アイコン 三菱電機 新たに101件不正発覚 品質不正の根は深い 累計148件


電子製品・電機製品、電力発電機器、電化製品、宇宙ロケット、兵器などなど製造する三菱電機、不正の発覚が止まらなくなっている。

以前は、JIS等各種規格に基づき検査機関が抜き打ち検査していたが、特に小泉政権から聖域なき削減により、経費削減、企業にあっては利益最優先策がとられ、非利益部門の予算が大幅にカットされ続け、第3者機関の検査もほとんど行われなくなっている。
大企業の製造会社は、各部門で利益を競わせ、利益を出させる部門管理システムにより、費用のかかる品質機関申請の製作手法は省かれ品質検査も杜撰になり、三菱電機はじめ大企業の不正が後を断たなくなっている。
また、利益捻出策として製造部門では非正規雇用の大量採用、正規雇用者は限られ、本来の技術者が育たず、問題が上層部に上がらず、上がったとしても上層部には隠蔽する官僚主義が蔓延し、不正は継続され続けてきた。

大量不正が発覚している三菱電機の調査委が2021年12月から進めている全社調査で101件の大量不正が新たに発覚している。
調査委は三菱電機の全22製作所の重要対象製品の2303件について調査中であり、うち1933件で調査終了、2021年からの今回の調査で新たに101件の不正が判明し、品質不正は累計で148件に上っている。

 

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1、社会システム事業本部における調査結果概要
社会システム事業本部では、基準日現在、合計56件(神戸製作所で合計9件、伊丹製作所で合計19件、長崎製作所で1件(累計24件)、コミュニケーション・ネットワーク製作所で合計4件)の品質不正が発見されている。

・シーケンス試験に関する不正
・装置内処理時間測定に係る不正
・膜厚検査の検査成績書に係る不正
・連続通電試験に係る不正
・試験実施環境(湿度)に係る不正
・一部の工場立会検査に係る不正
2016年度から2018年度に実施された調査点検時には対象が限られていた。

(1)伊丹製作所における調査結果概要
・振動試験に係る不正
・保護動作試験に係る不正
・振動試験データに係る不正
・試験対象製品の製造番号に係る不正
・エージング試験に係る不正

(2)長崎製作所における追加の調査結果概要
非常用発電設備の機種ZZ問題(巻線断線問題で不良品納品)
劣化診断に係る不正

2、ミュニケーション・ネットワーク製作所における調査結果概要
コミュニケーション・ネットワーク製作所では、合計4件の品質不正が発見されている。
5世代基地局事業推進プロジェクトグループで、無線設備の点検において、事前登録した点検登録者が点検していなかったなど。

3、電力・産業システム事業本部における調査結果概要
電力・産業システム事業本部では、基準日現在、合計15件
内訳は、電力システム製作所で合計2件、
系統変電システム製作所で合計4件、
受配電システム製作所で合計4件(累計で9件)の品質不正が発見されている。
内容は
火力発電所向け計装制御装置における工場試験の一部省略
相突発短絡試験における顧客と合意した試験電圧より低い電圧での試験

(1)系統変電システム製作所における調査結果概要
系統変電システム製作所では、基準日現在、以下のとおり合計4件の品質不正が発見されている(累計で9件、調査継続中)
外鉄形変圧器については、顧客との間でJEC 規格、IEC 規格若しくは IEEE 規格又は顧客と個別に合意した仕様に基づいて出荷試験を実施することを合意していたにもかかわらず、異なる方法で検査したり、不正記載していた。1982年~2022年3月まで不正。
外鉄形変圧器に係る品質不正の原因・手法等
内鉄形変圧器に係る品質不正の原因・手法等

4、ビルシステム事業本部における調査結果概要
ビルシステム事業本部では、合計10件(稲沢製作所(支社の昇降機据付担当部署を含む。)の品質不正が発見されている。
米国向け特注品エレベーターにおける試験不実施等
規格・法令に関する問題
特注品の遮煙構造に関する大臣認定・建築基準法違反の恐れ

5、電子システム事業本部における調査結果概要
電子システム事業本部では、1件(通信機製作所で0件、鎌倉製作所で0件(累計1件))の品質不正が発見されている

6、リビング・デジタルメディア事業本部における調査結果概要
リビング・デジタルメディア事業本部では、基準日現在、合計5件(中津川製作所で1件、冷熱システム製作所で合計2件(累計4件)、静岡製作所で0件、京都製作所で0件、群馬製作所で0件)の品質不正が発見されている

7、冷熱システム製作所における追加の調査結果概要
冷熱システム製作所では、合計2件の品質不正が追加発見され、発見された品質不正は累計4件となった(調査終了)。

8、FAシステム事業本部における調査結果概要
FAシステム事業本部では、合計24件(名古屋製作所で合計7件(可児工場と併せて累計13件)、産業メカトロニクス製作所で0件、福山製作所で1件(累計11件))の品質不正が発見されている。
試験検査のシーケンス試験結果不正など

9、自動車機器事業本部における調査結果概要
動車機器事業本部では、合計36件(姫路製作所で合計4件、三田製作所で合計32件)の品質不正が発見されている。

10、半導体・デバイス事業本部における調査結果概要
導体・デバイス事業本部では、1件(パワーデバイス製作所で1件、高周波光デバイス製作所で0件)の品質不正が発見されている
手続軽視の姿勢:規定された手続により品質を証明する姿勢の欠如と「品質に実質的に問題がなければよい」と正当化している。

三菱電機で発覚した品質不正の中には、単に「手続」に違反しただけでなく、「実質的には品質に問題はない」とは言えない事例も含まれていた。他の製作所でも大なり小なり見られたことである。
ミドル・マネジメント(主に課長クラスなど)の脆弱性があげられるとしている。

(聖域なき削減、利益最優先で育てなかったのだろう。旧財閥三菱の製造会社の全社が技術開発、技術者・技術管理者の問題を抱えている。東芝は粉飾、三菱は不正・・・)

今回実施した三菱電機の全22製作所中、
長崎製作所、受配電システム製作所、鎌倉製作所、冷熱システム製作所、静岡製作所、京都製作所、産業メカトロニクス製作所及び福山製作所の合計8製作所の調査を終了、残る14製作所は引き続き不正品質問題での検査を実施していくとしている。

品質では、ISOなり、金出次第で、コンサル機関員が自ら作文し、マニュアルを作成してくれ取得でき、認証されても広告宣伝用、運用など蚊帳の外、少しの油断や不正が積み重なり、そのような杜撰な国にいつの間にかなってしまった。

サラリーマン経営者たちの限界だろう。
世界で巨大化したGAFAやテスラをはじめ巨大企業は韓国勢も、台湾勢も中国勢もオーナー企業である。
1998年から政治に介入した竹中がグローバル化の名の下に米ハゲタカのために導入した1990年代初期の会社所有システムが問題。
第2次世界大戦の敗戦により米国から日本の財閥は解体させられた。
こんにちでも、すでにハゲタカ対策として米国ではオーナー株など1株は一般株の100倍・500倍などの優先株になっているが、こうしたシステムを竹中は日本には導入させず、今に至っている。
そのため日本の上場企業はハゲタカからの乗っ取り防止策が限られ、物言うハゲタカ株主に怯え、ハゲタカに気に入られるような株主対策に(身の保全から)サラリーマン経営者たちは追われ、利益を出し、高配当し、内部蓄積も進め、株価上昇のため自社株買いの株主還元策をとるなど、品質管理どころではない現実もある。

三菱重工製の大型コンテナ船(運航、商船三井)がインド洋で真二つに折れ沈没した、まるで現在の日本の品質を象徴した出来事だった。


 

[ 2022年5月26日 ]

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