ドイツ総選挙結果 シュルツ首相の社会民主党大敗 右翼政党第2党に躍進 +G7
2月23日に行われたドイツ連邦議会選挙、保守連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が得票率28.6%で第一党となり、196議席から208議席になった。
第二党には右翼政党のドイツのための選択肢が議席を倍増させ152議席を獲得、これまで連立政権首班の社会民主党は207議席から▲87議席を減らし120議席に、大幅減で第三党に陥落した。
今後、ドイツは保守連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を首班として社会民主党(SPD)と連立し、政権を運営すると見られている。メルケル前首相もSPDと連立して政権を運営していた。
スクロール→
|
2025年ドイツ総選挙 連邦議会 |
選挙前 |
選挙後 |
得票率 |
増減 |
||
|
与党 |
社会民主党 |
SPD |
207 |
120 |
16.4% |
-9.3% |
|
同盟/緑の党 |
B90+DG |
117 |
85 |
11.6% |
-3.1% |
|
|
無所属 |
|
1 |
|
|
|
|
|
野党 |
キリスト教民 主・社会同盟 |
CDU/CSU |
153 |
208 |
28.5% |
4.4% |
|
43 |
||||||
|
自由民主党 |
FDP |
90 |
|
4.3% |
-7.1% |
|
|
ドイツ選択肢 |
AfD |
76 |
152 |
20.8% |
10.4% |
|
|
左翼党 |
DL・リンケ |
28 |
64 |
8.8% |
3.9% |
|
|
ワーゲンクネヒト |
BSW |
10 |
|
|
|
|
|
ほか |
諸派 |
8 |
|
|
|
|
|
議席 |
|
|
733 |
629 |
90.4% |
|
前回選挙では207議席を獲得して第一党となり、連立政権を主導した社会民主党(SPD)は120議席にとどまり、得票率も16.4%と前回の27.7%から▲9.3%も落とし歴史的大敗を喫した。第三党に転落した。
<右翼政党「ドイツのための選択肢」議席数倍増で第2党へ躍進>
今回、第2党に躍進したのが、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」、得票率も20.8%と前回から倍増させ、議席数も76から152議席と倍増させた。前回選挙では第5党だった。イーロン・マスク氏の効果もあろうが、左派政党の左翼党リンケも28議席から64議席に伸ばしており、中途半端政党が得票を大きく落としている。党首は女史でレスビアンを公言、ただしLGBTは認めていない。
(欧州では、イタリアの右翼政権の女性首相/フランスでも台風になりつつある右翼政党のルペン党首も女史/ドイツも右翼政党の党首は女史)
<中途半端政党が大敗>
政権与党の社会民主党・緑の党の大敗のほか、野党の自由民主党も得票率が前回のほぼ1/3(11.4%⇒4.3%)まで大敗させている。
ドイツの環境政党「緑の党」のハーベック代表(副首相兼経済相)24日、23日投開票の総選挙で投票率が低迷したことを受け、代表を辞任する意向を示した。緑の党の得票率は14.7%から▲3.1%落とし11.6%にとどまり、議席数も117議席から85議席と大きく後退した。
「社会民主党」大敗
シュルツ氏のリーダーシップ力のなさ、エネルギー価格の高騰、インフレ、金利高による経済悪化に対する中途半端な政策が続き、最近はウクライナに傾注しすぎ、右翼の「ドイツのための選択肢」の台頭を許す結果となった。
ドイツはユダヤ・イスラエルに対する歴史的な系譜もあろうが、パレスチナ・ガザ攻撃に対する度重なる盲目的なイスラエル支持は、シュルツ首相のキレのない政策の中で際立ち、支持層が離反する原因ともなっている。
「緑の党」大敗
ハーベック党首は副首相、パレスチナ・ガザに対するイスラエルの猛攻撃・大量殺害を容認する発言をなし、同国の緑の党の支持層が大きく離反したと当時報じられていた。「緑の党」の環境最重視策「緑の世界」は戦争反対でしか成し遂げられない。当然、大敗となった。
ウクライナ問題、
欧州各国はロシアが侵攻したウクライナ戦争によりエネルギー価格が高騰、2021年に就任したバイデン大統領の1.9兆ドルの米政府投資による世界インフレ、欧州は各国内経済・消費は疲弊、ウクライナ支援で国内も支援が希薄化、インフレ退治の金利高も経済を悪化させ、欧州各国の国民の不満は蓄積され続けている。
その不満が、オーストリア、イタリア、フランス、ドイツ、ハンガリー、スロバキアなどの選挙で親ロシア派、国内経済重視派、右翼政党などの大躍進となっている。
ウクライナは米国の支援がなければ戦争継続はできない。
米国は155ミリ砲弾がウクライナへの供与で枯渇、生産も時間がかかることから、韓国から百数十万発を調達し、ウクライナへの砲弾を供与し続けているが、欧州は2024年合計で100万発を供与すると約束しながら50万発しか供与していない。これでは、欧州各国が、ウクライナに戦争を継続させること自体、無責任極まりない。
今回、ウクライナ問題でG7が開催された。
トランプ大統領は訪米中の仏マクロン大統領と共にTV会議に参加、「戦争終結を目指す」考えを話し合い、終結させることで一致したとSNSで発表した。
トランプ大統領は露制裁の緩和を目指すと共に、戦争終結の暁には、ロシアの資源開発の協力をロシアへ申し入れており、すでにロシア側も国際経済協力特使をすでに任命している。
米国はウクライナにもレアアースの資源開発+安保を提案してしたが、米露で和平交渉をしており、ウクライナ・ゼレンスキー大統領が猛反発、提案に反応を示さず、トランプ氏が激怒、改めて交渉に入る予定。(もともと、2020年の大統領選でバイデン氏の息子がウクライナ企業から高額な顧問料を毎月得ていたことにつき、トランプ氏はゼレンスキー大統領にネガティブなバイデン息子の情報提供を呼びかけたが、ゼレンスキー大統領は反応しなかった。・・・恨み辛みが現在生じている)
ロシアのリチウムの採掘可能な埋蔵量は100万トン、ウクライナは50万トン、ウクライナの埋蔵地の1/3以上はすでにロシアが占領している地にある。
日本政府は、今回のG7-TV会議は、露制裁で一致と議題が露制裁であるかのような発表を外務省が行っているが、今回のG7は、トランプ大統領主導の「戦争終結会議」である。
トランプ氏は米国という巨大な国のリーダーとして、世界を自らの価値観だけで動かそうとしており、向こう4年間、各国は覚悟が必要だろう。
すべては「利」に基づく価値観だが、「利」は自らの考えで創出されており、世界各国は難しい対応を迫られる。
(2014年はオバマ-バイデンがウクライナ内戦に対して休戦させようとしたが失敗、特にバイデンは元々ウクライナ支持者であり、ロシアと対峙していた。2015年ドイツ・メルケル首相が主導して米国オバマを納得させ休戦に成功した。(2014年2月のソチ冬季五輪中のウクライナクーデターもバイデン氏+米CIAが深く関与していたことが知られている)
2021年、2019年の大統領選挙で不正撲滅を謳い大統領になったコメディアン俳優のゼレンスキー氏、大統領になったものの不正撲滅にはまったく動かず、政権中枢の取り巻きもテレビ局などのスタッフたちを大量縁故採用するなどして国民からそっぽを向かれ、四面楚歌になるなか、愛国・民族主義に動き、独メルケル主導のロシアとの休戦協定は、屈辱だと騒ぎ出し、それに2021年1月に就任したバイデン大統領が乗っかかり、それがロシアを刺激、独裁者プーチンのロシアがウクライナへ軍事侵攻した経緯がある。
米国はウクライナへの軍事支援を続け、休戦にはまったく動かなかった米大統領および欧州各国の首班たち。
今回のトランプ氏の停戦へのアプローチの仕方は正解とは思われないが、戦争を終わらせる行動は高く評価できるのではなかろうか。
追、トランプとマスクの亀裂 バノン氏の例
2月12日、マスク氏は訪米中のインドのモディ首相と両国の旗の下で対談、これについて、マスク氏は大統領になったつもりだろうかと海外紙が批判的に掲載していた。その中で、マスク氏はインドでテスラ車の製造工場を造る約束をモディ首相と交わしている。
これにつき、トランプ氏が海外進出の米企業に対して、工場を米国に回帰させる動きに、マスク氏は真っ向から対立する約束をなしている。
先日もアップルが今後4年間で5000億ドルを投資し、米国内に工場等を建設すると発表したばかり。4月からの自動車の一律関税も米国内で販売する車は米国で作れという持論の基に決定されている。
こうしたことにより、トランプ氏はマスク氏に対して不満を爆発させた。
マスクもトランプ大統領になった気で、やりたい放題しているが、決して中国に対しては触れない。触れたら中国では生活できない。上海のテスラ工場、ESS工場など中国での活動もBYDに大きく市場を侵食されながらも今や柱の一つになっている。テスラは中国上海工場から車両も部品も中国外へも輸出している。
2月19日、マスク氏率いるスペースXの宇宙ロケット「ファルコン9」の残骸が海上ではなくポーランドなど欧州の陸上へ大量落下。通常、ロケットの残骸は大気圏で燃焼・消滅させるが、消滅しないことを想定して、海上に落下するようにプログラムされている。スペースX社は「ファルコン9」のエンジンが故障してコントロールできなかったという。米国内でも落下していたら大変なことになっていただろう。
テスラ車は2013年計画の180万台をやっとこさ達成、2024年は220万台を計画、実績は前年の180万台(2024年販売実績:178万台)にも届かなかった。
株価だけはマスク氏が支援しているトランプ大統領誕生で棒上げしたが、トランプ1政権ではトランプ1政権誕生の立役者の一人となっていた盟友のバノン氏(ホワイトハウス元首席戦略官)もトランプ大統領の逆鱗に触れ更迭された。現在のマスク氏の長官ポストは選挙の論考褒章の地位でもあり、バノン氏の立場に似ている。ただ、マスク氏はバノン氏と異なり、野望だけで政治的な動機は限りなく希薄。
以上、





