アイコン 習近平国家主席の体制と巨大不動産会社の終焉


中国の習近平政権は、1期目では不正腐敗撲滅を大義に敵対勢力を一掃、独裁体制を築き上げた。
2期目に入ると、中華思想に基づく一帯一路戦略を具現化、外に向かい、南シナ海の領有権主張、埋め立て、インドとの領土紛争激化を経て、米中貿易戦争に突入した。

就任3年目の2015年6月の株価大暴落、外貨不足に陥り、経済への規制も強化した。当局はその原因を海外不動産投資によるものだと決め付けた。

1、そうした過程で槍玉にあがったのが、世界の不動産王になっていた大連万達、金融機関に償還資金の融資を断らせ、同社は内外の所有不動産の多くを叩き売りして難を逃れたものの、今では昔の面影はない。創業者の政治的発言が災いをもたらしたとされている。

2、国内外に不動産投資していた安邦保険集団は、創業者が逮捕され、当局により潰され、国有化されて所有不動産の処分に当たった。

3、一方、海航集団も内外に不動産投資を行っていたものの、習の腹心王岐山(前中央政治局常務委員/腐敗撲滅担当/現在副主席)との関係があり、破綻させられなかったものの、会長は、フランスの観光地で投身自殺するにいたった。
ただ、5年後のこんにちでは、王岐山の商品価値もなくなり、これまでに資産を処分させ続け、昔の海航集団の面影はなくなっていたが、新コロナで中核事業の海南航空が経営不振に陥り、海南省が主導して再建させるため、同集団は今年1月破綻した。

スポンサーリンク

4、著名投資家の肖建華氏が率いた明天集団(9社/資産総額約13兆円)は、中国当局が2017年1月に肖氏を香港で拉致し所在不明にしたうえで、同集団に海外所有不動産を売却させ、2020年7月に国有化した。

5、現在、槍玉に上がっているのは広州恒大地産集団、カンフーサッカーの恒大FCのオーナー企業でもある。当局が金融機関に対して恒大の償還資金用貸し出しを停止させ、恒大も破綻の動きとなった。しかし、33兆円以上(1.97億元)の負債を抱え、影響が大きすぎることからか、習主席が大のサッカーファンだからか、金融当局は直近、手綱を緩め金融当局との交渉を阻害するものではないと表明している。

6、また、国内不動産投資の花様年控股集団も窮地に追い込まれている。外資金融機関が同社の社債を担保として認めない方針を打ち出し、償還社債の資金難に陥っている。

5、6については、習政権が打ち出した「共同富裕論」政策、巨大プラットフォーム事業会社に対しては独禁法違反を突き付けて圧力をかけ、不動産バブルを演じ価格を高騰させたとして大手不動産会社に対しても金融面から締め付けており、外資もこうした中国政府の対応を警戒し、花様に対して先手を打ったものと見られ、花様は厳しい立場に追い込まれている。

2018年年初から始まった米中貿易戦争により、中国の政治は米国にシフトしたが、膠着状態にいたり、再び、国内の締め付けを強化。多くのIT企業の創業者たちを代表から退かさせてきた。

元々、中央・地方にかかわらず、政治批判に対しては10万人以上を配置して、ネット、SNSから政治批判に文言は瞬時に消しこませ、海外の中国向け国際放送も中国政府批判と見られる報道は国内ではシャットアウトさせてきている。全国の人権派弁護士さえ、数百人を拘束し、習思想を注入している。

2020年11月、アリババ創業者の馬氏が、今や担保主義は過去の遺物だと暗に国内の金融行政を批判、これに対して習政権の金融当局が激怒、アリババが傘下の金融会社アントを香港市場に上場させようとしたところ、当局が上場を直前にして中止させた。
その後、独禁法違反を盾にして、多くの巨大IT企業の制裁に向かった。結果、多くが調査を受け、習政権の軍門に下ることになった。

2020年4月、中国は香港の一国2制度を破棄し民主派を大弾圧、香港統治者に法制定させ民主派を議会からも一掃させ、実質直接統治とした。

そうした、習政権による左傾化はとどまるところを知らず、国家主席の座もこれまでの慣例である2期10年を3期以上に伸ばすことが、すでに暗黙の了解になっているという。
そのためにも国内で厳しい締め付けが行われているとされる。

長老たちと毎年避暑地の北載河で行われる会議、今夏にも開催されたものの、もはや習主席に意見する者はいないとされ、長老たちがまとまってもその権力はすでに消失したとされている。
 
残るは、市場派の筆頭で団派(共産主義青年団出身者/北京大学・経済卒)の李克強首相、元々、内政は首相が担当し、外交および全体を取り仕切るのが国家主席の役割分担とされてきたが、習主席の場合、国内のあらゆることに出しゃばることから、1期目から李氏と対立した。経済問題では李克強氏は組織をバックに習主席と衝突する場面もあったが、圧倒的な権力を握った習主席の前に大きな衝突には至らなかった。

ただ、習主席が5年任期を延ばした場合、次期有力候補とされた習主席の後継者とされた周江勇氏(浙江省党トップ)を、党規律違反・一族企業の不正から取調べを受けていると報じられている。習主席の取り巻きには浙江省と上海人脈が多いことで知られ、特に高官には浙江省出身者を多く配している。

浙江省寧波市出身の習主席は、幼少は北京市で、その後は浙江省一筋、親の七光り(八大元老の習仲勲の息子)もあり49歳で浙江省トップの党書記に、後に上海党書記に、57歳のとき中央政治局常務委員に上り詰め中央書記処常務書記に就任、2012年に団派の胡錦濤前国家主席の指名を受け同年11月に国家主席となった。

それほど権力を握っても擁護することができない習主席、周江勇氏の失脚は団派の巻き返しともされている。当然、団派としては2022年で退任する李克強氏であり、次の国家主席ポストを団派にする動きの一環ともされている。

ただ、習主席のしたたかさは並ではなく、自らが慣例を破り3期目に突入するか、自らが院政を敷くため自らの側近を指名するか、それとも・・・・。

習氏にしても一族関連企業はたたけば埃が出る企業ばかりだとされ、国家主席を退任後は枕を高くして眠れないとも言われている。そのためには・・・

国家主席経験者は、それまでたたかないとする不文律が中国にはあったが、習氏は権力闘争もあり、江沢民元国家主席を追い詰めたことだけは間違いない。胡錦濤前国家主席の腹心たちでさえ一部粛清された。

来年11月2期目の任期を終える習近平国家主席、後先を考え、磐石な政治基盤にするために、団派封じ込めのため共産党のイデオロギーを前面に押し出し、文化・教育面に至るまで厳しく統制する動きとなっているようだ。

[ 2021年9月13日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧