アイコン 中国はエネルギー価格を暴騰させている


独国際放送局ドイチェ・ヴェレは13日、電力不足に苛まれている中国で石炭価格が過去最高値を記録するとともに、石炭輸入量も大幅に増えていると報じた。

世界一の石炭生産国であり、世界一の石炭消費大国である中国が深刻なエネルギー危機を迎えている。
エネルギー供給不足に陥るとともに、燃料価格が上昇の一途を辿っている。この状況を受けて中国政府は一連の措置を講じて石炭生産量を高める一方で、工業企業の電力消費を制限しているとした。

(実際は石炭が暴騰して赤字になることから石炭火力発電所が購入をためらい、また、政府もカーボンニュートラル2060に向け、その元年として供給量を減らさせていた経緯がある。しかし、世界経済の回復と共に、世界の工場である中国の工場稼働率が上昇、電力需要が大幅に伸びる中、電力の60%をまかなう石炭発電所が石炭不足に陥り、供給不足も石炭の国内価格を高騰させた原因にもなっている。

発電会社は、発電を制御するしかなくなり、発電量を減らしているもの。そのため、工業団地などでは週に3日操業して4休する団地も現れているという。
中央政府はこれまでの事業所向け電力料金の上限を10%に定めていたが、20%に引き上げることにした。また、単独事業所の石炭火力発電所は全石炭火力発電所の30%あるが、すべて電力網につなぐよう命令した。さらに電力を大量に使う事業所は契約価格の上限を取っ払い、高く販売することで、小規模事業者の電力料金を抑えるとしている。なお、家庭用電力料金は変更しない。)

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追い討ちをかける産炭地の集中豪雨、
そうした中、中国国内で石炭の生産量が多い山西省と内モンゴル自治区では、石炭企業200社余りに対して、石炭の増産を要求しているものの、10月1日~7日の連日の豪雨により、山西省では約60の炭鉱が洪水の被害に見舞われ、年間で合計480万トンを生産できる企業4社がすでに生産停止に追い込まれているという山西省当局関係者の話を紹介している。
(産炭地からの物流網も大きな豪雨被害を受けている)

石炭の先物価格が過去最高値を記録しており、今年に入って石炭価格はすでに4倍余りにまで上昇したほか、中国税関総署が13日に発表した最新データでは、9月の石炭輸入量が前年同期比76%増の3288万トンと今年最高水準に達したと伝えている。(例年、秋は冷暖房の需要が少なくなり、石炭需要は減る。11月ころから冬に向け輸入増となる。2019年は年間約3億トン輸入している。これからしても32百万トンの輸入は大きい)


スクロール→

石炭輸出国

輸入国

 

2019年/万トン

 

2019年/万トン

1

インドネシア

45,000

1

中国

29,850

2

オーストラリア

39,000

2

インド

24,690

3

ロシア

22,000

3

日本

18,500

4

米国

8,000

4

韓国

13,010

5

南アフリカ

7,500

5

台湾

6,750

 

合計

142,000

 

合計

142,360

・石炭は品質により、コークス用から発電用・練炭用まで価格差が大きく、豪州炭は高品質で価格が高い。 

さらに、中国当局は事実上輸入を停止した豪州炭を一部解禁、湾外に停戦したままだった豪州からの石炭船の荷揚げを認可、また中国国内の保税倉庫に留置されている豪州炭の受け入れを始めたほか、李克強首相がモンゴルのオユーンエルデネ首相とビデオ会談を行い、石炭の取引量を増やすことを要望したとの報道を紹介した。

この他、石炭価格の高騰、輸入量の急増に先立ち、中国政府が電力価格の管制を緩和し、これまでは価格が固定されていた発電所と工業企業間の電力供給契約について、発電所が市場価格に基づき料金を徴収できるようにしたと紹介している。
中国の電力政策においては大きな変化であり、その目的が火力発電所による発電量増加を奨励することにあると伝えた。
(政府は電力料金が上昇して生産者物価が上昇しようが、仕方ないとしている。)
カーボンニュートラルは必要だろうが、いくら権力を持っている中国政府だろうが、代賛エネルギーを開発しながら進めなければ、こうした事態に陥り、電力不足に陥いる。
中国が石油火力やLNG火力による発電を急増させると読んだ投機筋により、世界のエネルギー価格(石炭・原油・LNG)はすべて暴騰させる結果を招いている。

中国政府は、年間5000万トン以上輸入している豪州炭を、新コロナ起源説唱える豪首相に対する制裁として輸入禁止措置、その分を他国から代賛購入しているが、自国消費が多く、限られた石炭輸出国での調達、そうした国の石炭が、中国の買い付けで高騰、そうした中で、カーボンニュートラルで石炭の国内供給(生産量)を減らせていたことから、石炭不足=高騰から電力不足に陥り、豪州を除く世界中から石炭を購入する動きにさらに石炭価格が暴騰している。

こうした事態がいつまで続くかわからないが、原油はOPECが増産せず高騰、天然ガスも暴騰、ロシア含む産油国は大笑いしている。
中国経済が減速すれば、今度は、石炭価格どころか原油も天然ガスも暴落することになる。
 その中国は不動産危機にも陥っている。

 

[ 2021年10月16日 ]

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