アイコン サブカル撲滅へ 中国新文化大革命「晴朗」 芸能界・ゲーム業界は大変だぁ 


中国政府によって推進されている芸能界およびファンダム文化に対する一連の浄化運動「晴朗」。

韓国のK-POPも大きな影響を受けている。
中国最大のSNSのウェイボー(微博)は、BTS(防弾少年団)・EXO(エクソ)・IU(アイユー)などのファンクラブのアカウントが停止措置を受けている。

ウェイボーは9日、110万人のフォロアー数のBTS(防弾少年団)のメンバー、ジミンのファンクラブアカウントを60日間停止すると発表した。
BTSのジミンのファンクラブが、ジミンの誕生日祝いとして、別のウェブサイトで、韓国チェジュ航空が有するジミンのラッピング飛行機を飛ばす計画や新聞に広告を出すキャンペーンの募金活動を行い、1時間後には230万元(約3000万円)を超えたことが確認されていたが、それは規定に反するとして、ジミンのファンクラブアカウントを停止するとしたものだった。

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ウェイボーは6日にも、「非理性的に芸能人を追いかけ、応援する内容を伝えた」として、歌手のIU、「BLACKPINK」のロゼ、リサなど韓国の芸能人たちだけでも21個のファンクラブアカウントが30日間の停止措置がとられている。

今回の措置は、中国政府が8月27日に発表した「無秩序なファングループへの管理強化方針(=晴朗)」を受けた対応と見られている。

この方針には、未成年者が芸能人の応援にお金を使うことを禁止し、ファン同士がオンラインで知り合ったりする行為を禁止するなどの内容が定められているという。

中国政府は9月2日、芸能界への統制を強め、テレビなどのメディアの監督規制機関である「国家ラジオテレビ総局(国家広電総局)」 は次のように指示した。
1、低俗で下品な娯楽番組を排除要求、
(1) 化粧などで自身を飾り立てるアイドル歌手排除「歪んだ美的基準の根絶」、
(2) 中国文化の中の典型的な男性像に合致しない「『娘炮(外観や行動が女性的な男性)』の排除」、
(3) 「BL(男同性愛素材)等排撃」
2、芸能界に愛国的な気風を取り入れる
(1) 芸能人の高額な出演料禁止
・・・
共産党や国家から心が離れている芸能人の起用を禁じるほか、オーディション番組等アイドル育成番組の放送を禁止すると発表した。

中国政府の芸能分野での統制強化には、体制のさらなる引き締めをはかるねらいがあるとみられている。
これには、芸能界において、一部スターの脱税、性犯罪、麻薬行為の頻発やファンクラブなどにより、未成年者からも募金を強要するなど過度なファンダム(ファンの文化)が影響しているとされる。

<ゲームも対象>
9月9日のAFP通信によると、中国当局は8日夜、テンセント、網易など国内の大手ゲーム会社を召喚し、未成年者に対するゲーム制限を遵守するよう要求した。
また、中国当局は、ゲーム内に登場するキャラクターの中で女性的な外見を持つ男性を「異常」とし、放送業界やCM起用企業に是正を要求したと中国新華社通信が伝えた。
中国は、すでに企業を対象に青少年のゲームプレイ時間を週3時間に制限する措置を下している。それ以前には、未成年者のネットゲーム時間を1日1時間以内に制限するとの報道もなされていた。

中国規制当局が動く前から、過度なネット愛国主義者たちが、反愛国主義と見られる企業広告やアカウントを袋只きにしてきた経緯もある。
インターネットをベースに強力な愛国主義を強調する若者集団「小粉紅」は、中国の新世代の紅衛兵とも呼ばれている。
中国共産党政権は、「富裕共有」を打ち出し、中国の通販やゲーム業界の大手IT業者に対して、強力な独占禁止法に基づく調査を開始し、これまでに多くの大手IT業者がすでに制裁に受けていることにも共通する。
中国の中華思想に基づく覇権主義、米中貿易戦争によりさらに愛国主義者たちが増加、政府のネットの取り締まりどころか、愛国を大義にネットまで支配しようとしている。それはそれで習政権の大きな支持基盤ともなってきている。

今回の芸能・ネット規制強化も、先に巨大IT企業を独禁法違反などで締め上げ、次にそうしたIT企業を使い、その顧客であるネットユーザーをターゲットに思想面から規制強化を図ってきている。用意周到に計画されたもののようだ。

とりあえず日本がサブカルチャーなどで中国に抜かれることは100年はなさそうだ。


 

[ 2021年9月13日 ]

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