アイコン 韓国の社債発行 昨秋からの混乱と低迷


米国に端を発する金利上昇などの影響で、韓国では10月の社債純発行額(発行額から償還額を差し引いた額)が、昨年9~10月のレゴランド問題以降で最低を記録した。
社債需要が低下したため、一部企業は資金調達を行うため、予想以上の高金利で起債を行うケースも出ている。

レゴランド問題、
昨年5月にオープンした春川レゴランド、その施設を開設した江原中島開発公社(レゴ社本体とは関係ない)が、昨年8月、発行していた2050億ウォン相当の(PF)償還ができなくなり、債務保証していたはずの江原道が支払い保証をしないと発表し、当公社は裁判所に再生申請、債権がデフォルトに陥った。
これを受け、韓国の債券市場は大混乱に陥った。(知事がレゴランド開発に批判知事に交代したことに起因、最終的に江原道が債務保証することで決着/レゴランド誘致のため、公社は開発した不動産をレゴランドに50年間無償貸与の条件)。

 

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韓銀は債券市場に緊急に資金大量投入、昨年末までにほとぼりは冷めたと見られていた。ところが、金利の急上昇、チョンセ不動産問題まで発生・・・
 
韓国の金融投資協会によると、今年10月の社債の純発行額は▲2兆8,410億ウォン(約3,250億円)で、昨年10月の▲4兆8,429億ウォン以降で最低だった。

純発行額のマイナスは、企業の社債発行による資金調達額よりも、発行済みの社債の償還額が大きかったことを示す。
最近、債券市場が下落を示していることを考えると、社債需要が低下し、新規の起債が難しくなったためと言える。
今後、債券市場は冬の時代を迎えるのではないかと懸念する声が上がっている。
 一部の企業は民間の債券格付会社が、算出した平均金利を上回る金利で社債を発行している。
国債金利が上昇し、相対的に社債の魅力が低下した結果、これまでより金利を上乗せしなければならなくなっている。

現在:韓国銀行の基準金利は3.5%、国債10年債は4.06%、貸出金利4.5%

ロッテ七星飲料、SKブロードバンドなど優良格付け(ダブルA)企業が平均金利よりも高金利で起債を迫られた。
超優良格付(トリプルA)のSKテレコムが昨年10月行ったブックビルディング(需要積み上げ方式)でも3年・5年物社債の金利は、平均金利を上回る5.6%~5.7%の高い水準となっていた。
 
銀行債の発行上限が廃止され、銀行債に資金が集中したことで、融資専門金融機関の資金調達環境も悪化している。
10月の銀行債の純発行額は7兆5,393億ウォンで、今年最高となった。
これに対し、ベンチャーキャピタルやクレジットカード会社などが発行する与信専門金融債が大半を占める「その他金融債」の純発行額は▲4,980億ウォンで、昨年10月の▲3兆4,423億ウォン以降で最低を記録している。
以上、韓国紙参照

不動産バブル崩壊の危機は、
高金利・景気低迷の長期化
(景気低迷はウォン安に、海外金利高に為替危機に陥る可能性もあるが、米がスワップでの救済パターン定着)
物価の高止まり(ウォン安物価上昇/食品インフレ高)
家計負債増・消費低迷(現実味を帯びてきている/少子化の影響も出てきている)
証券市場の下落(上げ下げ急/半導体依存度が高すぎる)
失業率増(失業率は低率にある)
チャンセ事業者の破綻増(金利上昇負担に耐えらない業者続出)
不動産価格下落(押し目買いも続くが下落も続いている)
不動産開発事業者の破綻増(現在、兆候なし)
仮想通貨市場の下落(仮想通貨は上昇中/一攫千金から不動産市場への参入パターン)

不動産バブル崩壊パターン下では
金融機関の信用問題浮上
金融機関による(個人・法人)担保割れ物件の処分・回収優先
金融機関の選別融資強化、借り入れ依存度の高い韓国企業にダメージ
金融萎縮・信用萎縮・・・

日本のように崩壊しないよう、日本を教訓にして、ソフトランディングするよう中央銀行の韓国銀行が采配している。
ただ、韓国の場合、国内経済からだけではなく、外資の不整脈な動きにも影響され、ウォン安だけとっても舵取りは難しくなっている。

[ 2023年11月 7日 ]

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