アイコン レアアース決着せず 米中首脳電話会談 中国一部解禁、協議会設置へ


5月12日の関税交渉は双方が115%の関税を引き下げることで合意。米国はそれまで145%から30%に引き下げ、中国も対米輸入関税125%を10%に引き下げるというものだった。

(30%の関税でも中期的には中国の対米輸出は70%減少するとブームバーグはみている)

ベッセント財務長官及びトランプ大統領は5月30日、関税引き下げ合意に付随して、中国側のレアアースの輸出規制(特に米企業の輸入認可は厳しいという)の解除があったとし、中国に対して、即刻輸出規制を解除するように迫った。

これに対して中国は6月2日、GM、フォード、ステランティスの元クライスラー向けの供給業者に、一部のレアアースについての輸出許可を出したという。
(中国のレアアース輸出規制問題では、フォードはすでに工場の一部で一時生産停止、日本のスズキも一部車種で生産停止に追い込まれている。)

5日夜、米中首脳電話会談が行われ、
トランプ氏は習氏に対して、改めてレアアースの全般の輸出解禁を約束通り行うよう要請、しかし、習氏は即答しなかったようで、改めて協議を持つことで合意している。

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習氏はトランプ氏に対して台湾問題に関与しないよう要請したとされ、これまたトランプ氏は快諾できる案件でもなく聞き手に回ったようだ。
 ベッセント長官によると、米中協議はロンドンで9日に開催するという。

(また、米ルビオ国務長官が中国からの留学生について、中国共産党と関係がある人などのビザの取り消しを始めると発表したことにつき、習氏が善処するように申し入れ、トランプ氏は留学を認めるが審査は行うと回答している。
米国はすべてに同盟国からの留学生でさえ、ビザを取り消したりしており、中国だけに恩恵を与えることはないだろう。中国留学生のビザ取り消しが緩和されれば、ほかの国も大幅に緩和される可能性がある。)

これまで中国は米国から多くの制裁を受け続けており、関税も双方が同率の関税引き下げを行っており、レアアースの輸出規制解禁では中国側にも何かメリットがなければ、全面解禁はしそうにもない。
結局、レアアースの輸出規制の全面的な緩和なり解禁は、再度改めて米中協議を行うことで合意しており、まだまだ時間がかかりそうだ。
 
ただ、すでに誘致した半導体工場が稼働段階に入っている施設もあり、レアアースが輸入できなければ、米国の半導体の生産活動はすべてストップする可能性すらある。
自動車の各種モーター類用の磁石への添加物のレアアースで、自動車はある程度生産できようが、多くの半導体も搭載しており、自動車向け半導体の生産に必要なレアアースの解禁も必要となる。
ロボット、各種電子製品、電化製品、電子制御の機械類なども各種部品部材にレアアースが必要となる。

2020年10月20日、旭化成半導体延岡工場の火災を機に生じた半導体不足、自動車メーカーや商社が半導体を買い占め半導体が枯渇、メーカーでは半導体組込部品の調達ができず、ゲーム機や電子製品、自動車の生産に至るまで生産停止に追い込まれた。今回も半導体が製造できなければ連鎖して多くの産業が生産停止に追い込まれる。

現在の自動車にはモーター類製造用のレアアースと半導体製造用のレアアース、自動運転などのセンサー類製造用のレアアースなど、17種のレアアース全種が必要となっている。

トランプ氏は勢いよく中国に対してヒステリックに関税制裁に動いたが、中国のレアアース輸出規制で、米国の産業はギブアップ直前、すでに悲鳴を上げている企業も多く、結果、トランプ氏に対してブーメラン制裁が、中国側から下されていることになる。

中国の懐の深さはその歴史によりはぐくまれており、米国も用意周到に構えなければ、ラファールのように撃墜される可能性すらある。トランプ氏の短絡的なヒステリックな対応は良い結果をもたらさない。買い言葉に、売り言葉、陰湿な対応もある。

結局、米中貿易戦争の局地戦・レアアース戦争は中国が勝利、トランプ政権が白旗を掲げたようだ。

マスク×トランプ喧嘩、
マスク氏がトランプ氏の減税政策を批判、さらにXでトランプ氏の弾劾まで言及、これに怒ったトランプ氏はマスク氏に対して、「政府契約を解除するぞ」と恫喝、これを受けマスク氏はスペースXの「ドラゴンを飛ばさないぞ」と脅迫、米国はスペースX以外国際宇宙船へ飛ばすロケットを所有しておらず、トランプ氏の負け、・・・こうして負け込めば、トランプ氏どころか米国が世界を相手にした貿易関税戦争に米国自体が行き詰まり負け込む可能性すらある。

腹の虫がおさまらないトランプ氏は、6日にも2人の電話での和解が期待されたがなし、当時、株価下落のテスラに対して、トランプ氏はテスラ車を購入、株価は上昇に転じていた。そのテスラ車をトランプ氏は手放すという。

今回の米中首脳電話会談でトランプ氏は、習氏に対して米国へ招待する旨伝えたという。
トランプ1政権では2017年4月6日(2017年1月20日にトランプ大統領誕生)、習氏を招待してのフロリダのマールアラーゴ私邸での晩餐会、その酒の肴がシリアに対するトマホークの59発の攻撃であった。習氏は度肝を抜かれたという。こうした前例もあり、習氏が招待に応じるかどうかは全くわからない。
(攻撃部隊から直接、攻撃完了報告が晩餐会会場のトランプ氏にあり、トランプ氏が習氏にその旨を直接伝えたもの)


中国政府のレアアース輸出禁止戦術、嫌がらせの前例
2010年9月17日発生した「尖閣諸島漁船衝突事件」、違法操業の中国漁船を取り締まり中の日本の巡視船に漁船が体当たり攻撃、当時の日本の民主党政権は隠蔽、撮影した自衛官が映像をリークして問題が急浮上した。
これを受け、中国では反日デモが繰り返され、中国政府はレアアースやレアメタルの対日輸出を禁止した。当時はレアメタルの磁石用のネオジムも輸出規制された。
2012年9月15日には、尖閣諸島の国有化(9月11日)に伴い中国では反日暴動が発生、中国の日本企業の工場や商業施設が焼き討ち・略奪、破壊されたが、中国政府は破壊行為を放置、破壊は各地で続いた。その後、中国政府が取り締まり、即、暴動は沈静化した。


 

[ 2025年6月 7日 ]

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