アイコン パナソニック、増益も地政学リスクに警戒 "改革の執念"ににじむ危機感


パナソニックホールディングスは7月31日、2025年度第1四半期の決算説明会を開催し、グループCFO・和仁古明氏が業績や今後の見通しを説明した。

売上高は前年同期比89%の1兆8,967億円だったが、2024年度に非連結化されたオートモーティブ事業を除けば前年比102%と増収。営業利益869億円、純利益715億円と、いずれも増益を記録した。

 

米中リスクの揺らぎと成長分野の対比

業績はおおむね堅調ながら、和仁氏は米国の関税政策や補助金制度の変動によるリスクを強調。特に影響が懸念されるのは、航空機内エンタメを担う「コネクト」事業と、車載電池や蓄電システムを含む「エナジー」事業だ。

「長期的なEV化のトレンドに変化はないが、IRA(インフレ抑制法)30Dの廃止や米中摩擦により短期的にはEV市場が減速する可能性がある」と述べた。

一方で、生成AI関連投資の拡大によりデータセンター向け蓄電システムの需要は想定を上回るペースで成長しており、産業・民生分野での事業機会が広がっている。

 

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パナソニックブランド、再び中核へ

注目の機構改革では、パナソニック株式会社を発展的に解消し、家電事業全体を新会社に移管するとしていたが、最終的に社名は「パナソニック株式会社」として存続させると発表された。

和仁氏は「ブランド力とマーケット認知の継続、移行コストの抑制と合理性を考慮した」と説明。社長には現エンターテインメント&コミュニケーション社長の豊嶋明氏が就任する。

この決定は、「スマートライフ(仮)」として予定されていた新社名からの軌道修正となり、“家電ブランドとしてのパナソニック”の再定義とも言える。

 

構造改革は「予定通り粛々と」

和仁氏は、進行中の1万人規模の人員削減計画について「国内外で着々と進んでいるが、第1四半期では目立った進捗はない。第3四半期以降に本格化する」と述べた。

また、7月に解約が発表されたオリックスとのプロジェクター事業に関する資本提携については「一切ぶれていない。苦渋の決断だったが、最後まで現場の声を聞き、経営判断としてやり切った」と語気を強めた。

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パナソニックは今、「稼ぐ力」と「変わる力」の両立を求められている。地政学リスクが高まる中で、短期的な業績よりも中長期の体質改善に注力する姿勢は、“踊り場”に立つ日本の製造業が進むべき一つの方向を示している。

 

[ 2025年7月31日 ]
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