アイコン 韓国 チョンセ詐欺 被害者1700人、自殺者も3人に 家主の投資失敗が原因か


韓国では、賃貸住宅詐欺の影響が広がり、当局が取り締まりを強化している。この詐欺では1000人を超える入居者が被害に遭い、被害額は数百億円規模に上る。
 
韓国警察庁は20日、賃貸住宅詐欺容疑への捜査を強化し、関係する不動産仲介業者にも調べを拡大すると発表した。
与党は事件に関連する全資産の没収を目指す意向で、政府は入居者が被害に遭った物件の競売入札を停止するよう金融機関に要請した。
 この事件の関連では、被害に遭ったとされる30代女性が今週、亡くなったが自殺とみられている。
数日前には男性1人が自宅で死亡しているのが発見されたばかりで、被害者で亡くなったのは合計3人となった。
  この詐欺は韓国で住宅を賃貸する際に多額の保証金支払う「チョンセ」と呼ばれる制度を狙った。

スポンサーリンク

チョンセとは、
家賃を毎月支払う韓国以外での一般的な制度とは異なり、チョンセは不動産物件価格の半分以上(市場価格の70%が相場)に相当する額の保証金を家主に預け、毎月の家賃を支払わない制度。

そのため高額を借金して家主に預けている人がほとんど。住宅価格の上昇でチョンセ価格も上昇していたが、最近ではマンション価格の下落もあり、下がっている。

家主はその資金を投資したり不動産の購入に充てたりして運用し、賃貸契約の終了時に預けられた額の全額を返金するが、保証金は数千万円単位に及ぶことも多い。
  今回の詐欺では、家主が保証金を返却しなかった。
   
1000以上の物件を持つ家主が死亡し、多数の入居者が宙ぶらりん状態となっている例もあるという。
  尹錫悦大統領は、この詐欺の被害が拡大している状況を重く見て、取り締まりを約束。
保証金は高額に上るため、一生をかけて蓄えられた資金であることも少なくない。
  
警察庁の発表文によると、現時点で判明している被害者は合計1700人余り、被害額は推計で3099億ウォン(約310億円)に上る(1件あたり平均1823万円)。
被害者の約半数は20代と30代だという。
昨年7月以降、この詐欺に関与したとして、当局は2188人を起訴し、209人を逮捕している。
以上、ブルームバーグ参照

 マンション価格の上昇が続き、チョンセ価格も上昇していた。最近のチョンセは、不動産価格が上昇することを前提にしており、不動産価格が下がれば、家主が投資失敗に至ることは明らか。
さらに高利の私募債を購入したりして運用したとしても、昨年8月のレゴランド問題(デフォルト)からPFなどの私募債も危なっかしくなっており、こうした私募債投資で失敗の可能性もある。

<質権設定が絶対条件ではなかった>
チョンセ制度では質権設定を絶対条件にすれば、家主が投資に失敗したとしても、ある程度解決できる。しかし、絶対条件ではなかった。
不動産企業などは質権設定を了承しているところが多いが、個人まがいは質権設定をしたがらない家主も多く、いずれ問題が生じると予想されていた。

韓国はすでに経済は成熟しており、入居者の預入金が質権設定などで保証されない限りチョンセ制度は廃止すべきではないだろうか。

チョンセも2000年代前は、銀行金利が高い持代であり、預かった資金を安全な銀行に預金すれば資金が回ったが、特にリーマンショック以降低金利時代に突入し、預金では借入金を返済する利回りはなく、さらに高金利の投資か、更なる不動産投資に回すしかなくなっていた。

特に、2017年に登場した文政権は不動産政策を失敗し、在任の5年間でマンション価格が倍に跳ね上がっており、今後とも上昇すると信じた家主が不動産投資に精を出していた。しかし、今回のインフレ退治の高金利により不動産価格き下落し、多くが失敗したものと見られる。
 
詐欺と記載されているが、家主の投資失敗により、建造物にかかわる借入金の返済ができなくなり、金融機関などの抵当権者によりチョンセ物件が競売に付され、入居者が返金も受けられず、チョンセによる借入金が多額残ったまま追い出されている可能性が高い。

 不動産バブルとその崩壊がこうした問題を生じさせているようだ。
韓国ではやっとマンションの売買件数が上昇したとのニュースが流れていたが、こうした家主の破綻により、家主=不動産の債権者による処分マンションが安価に市場放出されている可能性もある。

若い世代の人たちがこんな借金を負えば結婚もできず、ますます出生率は低下するのだが・・・。

[ 2023年4月21日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧