アイコン ダイドーリミテッド、国産デニムの雄ジャパンブルーを子会社化 アパレル再編の一手となるか


東証スタンダード上場のアパレル企業ダイドーリミテッド(3205)は6月26日、岡山県倉敷市のデニムブランド企業株式会社ジャパンブルーの株式80%と新株予約権を取得し、連結子会社化すると発表した。取得額は約58億円。株式譲渡の実行日は2025年8月29日を予定している。

国内外で知名度を持つ「MOMOTARO JEANS」や「JAPAN BLUE JEANS」を展開するジャパンブルーは、地場産業としての“児島デニム”の象徴的存在。素材から製品までの一貫生産体制を強みに、訪日観光客の増加や欧米市場を追い風に業績を伸ばしていた。

 

M\&Aによる“非連続成長”に踏み出す

今回の買収は、ダイドーリミテッドが掲げる中期経営計画「革新と進化」(2024年5月公表)の中で明示されたM\&Aによる非連続的成長戦略の一環。紳士服主体からの脱却と、多様なブランドの獲得による企業価値向上を狙った動きだ。

ダイドー側は、同社の海外販売網や他ブランドとのコラボレーションにより、ジャパンブルーとのシナジー創出が見込めるとしている。また、“本物のものづくり”にこだわるジャパンブルーの企業文化と、ダイドーが掲げる「品質本位」の理念の親和性も高いとし、グループ全体の底上げにつながると期待を込める。

 

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児島デニムの“工場発ブランド”に変化の兆し

注目すべきは、ジャパンブルーが比較的新しい企業ながらも、すでにテキスタイルとアパレルの二軸で着実に利益を積み上げていた点だ。2024年8月期には売上高54.4億円、営業利益4.5億円を計上しており、今後の海外市場の拡大を見据えたスケール戦略が可能な体制にある。

一方で、ダイドーのような大手アパレル企業による“地場系ブランド”の取り込みは、近年ファッション業界でも加速しており、ジャパンブルーが持っていた**職人主導の独自性**が今後どう維持されるかは注視すべき点でもある。

 

投資ファンドからのバトン、次のステージ

今回の株式譲渡の相手先である「K\&C1号投資事業有限責任組合」は、ファンドとしてジャパンブルーの成長を一定期間支えてきた存在であり、今回の譲渡は「EXIT(出口戦略)」としても自然な流れだ。バイアウトファンドによる育成から、戦略的オーナー企業への移行により、企業の“次のステージ”をどうデザインしていくかが問われる。

 

今後の焦点は「融合」と「拡張」

M\&Aは“足し算”ではなく“掛け算”である。ダイドーがジャパンブルーを子会社化することで、ブランドの拡張、販路の拡大、製品の多様化が進むかが成否を分ける。地方発のクラフトブランドが、大手資本と融合することでどのような新しい価値を生み出すのか、注目したい。

 

[ 2025年6月27日 ]
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