アイコン ハンコックタイヤの無期限スト 現代+起亜の車両生産に影響


やっと半導体の需給逼迫が幾分解消されつつある中、現代自動車が2つの理由で生産回復のための増産が暗礁に乗り上げている。

一つは、現代自動車において、時間外労働を認める場合、52時間労働を厳しく導入させている同国政府の認可が必要となっている。しかし、その申請書には事前に従業員の過半数(28000人分)の同意が必要となっているが、労組は承諾せず、延長申請すら出せない状態に陥っているという
さらに12月7日に行われた労組委員長には、民主労総でも強硬派が当選、労使間の関係は最悪になる可能性すらある。
そのため、現代自は週52時間内労働を前提に土曜日の特別勤務を計画し、生産調整が大幅に落ちた車両生産を少しでも増加させる計画とされる。

2つ目は、現代自に加え起亜の車両にも関係するが、車両装着のタイヤが生産会社のストで供給問題が生じている。ハンコックタイヤは両社で計6車種以上に装着されており、すでに供給がおぼつかない状態とされる。

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ハンコックは、恒例の労使交渉が決裂して11月24日から無期限ストに突入、大田市の錦山工場は稼働を停止しているという。

ハンコックタイヤの主力生産基地は5工場、国内の2工場、中国2工場、ハンガリー1工場で生産され、日本の多くの自動車も含め世界中の自動車メーカーに供給され、世界のタイヤメーカーの第7位に位置する。かつて横浜タイヤが提携して技術供与、品質面はまったく問題ないどころかすでに規模にしても横浜タイヤを抜き去っている。

現政権になり、激しい労働運動・政治運動を展開する民主労総が勢力を倍増させ、同労組が浸透している企業では、毎年の賃上げ・労働条件交渉で譲歩し続けるしかなく、決裂すればストの反撃を食らう。
同労組は隣国最大の労組となっており、傘下の現代自労組は国内で貴族労組と呼ばれるほど高給をとっており、他の自動車労組などにも大きな影響を与えている。GMもルノーも撤退するぞと脅迫しながら、自社労組の完全ストをぎりぎりのところで押さえ込んでいるのが実情でもある。

内燃機関がなくなり部品点数も大幅に減少するEVの生産拡大では、多くのサプライチェーン企業が整理淘汰される運命、当然、自動車生産工場でも大幅な余剰人員が生じる。他の事業への転籍には限界があり、特に隣国の場合、労組問題を抱え、EV生産拡大はメーカーにとって大きな岐路に立たされることになる。

 

[ 2021年12月 9日 ]

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