アイコン GMボルトEVも火を噴き LGリコール引当金312億円計上


ゼネラルモーターズ(GM)は6日、シボレーのブランドで生産・販売する電気自動車「ボルトEV」に対するリコール引当金として、4~6月期の四半期決算で8億ドル(880億円)を計上した。

これを受けGMへのバッテリー供給元であるLGエレクトロニクスとLGエネルギーソリューションも合計で約312億円の引当金を計上した。
(LGは現代のコナEV、GMボルトEVなどに納品/このほかサムスンSDIでは搭載先のBMWでも火災、BMW-PHVが販売中断に追い込まれていた)

8月10日、LGエレクトロニクスとLGエネルギーソリューションの親会社であるLG化学は、ボルトEVに対するリコール引当金を反映して4~6月期業績を訂正すると公示した。
引当金のうちLGエレクトロニクスが2,346億ウォン、LGエネルギーソリューションが910億ウォンの計3,256億ウォンを計上する。
これに伴い、LGエレクトロニクスの4~6月期営業利益は1兆1,127億ウォンから8,781億ウォンに、LG化学は2兆2,308億ウォンから2兆1,398億ウォンにそれぞれ修正された。

LGエレクトロニクスなどは、「引当金反映による財務諸表変動により、予想される所要費用を4~6月期に反映した。今後進められるリコールの経過により一部変動の可能性がある」と明らかにした。

これに先立ちGMは先月末ボルトEVに対する2度目のリコールを発表していた。
GMは昨年ボルトEVで火災が相次いだのを受け、大々的なリコールを通じソフトウエアアップデート方式により欠陥を解決した。

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だが、最近米バーモント州でソフトウエアアップデートを終えたボルトEVで再び火災が発生し、追加リコールを決めた。2017~19年に生産した車両の一部が対象となっている。
(リコールは一充電の走行距離を伸ばすため、満タンの97%に設定、しかし、97%でも、熱暴走により充電中などで火を噴き、そのためリコールにより85%~90%にプログラムを書き換え余裕をもたせている。しかし、これだと宣伝文句の走行距離と異なり、ユーザーに対して補償することになる。補償しなければ裁判で訴えられるのが米国流)

GM関係者は「バッテリーで2種類の製造上のまれな欠陥を確認した。欠陥があるバッテリーモジュールを交換する予定」と話した。
バッテリーモジュールはバッテリーセルを外部衝撃と熱や振動から保護するためフレーム形態にしたもの。このうちバッテリーセルはLGエネルギーソリューションが、バッテリーモジュールはLGエレクトロニクスがGMに供給している。
ただしGMとLGエレクトロニクス、LGエネルギーソリューションの3社が共同で火災原因を調査しており、調査結果によって各社のリコール費用分担は変わる可能性がある。(配線問題や接続機器も火災問題が生じることもある)

GMだから、製造上の欠陥を証明させることができたのだろう。
現代自動車のLG製バッテリー搭載のコナEVも火を噴きリコール、韓国では販売中止となっているが、それまでに販売した車両をリコールし充電満タンを90%設定し直した。しかし、リコールした車両からも火を噴き、問題がまだ明らかにされていない。海外でも火災が生じたが、販売は継続されている。

GMはLGと組み、米国で合弁会社を作り、2工場を建設してバッテリー生産に当たるとしている。
バッテリー価格は車両価格の1/3~1/2にもおよび、自動車メーカーの利益が損なわれることから、合弁会社を作り電池専業メーカー主導で生産に当たらせ、合弁会社の利益を自動車メーカーも吸収する。
走行距離を伸ばすためには現行のシステムではバッテリー量を増やすしか手段がない。そうすればおのずと車両価格は高くなる。

VWに至っては、バッテリーを自社開発して搭載するとしてすでに工場建設にかかっている。EV電池ベンチャーの技術を利用し、工場も生産もVWが行うものと見られる。VWはスウェーデンのEV用電池ベンチャー企業のノースボルト社と資本業務提携していた。英国にもEV用電池ベンチャーの有力企業がある。

 

[ 2021年8月11日 ]

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