アイコン 中国、豪州炭の輸入一部解禁、政治がもたらした石炭発電力不足、原油・LNGの高騰 


中国は昨年オーストラリア産石炭に対する禁輸措置を取ったが、最近の深刻な電力不足に、一部のオーストラリア産石炭の荷揚げを許可したことが分かった。
しかし、今回の措置が全面的な禁輸の解除につながる可能性は、あまり高くなさそうだ。
 
エネルギー調査機関「Kpler」は、昨年から行き場を失い中国の港外で待機していたオーストラリア産石炭を積んだ5隻が9月、中国から荷揚げを認可され、38万3千トンを陸揚げしたと発表した。
 中国は昨年4月、オーストラリアのモリソン首相が中国に対し、新型コロナウイルスの起源についての独立的な調査を要求したことから、これに対する報復措置として、昨年10月ころからオーストラリア産石炭の禁輸措置を取った。次第にそれもエスカレートし、オーストラリア産の牛肉の禁輸(中国米国から高い牛肉を大量購入)、ワインなどの農産物に対する関税率の大幅に引き上げている。

中国の石炭不足は環境面からも政治的に供給を減らしているが、需要者の発電所などは石炭からLNGなどへの切り替えは巨額投資も必要で簡単には切り替えできず、そうこうしているうちに政治が豪州炭の輸入禁止措置、中国が他の生産国へ買い付けに走り、石炭の国際価格が高騰、中国の発電所は経営面からも石炭調達が難しくなっている。結果、原油やLNGまで急騰している。

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今回の荷揚げ認可で豪中が和解するかはまったくの不明。
 中国は石炭の供給不足と価格上昇のせいで、深刻なエネルギー難に陥っている。中国が国慶節の連休に入る前の9月30日には、鄭州商品交易所で石炭価格は9月より75%高い1トン当たり393.60元(約2.4万円/17.0円)で取引された。

 中国はオーストラリア産石炭の空白を埋めるために、それ以外の国からの輸入を増やしているが、まだうまくいっていない。それも国際価格が高騰しており、政府系主導での買い付けとなっている。
こうした豪州以外からの購入も、浙江省が6月と7月に米国から石炭を輸入しのに続き、4日には初めてカザフスタン産石炭を輸入している。
最大の石炭輸入元であるインドネシア、ロシア、モンゴルなどからの石炭輸入を大幅に増やそうとも試みている。
しかし、ロイターによると、インドネシアは新コロナ感染拡大(現在は収束中)や雨期が重なったため追加の輸入量の確保が難しく、ロシアとモンゴルも鉄道の輸送能力に限界があり、計画どおり調達できていない。
(インドネシア産は亜瀝青炭、オーストラリア石炭は瀝青炭が多く、瀝青炭はコークスなどの生産に必要で、コークスは粗鋼生産・レアメタル生産などの必需品。)
(高級順:無煙炭(北朝鮮産出/国連制裁)⇒瀝青炭(コークス用)⇒亜瀝青炭(発電等燃焼用)⇒褐炭(自然発火))
中国は2019年実績では約5000万トンをオーストラリアから輸入、2020年はこれが3500万トンに減り、今年は0となっている。
中国はこうした政治的に減少させた石炭量をほかの国から輸入して穴埋めできず、電力需要閑散期の9月・10月に石炭不足に陥り電力不足に陥っている。季節的な需要期の冬に向け、調達を大幅に増加させない限り、発電や熱源の需要期であり、集中暖房用の熱源や電力不足に陥る危険性が高くなっている。

 


スクロール→

石炭輸出国

輸入国

 

2019年/万トン

 

2019年/万トン

1

インドネシア

45,000

1

中国

29,850

2

オーストラリア

39,000

2

インド

24,690

3

ロシア

22,000

3

日本

18,500

4

米国

8,000

4

韓国

13,010

5

南アフリカ

7,500

5

台湾

6,750

 

合計

142,000

 

合計

142,360

 

[ 2021年10月 8日 ]

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