アイコン 韓国の半導体原材料の中国依存率上昇 EV用バッテリー材料もまったく同じ


半導体市場は2022年春までは新コロナ巣篭もり需要増で半導体不足が生じ、好況に推移、しかし、22年秋には巣篭もり需要の剥離からピークアウトし、一転、在庫増で生産調整、2023年は在庫調整が続き、9月に入り生成AIがトレンド№1に躍り出て、AI半導体ブームを呼び込み、データセンターや通信機器・電子製品・家電製品向けに新たな境地を切り開き、半導体は急回復している。
しかし、世界景気はインフレ退治の高金利に経済が低迷、中国も不動産政策の失敗から消費も内需も低迷、輸出だけが、過剰生産のダンピング輸出で増加しているものの、外圧も強くなってきている。
そうした経済環境下により、スマホの世界販売台数は落ち、多くの半導体を必要とするEVも高価格などから23年をピークに急減速している。
米ビッグテック企業の巨大データセンターもAI半導体への切り替えが進んだものの、今後の切り替えや新設などは世界景気の動向しだいとなっている。

すでに既存のメモリ半導体は昨年10月のボトムから今7月をピークに価格は現在下がっており、消費の鈍さを反映、一方、高帯域メモリのHBM(Dラム)や高性能SSD(N)はAI半導体需要に対応(セット)し、高水準の生産が続き、営業利益率を大幅に向上させている。

 

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米国においてはChips法による中国製半導体や原材料に対して規制強化している。しかし、韓国勢の半導体の原材料は、逆に中国依存率を高めている。

(これは日本が2019年7月半導体材料を輸出規制、日本のメーカーに日本政府は何も保証せず、メーカーは技術のパクリを恐れ高性能品をこれまで国内で生産していたものを、韓国へ工場進出や韓国企業との合弁で生産するようになり、直接中国からそうした原材料が韓国進出の日本の半導体サプライチェーン会社に輸入され、原材料の中国輸入依存率が高まっていることにもある)

米国の貿易保護主義、(中国製造2025計画と同じ保護主義=国産国消)
米国は安保を口実に半導体保護主義のChips法を制定、中国除く世界の半導体メーカーに米国内での生産を半強制しており(工場進出の高額助成金付き)、韓国のサムスンもSKも進出を決定し、サムスンはすでに工場建設に入っている。(実際、秘密のバックドアなど中国製は危険だが、世界のネット回線の最大の諜報機関は米国やイスラエルの諜報機関でもある)。

Chips法がそうならば、IRA法のEV、EV用バッテリーは韓国勢3社に米国市場は牛耳られており、その原材料もほとんどが中国製でもある。ただ、IRA法での抜け道は原産国が米国やFTA締結国ならば、EV補助金やバッテリー工場進出に対する高額補助金の対象になる点。主材料のリチウムは南米の塩湖などの生産量が多いとされるが、実際は、豪州や米国であり、その含有鉱石をクラッシャーにかけ、そのまま中国が輸入、中国が地球環境に最悪な石炭を茫々燃やし発電を利用して、リチウム金属を抽出し、韓国のバッテリーメーカーへ輸出され、加工して、米国のEV用バッテリー工場へ輸出されている。原産国が米国やFTAのオーストラリアであり、また韓国も米FTA国であり、中国産など関係なく、EVへの補助金対象、EV用バッテリー工場(合弁含む)建設への巨額助成金の交付が行われている。(例外事項、テスラ=パナ社は日米共同/パナ社は独自にも米工場建設に入っている)。

韓国勢の3元系EV用バッテリーは、
コバルトは中央民主コンゴが生産のほとんど生産、中国企業が権益を持ち、含有鉱石を
中国へ送り、中国でコバルトメタルを製品化している。
 ニッケルはインドネシアが最大の産地、ここでも中国企業が多くの開発権益を持つが、インドネシアは石炭も採れ、2021年から付加価値を付け輸出に回すように国内での製品化(メタル化)を義務付けている。

半導体もEV用バッテリーの材料のほとんどに中国が関与しており、オバマ時代までは中国に関与させてきた歴史が根底にある。

こうして米国に半導体・EV生産工場・EV用バッテリーの巨大工場が乱立して建設されており、また、こうした2大産業のサプライチェーンの工場進出も含め、米バイデン政権は強いインフレ促進策を講じている。(EV販売の伸び率がズッコケ、EV工場、EV用バッテリー工場の一部は建設が見直され、中断や計画凍結となっているが、10年単位で見れば大きな流れに変化はない。)

2023年には米国でもEV購入補助金が設定され、韓国から米国へEVやEVバッテリー用材料が大量に輸出され、一方、これまでドル箱だった中国から、EVバッテリー用の原材料を大量に輸入し、韓国にとって中国は貿易赤字国となってしまった。
韓国で半導体の生産が増加すれば、半導体も中国からの原材料輸入が拡大、また、韓国企業の半導体製造工場からの韓国への輸入も増加し、韓国にとって今後、中国は恒常的に貿易赤字国になる可能性が高くなっている。


スクロール→

韓国の半導体原料 中国輸入依存率

 

 

2022

2023

上昇率

 

シリコン

68.8%

75.4%

9.6%

 

レアアース

60.4%

61.7%

2.1%

 

 タングステン

68.3%

68.6%

0.4%

 

 ゲルマニウム

63.3%

74.3%

17.4%

 

 ガリウム

38.8%

46.7%

20.4%

 

 インジウム

38.8%

46.7%

20.4%

 

蛍石※

48.7%

47.5%

-2.5%

 

      蛍石は半導体洗浄剤のフッ化水素原料

      シリコンはシリコンウェハの材料

 

韓国製造の半導体原材料の3/4が中国に依存

 

韓国勢の半導体 中国工場依存率

 

 

2021

2024

上昇率

 

サムスン

西安工場

 

 NAND

29.0%

40.0%

37.9%

 

SKハイニックス

無錫工場

 

 DRAM

49.0%

40.0%

-18.4%

 

・韓国政府系海外経済研究所版

 

SKハイはインテルから買収した大連工場でNAND生産、増産率等不明、AI半導体向けSSDを増産しているはず。

 
 

 

 

[ 2024年9月25日 ]

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