アイコン 22人死亡の韓国リチウム工場火災 消防の大量放水は適正だったのか


24日の韓国京畿道華城市内のリチウムイオン電池メーカー「アリセル」の工場で発生した火災では22人が死亡(うち中国人18人)という大惨事となったが、火災は何回も爆発を伴って炎上しており、消防当局が放水による消火作業を行ったことをめぐり、議論が巻き起こっている。

リチウムは水に触れると爆発する危険性があるのにもかかわらずなぜ放水したのか・・・。
これについて、消防当局関係者は「爆発の懸念があったが、リチウムは(電池に)ごく少量しか含まれていないため水を使用した。災害現場標準作戦マニュアル上の『火災対応共通標準作戦マニュアル』と『金属火災対応マニュアル』に基づき、今回の火災に対応した」と述べた。

リチウムはカリウムと共に代表的な禁水性物質(水と接触すると発火または可燃性ガスを発生する物質)。水と直接接触したり、空気中の湿気を一定水準以上吸収したりした場合、発熱・火災・爆発などを引き起こす性質がある。

 

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このため、リチウム金属を使用する電池に火がつくと、放水しても消火できず、一般消火器も役に立たないため、乾いた砂を火元に被せるか、金属火災に適応性のある消火剤を使用した「D級消火器」を使わなければならないことになっているという。
韓国では、リチウムと水が直接接触すれば一酸化炭素・亜硫酸ガスなどの有毒ガスが発生するため人命被害が大きくなった蓋然(がいぜん)性も排除できない。また、工場内にリチウムがどのような状態だったのかもポイント。リチウムが原材料状態だったのか、固体ケースに入れられた状態だったのか、確認せずに水を使ったとすれば問題になる可能性があるとの見解も示されている。
今回の火災では、バッテリー1個で燃焼反応が起き、保管中だった3.5万個のバッテリーに火が移り、被害が大きくなったという。
火災工場では、危険物であるリチウムを保管し、リチウムイオン電池を製造していたが、火災時の避難マニュアルの有無、避難経路および訓練などが行われていたかなど、多くの問題も浮上してきている。
当工場の生産電池は韓国軍へ納品されているという。
以上、報道参照

リチウムは水と反応して高熱が出て水素を発生、水素爆発を引き起こす。
EVの場合、衝突や何らかの原因でリチウムイオン電池が熱暴走すれば、5分間で800度から1000度に達し、ほかのリチウム電池パックも次々に熱暴走して火の車になる。これまでのところ、火災が発生すれば、短時間で1時間、長ければ10時間化学反応が続き燃え続ける。

バッテリーの危険性
2016~2019年まで中国は韓国勢が主導していた3元系のバッテリーは危険性が高いとして、韓国勢ほか外資系メーカーのEV用電池を補助金対象から除外した。その間、中国勢は国内で独占的な売上高上高と利益を上げ、膨大な研究開発費を投入、安全性が3元系と比較して高いリン産鉄リチウムイオン電池(LFP)を進化させ続けた。

LFPは3元系に比し、パワーに劣るが走行距離も150キロ止まりで一回充電の走行距離が3元系の半分以下であった。中国政府は2020年から補助金対象を250キロ以上にしたが、2020年CATLは(通常塔載量で)400キロのLFP開発を発表、LFPは高価なコバルトとニッケルを使用しないため3元系より2~3割安価となっている(中国勢は3元系も製造している)。
(EV販売価格の25%~40%はバッテリー代、EV用バッテリー価格の80%前後が材料代)

米国テスラのライバル中国BYDは7.5万元(EV海鴎/1元:21円)、8万元(EV海豚)から販売し、8万元から秦(PHV)を中国販売し、昨年から販売台数を急増させている。
BYDは改LFPも製造するバッテリーメーカーとしても大手で価格優位性を持つ。2014年からは米カルフォルニア州にバス工場を持ち現地生産、現在も北米で継続して販売している。

米国や欧州では昨秋からEV販売台数の伸び率が大幅に落ち込み、代表格のテスラの販売台数は今年も5月までは前年比マイナスとなっている。EV販売不調の原因は補助金を付けても高いことにも起因しているが、中国で進化させた改LFP電池の製造技術を韓国勢含め他国企業は有しておらず、米中貿易戦争や米IRA法により実質中国勢は米国で販売も塔載もできないことからEV車両価格を引き下げるには限界が生じている。
米国は5月に超安価な中国製EVが販売できないように100%関税を課すことを決定し、執行している。
ただ、改LFP電池製造技術を有しない韓国勢のバッテリーを塔載する米国自動車メーカーは値下げするにも限界があり、独ベンツやBMWなどはすでに大衆車向けには中国製LFP電池を搭載し、販売価格を米国以外では抑えているが、塔載車両の米国での販売は補助金問題もありしていない。

タブルスタンダードどころではない。
米国は以前からリチウムを大量に生産している。しかし、現実はリチウム含有鉱石を採掘し、オーストラリア同様、その含有鉱石の98%以上を中国企業に売却、中国企業が中国国内で、世界一の採炭量を誇る石炭を使い、安価に鉱石を精錬してリチウムを生産している。ニッケルもコバルト(中央民主コンゴ/採掘は中国企業ほぼ独占)もそうである。
ニッケルについては、世界最大の生産国のインドネシアが最近、国内で付加価値生産品を輸出するとして国内精錬を義務化している。インドネシアは石炭も取れ、石炭は中国へも輸出しているほど。インドネシアのニッケル鉱山の多くを中国企業が採掘権を有し採掘しており、中国勢は現地に精錬工場の建設にも取り組んでいる。 


EV用バッテリーの鎮火方法
1、特殊製作された布で火災車両全体を包んでしまう「窒息消火」方式、
2、火災現場周辺を簡易水槽のようにしてから大量の注水を行って車を水に沈める方式、
2´、簡易水槽車を用意し、現場を持ち込み、クレーンや重機で車両を水槽車に沈め酸素を遮断・する鎮火方式。
3、高圧ノズルを車両下部のバッテリー格納庫に押し込んで水を集中的に高圧噴射する方式。
3´、車両下部のバッテリーパックに穴を開け、強制して水を注入して鎮火させる方法。
ただ、3・3´の場合、火災初期でなければ対応できず、火災発生から5分経過すれば、爆発の危険性もある。

火災での大量死は、バングラデシュでも中国でも韓国でも日本でも常に避難経路、ドアの開錠、緊急開錠ドアの問題が発生する。

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[ 2024年6月25日 ]

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