長崎大 献体の脳から狂牛病同様のプリオンを世界初発見 感染性高い
長崎大は15日までに、大学の医学部などで行う解剖実習で使うために提供された遺体=献体を調べた結果、1体からプリオン病の病原体となる異常型プリオンたんぱく質が検出されたと発表した。
プリオン病と未診断の解剖実習遺体からプリオンが発見され、同病と確定したのは世界初という。
プリオン病は、致死性の疾患で、急速に認知症が進む「クロイツフェルト・ヤコブ病」などがある。
プリオンはホルマリンに漬けても不活化されないため、解剖時に感染する危険があるという。
論文は米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。
以上、
狂牛病=牛海綿状脳症(BSE)は、牛の脳の中に空洞ができ、スポンジ(海綿)状になる感染症(プリオン病)。羊のスクレイピーや、鹿の慢性消耗病 (CWD)のほか
ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病 (Creutzfeldt-Jakob disease, CJD)
などを総称して、伝達性(伝染性)海綿状脳症(Transmissible Spongiform Encephalopathy, TSE)と表記される。病原体の取り扱いは BSL‐2レベル以上の研究施設が必要。
プリオン病では、異常構造を有する異常プリオン蛋白が中枢神経系に蓄積し、不可逆的な致死性神経障害を生ずる。
ヒトプリオン病の大半を占めるのは弧発性 CJD。プリオンには感染性があり、感染性ヒトプリオン病としてクールー(Kuru)、(新)変異型CJD ((new)variant CJD, vCJD)、移植後CJD があり、変異することで知られている。
長崎大学は、国内に2ヶ所しかない最高危険度のウイルスを扱うことができるBSL‐4レベル施設を長崎市内の医学部敷地内に建設中か完成して有している。
SARS-CoV-2=武漢コロナウイルスは、武漢市にあるBSL‐4施設である武漢ウイルス研究所からウイルスが漏出した可能性が指摘されている。同施設ではコロナウイルスを持つこうもり研究の世界的第一人者である石正麗氏が在籍し、研究していることで知られている。
人に感染するコロナウイルスは7種見つかっており、武漢コロナウイルス=新コロナウイルス=SARS-CoV-2もそのうちの1種。