アイコン EV革命 悩める既存の研究開発者たち 現代車では多くが離職


韓国の現代自動車は大きくEV生産にシフトしている。海外販売も順調に増加させており、そのスピードを増している。
自動車産業はEV革命只中にある。すでに完全自動運転車の都市での走行試験運用も始まっている。(現代は21年に14万台のEVを販売、30年には187万台を計画している。)

一方で、既存の自動車メーカーは、「総合モビリティ企業」への脱皮を迫られ、EVや水素自動車などのエコカー生産、自動運転などの新技術に投資している。
問題は、内燃機関の競争力維持を通じて収益を確保しながら、いかに少ないコストで新エネ車に転換を成し遂げるかだろう。

内部の人材にも等しく適用される。しかし、最近、現代自動車の競争力維持において中核的な役割を果たしている研究職の離脱者が続いており、士気が低下しているという。
最近の退職者8人の話によると、研究職の「士気低下」が蔓延しているという。

2012年に入社して今年2月に辞表を出した後、スタートアップに合流したA氏は、現代自動車の研究開発組織を大きく二つのタイプに分離しなければならないと語った。
「収益を出す既存の研究開発組織」と「長期の未来を備える研究開発組織」となる。
現代自動車は、新規事業分野の人材を誘致するため、自動運転やアーバンエアモビリティ(都市型航空交通)、インフォテインメント(情報と娯楽の両方を提供する車内情報通信システム)の開発組織を設け、江南、龍山、板橋などに勤務地を用意した。

 

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こうした新規人材に対しては、既存の研究職とは異なる賃金体系を適用するか、近く適用する計画だという。
A氏は「(新組織は)実際のビジネスになるものではないため、研究開発だけを熱心にしていればいい。未来の技術であるため、他社に転職する際の給与アップにも役に立ち、満足度は当然高くなる」としたうえで、「一方、現時点での現代自動車を支える既存の研究開発組織の人たちが感じる乖離感は、大きくならざるをえない。この乖離感を解消できなければ、研究開発組織の総合的な競争力は衰退を続け、定年だけをながめる人材のみ残り、市場をリードするどころか淘汰されてしまうだろう」と述べている。

2010年代初期に入社したB氏も、「利益はすべて内燃機関で稼いでいるが、(会社が)未来の事業のための人材にのみ投資するため、既存の人材の剥奪感が大きい」とし、「未来の事業の人材が既存の自動車の研究開発組織に協力を求めなければならないことが多いが、協力がうまくいくはずがない」と述べた。
 そのような雰囲気が続くとみて、既存の研究開発組織の中堅職員の離脱が続いていると語った。
B氏は「後輩ができて最も情熱的に働き始める10年目前後の代理(平社員の上、課長の下の職級)が長い人や課長の初年次が多く離脱している。一緒に入社した同期80人ほどのうち、半数がすでに退社した」と述べた。

2014年に入社し今年3月末に退社したC氏も、「入社1~2年目の新入社員が辞めていくことは以前からよくあったことだが、最近は経歴を十分に積んだ中堅職員が多く離脱しており心配」だと述べた。
モビリティー産業の成長がこれらの人々に「退路」を開いたという評価も、興味深い点だった。
現代自動車は、韓国最大の自動車会社。これまで、職員の立場として社内に不満があったとしても、より良い条件で転職できる会社は特になかった。しかし最近、モビリティー産業が成長し、新たな機会が開かれている。
C氏は「同僚たちと『私たちは一番良い所にいる。他に行く所がない』と言っていたが、今は未来のモビリティー産業の激変期で類似産業が成長しており、転職が可能になった」と述べた。
退社者たちは、不十分な成果補償体系にも繰り返し言及した。

8年以上勤務した後、今年上半期に退社したD氏は、「これまでの社員・代理級に対する金銭的な補償がありえないほど少ない」と述べた。
B氏も「基本給が低く成果給が多いゆがんだ賃金構造のため、8年目の年俸が7000万ウォン(約740万円)台にとどまっており、責任級(課長・次長に相当)に昇進した時に2000万ウォン(約210万円)上がった後、また止まった」としたうえで、「夜勤を熱心にするのがバカらしくなる印象だった」と述べた。

2年8ヶ月間勤めた後、昨年2月にベンチャーキャピタル(VC)に席を移したE氏は、生産職の処遇改善が中心となっている労使交渉を指摘した。
E氏は、「会社と生産職の間に挟まれている研究員の声の影響力は小さい方だ。生産職中心の制度改善だけがなされる場合、(研究職の)大規模離脱は今後も続き、いっそう加速化するだろう」と述べた。

専門家らは、こうした事態について、内燃機関の研究人材に対する処遇改善、または業務・職務転換に神経を使わなければならないと助言する。内燃機関は、当面は主力商品として残していかなければならないからだ。
大徳大学自動車学科のイ・ホグン教授は、「エコカーの普及計画によると、2030年でも全世界の販売量の25~30%だけがエコカーで、残りは内燃機関車。持続的な研究開発が必要だ」としたうえで、「未来が保障されないという理由で既存の研究員が去ることになれば、未来の競争力が悪化することになりうる」と述べた。
以上、ハンギョレ参照
韓国の例だが、日本も何れこうした問題が浮上してくる。

内燃機関車は30年後の2050年までに大きく減少し続けることになる。そこには協力会社も含めて何十万、何百万人もの人たちが仕事をしており、その多くが離職することになる。
地球温暖化抑制のためのカーボンニュートラル、
しかし、自動車でこれらを叫んでいるのは欧州国と米国も民主党政権、欧州はクリーンディーゼル車を開発し、世界一厳しいユーロ基準をクリアしてきた。しかし、内実は、ディーゼルエンジンが高熱で爆発する危険性があるため、エンジンルーム温度が48度前後(メーカー任意設定事項で35度程度の車両もあった)で、排ガスの再燃焼装置(EGR)の機能を停止させていたことは市民には伏せられていた。夏場など直射日光下ではボンネットは50度以上になり、エンジン熱も加わり、夏場はCO2を大量に排出させていたことになる。世界一厳しいユーロ排ガス基準はEU承認の下に汚れたクリーンエンジンであった。これが欧州の政治家たちのやり方だ。

先日韓国では、現代車の世界的なヒット作とされる「EV-アイオニック5」が高速料金所のガードに衝突して炎上、搭乗の2人が亡くなった。消防によると死亡するような衝突事故ではなかったという。EVでは搭載した充電済みの二次電池でモーターを駆動させる。しかし、万が一の時、韓国勢の3元系2次バッテリーは熱暴走を起こし2秒前後で800度まで上昇するという。当該の事故車も衝突して3秒ほどで炎上、シートベルトを外す時間も余裕もなく、炎に包まれた結果の死亡だったようだ。
このように安全面からもまだまだ多くの課題があるEV、そんなことはお構いなしに進められている。

CO2 を大量発生させる石炭火力発電所の電気をEVに充電しているのも現実。
中国・韓国は6割が石炭発電、米国は天然ガス価格が高騰し多くの天然ガス発電所が石炭に切り替えている。(天然ガスは石炭の4割減のCO2排出量)
日本の電力も31%が石炭発電となっている。
全世界の石炭発電所と石炭=コークス燃焼の溶鉱炉を閉鎖すれば事足りるはすだ。

それより、中国やインドのCO2+硫黄酸化物の煤煙問題をクリーンにさせることがよほど重要ではないだろうか。東シナ海・西太平洋の酸性化が進んでいる。生態系にも当然影響している。
また、中国のフロンガス生産を1/10に減らせば、温暖化も大幅に遅らせることができるはすだ。そうした国々で生産された製品が西側先進国を潤している。これまた現実だ。
西だの東だのまだ20世紀のまんま、もうそろそろ地球単位で物事を考え、動く必要があるのではなかろうか。

 

[ 2022年6月15日 ]

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