アイコン 貿易戦争 米鉄鋼7年ぶりの高価格に 米トランプの関税賦課制裁が製造業に影響 

 

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トランプ米大統領が導入した輸入鉄鋼・アルミニウム関税を評価する方法の一つは、米製造業の反応。製造業は既に変調を自覚している。
輸入関税発表を受け、米供給管理協会(ISM)が2日発表した3月の仕入価格指数は早くも約7年ぶり高水準となった。

ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長によれば、調査回答者の約32%が輸入関税に関して、コスト増や、製造スケジュール上必要な時期に調達が限られるのではないかとの懸念を示した。コメント回収の時期は輸入関税導入前だったという。

フィオレ会長は記者団との電話会議で、鉄鋼とアルミは製造業全般で原材料として利用されており、企業は、輸入関税が発表されると備蓄を開始していた。買手企業が見積価格は24時間しか有効ではないと言われたり、品切れで1日ないし2日後に再度問い合わせたら、より高い価格を提示されたりしたケースもあったという。

こうした製造業の反応も寄与し、堅調な需要で既に上昇していた価格はさらに押し上げられた。
フィオレ会長は、「3月の仕入価格指数が上昇した主な原因は輸入関税だ」と説明した。
以上、ブルームバーグ

米CNNによると、米鉄鋼メーカーから米オハイオ州シンシナティに拠点を置くメタルワーキング・グループは、冷延鋼板を35%値上げすると3月19日に通達を受けたという。(米トランプによる鉄鋼・アルミに対する関税賦課発動は3月23日)

また、中国の米国産豚肉に対する報復関税賦課が4月2日に発動され、米国の食肉加工会社のタイソンの株価は在庫増が懸念され同日、6.2%押し下げている。
小麦にしろ、大豆にしろ、肉類にしろ、米国における生産者団体は共和党の重要な支持母体である。その支持母体が中間選挙で反旗を翻せば、米トランプの自国産業優先策による関税賦課の保護貿易の真の目的である中間選挙での共和党勝利に多大なる影響を与えることになる。
すでに、白人住民が多く、共和党支持者が多く、鉄鋼産業の盛んなペンシルバニアで3月13日に行われた連邦下院議員補欠選挙では、若干33歳の民主党候補に共和党候補がスキャンダルなしに敗れている。(昨年12月12日に行われた共和党地盤のアラバマ州の上院補欠選挙では、共和党候補に複数の少女性暴力事件が浮上して民主党候補に大敗していた)

米トランプの諸政策はすべて、白人保守層に依存した共和党を中間選挙(下院全員改選/上院1/3改選)で勝利させ、自らの政策を実行できる体制を維持することにある。

負けた場合は、レイムダック状態に陥り、国内の自らの諸政策は民主党の反対にあい、行使できなくなる。
改選される下院議員たちも当選しなければ無価値、支持基盤の産業や住民の動向しだいでは、中間選挙を前に、トランプ離れを引き起こす可能性が指摘されている。
今回、米トランプが起こした貿易戦争、保護される産業界は喜んでも、生活者である共和党支持の国民に与える経済的影響は別、それでなくてもトランプは敬虔なクリスチャンや女性たちが嫌う女性問題を抱え、米国民全体が嫌うロシアゲート問題も抱えている。

 

[ 2018年4月 3日 ]

 

 

 

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