安全第一にバッテリーを製造していたのだろう。
しかし、日産ゴーンが、より高性能のバッテリーを開発するより、専業メーカーから購入する方が安上がりとして、日産がNECとの合弁会社オートモーティブエナジーサプライ(株) (AESC)でバッテリー生産会社を中国企業エンビジョンに叩き売った。現在はエンビジョンAESCとなっている。エンビジョンAESCは日産英国工場に近接して日産との合弁でバッテリー工場を建設中である。
エンビジョンAESCは引き続き日本で研究開発しており、同社製のバッテリーは、これまでも長く開発研究してきていたことから安全性に長けているものと見られる。

VWの燃費偽証問題では3兆円あまりの損害を発生させた。
現代・起亜も米国でのシータ2エンジン搭載車の火災問題の処理が適切に行われず、米当局が原因究明、両社は3000億円あまりを現在引き当てている。
エアバックのタカタは欠陥エアバック問題で1.6兆円の負債を抱え倒産した。
半導体もしかりであるが、サムスン電子はアマゾンからデータセンター用のシステム半導体を受注生産したが、半導体に瑕疵があり、データセンターに支障をきたし、7000億円あまりの損害賠償を受け、サムスン電子は4~5000億円で決着させていた。

大量に使用したり搭載する部品や製品に問題や瑕疵が発生すれば、製造し納品したメーカーは命取りになることもある。

↓VW  EV-ID.3
同車は2020年9月販売開始で、4ヶ月間で5万65百台を世界販売している。今年はすでに7ヶ月経過しており大量に販売しているものと見られる。
0824_01.jpg

 

[ 2021年8月24日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧