アイコン 中国吉利・ルノーコリアの34%取得 生産委託・吉利車の米国へ無関税輸出へ道


中国最大の民営自動車メーカー、浙江吉利控股集団(吉利汽車)が、韓国のルノーコリア自動車の株式34%を取得する。ルノーコリアが10日明らかにした。
ルノーコリアは、これまでルノーグループが80.1%、サムスンカードが19.9%を出資していた。
吉利汽車は今回、ルノーコリアが第3者割当増資を引き受け34.02%取得。ルノーグループとサムスンカードの出資比率は52.9%、13.1%に低下する。

ルノーコリア関係者は「ルノーグループが筆頭株主の座を維持する」と説明。
以上。

 

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吉利はサムスンの持株13.1%も購入するものと見られる。
吉利は、ルノーコリアの製造拠点と販売網を利用して、韓国内での販売だけではなく、韓国製として米韓FTAにより米国へ無関税で本格輸出に入るものと見られる。
昨年12月には吉利は、ルノーサムスン工場でハイブリッド車を2024年から生産開始すると公表していた。

22年3月、ルノーサムスンは、ルノーコリアに社名変更。
2020年8月、サムスン名義使用の解消含めた契約解除、名義使用満期は今年8月までとなっていた。また、サムスンカードはルノーサムスンの持分を売却するとしていたが、現生が欲しいルノーコリアは、吉利に対して第3者割当増資を行い、まずは資本に組み入れたようだ。

吉利は、ボルボ・カーズ(乗用車)の親会社で、独ダイムラーおよびスウェーデンのABボルボ(トラック・各種エンジン・兵器製造)の筆頭株主。

(吉利は傘下のボルボと共同開発したSUV「EVポールスター」を開発、車両企画やデザインをボルボが担当、製造は中国吉利工場で生産、すでに韓国でも販売法人を設立して、1月から販売開始、今年4000台の販売予定台数はすでに予約で完売している。)

・・・
今後の展開しだいでは、ルノーは吉利―ボルボとアライアンスを結成する可能性もある。
そのルノーはロシア以外海外には弱く(中国事業では失敗し昨年工場撤退、販売網だけの風前の灯)、しかもロシアは制裁で今後どうなるのか分からない状態、アジア・米国を見た場合、日産を手放すわけにもいかない。
日産を刺激し続けた日産完全買収の仏政府筆頭の投資会社出身のマクロン大統領は、ルノーの政府持株率を減少させるという。
吉利は、習近平主席のお抱え企業でもある。ルノーは深入り過ぎれば内外野席からも寝首を欠かれる可能性もある。
ルノーは日産とすったもんだしている間に伊フィアット系のステランティス(アィアット+クライスラー+シトロエンなどなど)に先を越され、中国では撤退、ロシアで製造販売を強化させていたものの、露制裁で今後は分からない状態。

日産とルノーは中国事業については互いに情報共有して進めることにしていたが、ゴーン問題から亀裂が入り、今回の一連のルノー・吉利間の関係構築についても、日産は蚊帳の外に置かれたとされる。中国は日産の一大拠点でもある。

ゴーン問題で日産は全欧米紙からこっぴどくタタかれ続け、欧米では今に至るまで売れなくなっている。このままでは日産は潰れてしまう(白人社会の逆襲が時代錯誤に始まっている。大陸系は日本人のようにコロコロ変わらない)。
日産は広告が下手すぎる。現在の全世界のCM要員を全員配置転換させ、世界からトップCMアーチストを引っこ抜き、CM展開すべきだろう。
トヨタの2番煎じの人物を回顧主義的にCMメインキャラクターに起用する日産の神経が疑われ、いくら良い車を技術陣が開発しても売れない、一番大事な消費者に想像力や創造力を掻き立てさせず、夢を売る商売から遠ざかるばかりの日産。高齢者でも夢はある。

中国事業でまったく売れなくなった現代自動車が、販売収益を増加させているのは、2010年代からアウディ・BMW・VWなどから、カーデザイナーや製造責任者の多くの人材を厚遇で引っこ抜き、各部門の社長や責任者にし、それがデザインから製造までほぼ貫徹され、安かろう悪かろうから逸脱してきていることにあり、それに加え、圧倒した宣伝力が物を言わせている。サラリーマン社長とオーナー企業の違いだけでは済まされず、社の生き残りがかかっている。

↓米中の自動車販売台数
米国のGDPから見ると自動車の販売不振は半導体不足の生産台数減の影響だけではないのかもしれない。
中国は大票田の上海がロックダウン、トヨタにいたっては吉林省の3月のロックダウンで長春工場の生産が打撃を受けている。上海のロックダウンは長期化し、北京も怪しくなっている。政府の不動産業界に対する直接融資規制の強力な締め付けで、不動産転がしの成金たちは恐怖に陥っている。


スクロール→

米・中の自動車の月別販売台数

 

米国

中国

 

22

21

前年比

22

21

前年比

1月

1,002

1,109

-9.6%

2,531

2,503

1.1%

2月

1,058

1,196

-11.5%

1,737

1,455

19.4%

3月

1,249

1,605

-22.2%

2,234

2,526

-11.6%

4月

1,256

1,512

-16.9%

まだ未発表だが大幅減

・中国は工場出荷台数ベース

累計

4,565

5,422

-15.8%

6,502

6,484

0.3%

 

[ 2022年5月11日 ]

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