アイコン 韓国のPF市場 まだ危険海域脱出せず


韓国金融界の不動産プロジェクトファイナンス(PF)貸出が3ヵ月ぶりに1兆8000億ウォン増えた。不動産PF貸出残高は130兆ウォンに迫り、延滞率は着実に上昇傾向を見せた。急激な金利引き上げ期の中で不動産市場の不況が続いている中、不動産PF貸出を引き続き注視しなければならないという指摘が出ている。これに対して金融当局は、現在のPF貸出延滞率が過去と比べて非常に低い水準だとし、鎮火に乗り出した。

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韓国金融監督院の資料では、昨年末の不動産PF貸出残額は129兆9千億ウォンだった。

2022年9月末、128兆1千億ウォンであり、3ヶ月間で1兆8千億ウォン増加している。
この間の延滞率は0.86%から1.19%へと0.33%ポイント増加している。

不動産PF貸出残高を業権別に分けてみると、
銀行で2兆1千億ウォン増、
保険は2千億ウォン増えた。

逆に貯蓄銀行は▲2千億ウォン減も
与信専門金融会社は▲3千億ウォン減った。

延滞率で見れば、
銀行は0.02ポイント下落し0.01%、
貯蓄銀行は0.33ポイント下がり2.05%。

与信専門金融会社は1.13ポイント
保険会社は0.2ポイント増加している。

特に、
証券会社PF貸出延滞率は同期間2.22ポイント急上昇し10.38%を記録している。
大手利証券会社は別にしても中小の証券会社はさらに大きな延滞率に直面しているものと見られる。

金融監督院は「すべての金融圏PF貸出延滞率が上昇しているが、過去PF貸出延滞率と比べて非常に低い」とし、「証券会社PF貸出延滞率は上昇しているが、貸出規模が5千億ウォンに過ぎず、これは証券会社自己資本74兆ウォン対比0.7%にすぎない水準。また、過去の危機時に導入された不動産PF貸出規制などで延滞が特定証券会社に集中していない」としている。
以上、

IMFは4月4日、グローバル金融安定報告書で、シリコンバレー銀行(SVB)の破産が引き金となったグローバル銀行危機は、「数年間の金利安や急激な金利引き上げにより拡大された金融部門の脆弱性を示すものであり、このようなリスクは通貨緊縮が持続する限り、今後数ヶ月間さらに深刻化しうる」と警告している。
「韓国の場合は、PF融資(不動産プロジェクト融資)は、資金構造が脆弱で満期不一致も相当だ」とし、「韓国のPF融資の延滞率はピークからさらに上がる可能性は低いが、不動産価格の下落など逆風が続いており、リスク要因がある」と指摘した。

IMFはさらに、「当局は、不動産金融と関連した潜在的な債務不履行の懸念を管理するために、積極的な措置を取らなければならない」と勧告している。

昨年8月のレゴランドを不履行により、借り換えのPFが信用不安から切り替えられず、不履行が続出、また、新規に調達しようとした大手の私募債でさえ、6~7%以上でなければ引き受け手がなく、資金手当て用に政府が市場に資金を供給して難を逃れた。

韓国では不動産価格が底を打ったようだが、高金利の米経済が本格的に悪化した場合、連れて直接・間接での輸出大国である韓国は不安定になることは確実であり、まだ明るい判断ができる状況にない。
 

[ 2023年4月 8日 ]

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