アイコン 原油再び上昇 93⇒106ドル台に 資源エネルギー・穀物の前年4月比較


原油価格の相場は予想・思惑から価格が形成されるが、実需動向でも動く。
露制裁により、露産原油の輸入を取り止める欧州国が続出、すでに露産原油は250万バレルの輸出が減少したと見ている。しかし、欧州の国々の需要分はほかの生産国から購入することになる。
一方、供給国である中東などOPEC等は、以前から計画どおり(月40万バレル)の増産しかしていない。そのため、原油価格が実需でも上昇、これに対してバイデン米大統領は国家備蓄原油を各国と協調して市場へ大量放出して対応、しかし、これも何ヶ月続くか分からない。

欧州国は即刻輸入禁止にした国や順次取引を減少させる国など様々、しかし、そうした国が新たに市場で購入していることだけ間違いなく、原油価格を押し上げる原因となっている。

4月11日、国家備蓄協調放出で93ドル台まで下げたWTI原油先物価格は4月14日(日本時間15日)には再び106ドル台まで上げている。
(前回の備蓄放出では3月6日の124.66ドルから3月16日に95ドル台まで下げたが、3月23日には再び114ドル台まで上げていた。備蓄放出のマジックは1週間持っていない)

 

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国家備蓄もなく増産も限度がある天然ガスは、政策対応できず、禁輸するためにはハードルが高すぎる。新コロナ経済回復で急上昇、その後冷やされたものの、今度は露制裁、欧州国の露産天然ガスの依存率は高く、代賛購入国は限られ、暴騰し続けている。
AFP通信によると、2021年のEU全体の輸入に占めるロシア産の割合=依存率は原油が25%、天然ガスは45%、石炭が45%だった。
露産石炭は良質の無煙炭が多く、環境にうるさい欧州にあり製鉄や発電などに利用されている。
欧州も北海ブレント石油が産出されているが日量600万バレル(ノルウェー+英国)、その権益で裕福な生活を実現しているのがノルウェー(540万人)、英国は人口(6,680万人)が多い分その権益は国民にとっては薄く、輸出量と輸入量もあまり変わらない。

日本はアベノミクス下、経済成長とインフレ抑制策を同時に実現できるように、企業は空前の利益を出すなか、賃金の安い非正規雇用を拡大させ賃金も上げず抑え込んできた。
しかし、今回の外的要因による輸入価格の高騰(資源エネルギー穀物の高騰+円安)は、これまで政策的に押さえ込んできた家計の可処分所得では、全般の消費が停滞、輸入価格の上昇=物価高により消費デフレ必至の状況=スタフグレーションとなっている。
これまで内需企業向けにデフレ脱却も解消に向け綱渡りを続け、賃金抑制策でインフレを押さえ込むことができたが、今回はデフレが現実味を帯び、そうは行かなくなっている。

米金利の上昇により、ほとんどの国の貨幣価値が対ドルで安くなっており、下記商品の取引はドルで行われており、商品高騰に加え為替安による2重の輸入高となり、後進国・新興国で資源のない国はすでに行き詰っており、世界経済は米国の外周りから徐々に沈没しそうな状況におかれている。


スクロール→

4/14日、新コロナ+露制裁による狂乱相場推移

2022

先物相場

前年比

 

19/12.

21/4/15

22/4/14

今年高値

対ドル円

109.3

108.9

125.9

125.9

15.6%

原油WTI

63.48

61.94

103.00

124.66

66.3%

天然ガス

2.177

2.621

7.181

7.329

174.0%

石炭

65.50

94.30

314.00

408.00

233.0%

ナフサ

548.0

559.9

928.00

1,121.72

65.7%

 

 

 

 

 

 

木材

405.0

1,295.5

889.00

1,464.40

-31.4%

小麦

560.00

644.40

1,096.10

1,192.60

70.1%

トウモロコシ

383.10

583.66

791.00

791.00

35.5%

大豆

914.5

1,403.0

1,665.1

1,718.8

18.7%

ヤシ油

3,052.0

3,716.0

6,290.00

7,074.00

69.3%

牛肉

14.38

20.49

21.52

22.19

5.0%

家禽

5.35

6.27

8.10

8.20

29.2%

13.135

13.050

16.195

16.495

24.1%

 

 

 

 

 

 

鉄鉱石

91.59

172.50

147.00

159.00

-14.8%

スチール

3,774

5,343

4,980

5,116

-6.8%

1,498.00

1,776.31

1,971.50

2,052.41

11.0%

2.8177

4.2305

4.7090

4.8975

11.3%

亜鉛

2,275.5

2,868.0

4,483.0

4,483.0

56.3%

マンガン

31.50

30.25

33.50

34.48

10.7%

アルミ

1,780.5

2,336.5

3,299.0

3,849.0

41.2%

ニッケル

13,950.0

16,319.0

32,947.0

48,233.9

101.9%

リチウム

50,000

90,000

482,500

500,239

436.1%

コバルト

32,750

49,750

82,000

82,000

64.8%

パラジウム

1,941.5

2,811.7

2,362.9

3,180.3

-16.0%

マグネシウム

15,250

16,450

39,750

53500

141.6%

ネオジウム

364,500

740,000

1,160,000

1,510,000

56.8%

201912月末は新コロナ前の参考

・エネルギー、穀物、自動車・機械関連での分類

 


スクロール→

原油WTI

USD/Bbl

天然ガス

USD/MMBtu

ナフサ

USD/T

 

 

木材

USD/board feet

小麦

US/Bu

トウモロコシ

CBOT

大豆

CBOT

ヤシ油

MYR/T

牛肉

BRL/Kg

家禽

BRL/Kgs

USD/cwt

 

 

石炭

USD/T

鉄鉱石

CNY/T

スチール

CNY/T

USD/t.oz

USD/Lbs

亜鉛

USD/T

マンガン

CNY/T

アルミ

USD/T

ニッケル

USD/T

リチウム

CNY/T

コバルト

USD/T

パラジウム

USD/t.oz

マグネシウム

CNY/T

ネオジウム

CNY/T

 


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[ 2022年4月15日 ]

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