アイコン 13億人の中国と1万人のナウルの喧嘩 尾を引く南太平洋の国々

 

 

一帯一路戦略の下に中国のインフラ投資援助により借金の漬物になりつつある南太平洋の国々。ほとんどが人口やGDPが僅かな国々に対する巨額借款援助となっている。
一方で、台湾と国交を持ち続ける島国を目の敵にする中国である。

中国と太平洋の島国、ナウルとの対立が激化し、互いに相手に「謝罪しろ」と応酬する事態になっている。
ナウルは、台湾=中華民国との国交を維持している。中国側は「台湾が背後で糸を引いている」との考えを示唆している。

ナウルと中国の対立が発生した舞台は、ナウルで9月3日~4日に開催された太平洋諸島フォーラム(PIF)。
同フォーラムのメンバーは、太平洋の島国であるメラネシア、ポリネシア、ミクロネシアの各圏の16ヶ国と地域。中国は正規のメンバーではなく、対話パートナ18ヶ国の一つ。

まず、問題が発生したのは、杜起文特使を代表とする中国代表団のナウル入国時だった。
ナウル側は、中国とは外交関係がないので、中国側の外交官旅券は認められないと主張した。一般旅券を提示するように迫った。双方が妥協する形で中国代表団はナウルに入国したが、4日のフォーラム会場では「大波乱」となった。

(これには伏線があった。ナウル政府関係者が中国を訪問したとき、同様の旅券対応をされたことから、ナウル側がしっぺ返ししたものとされている。)

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杜特使が、地球温暖化をテーマとする演説を始めたところ、議長であるナウルのバロン・ワガ大統領が、出席するメンバー国の指導者の発言を優先すべきとして、発言をやめるよう求めた。
反発する杜特使と激しい応酬になり、杜特使は結局、退場した。杜特使はかなり興奮していたとされる。

ワガ大統領は、杜特使について「無礼だった」「(政府責任者でなく)政府関係者にすぎないのに」、「中国は小国をいじめる」などと、中国側を強く非難した。
ワガ大統領は5日になり、中国特使の態度が常軌を逸していたとして、中国政府に謝罪を求めた。
さらに、
「中国はわれわれ(太平洋の島国)の友人ではない。自らの目的のために、われわれを必要としているだけだ」
「太平洋諸国やPIF加盟国、他のサンア国の首脳・閣僚を見下した。冗談ではない」
「杜特使は閣僚ですらないのに、ツバル首相より先に発言しようとした。頭がおかしいのではないか」
と強く非難した。

(中国は最初に発言することで、援助と引き換えに加盟諸国の発言を牽制する動きに出たものと見られる。ツバル諸島は、地球温暖化=中国の大気汚染と使用禁止のはずのフロンガスの大量生産と使用により、南極の氷が溶け、これから先、太平洋に沈むとされている。)

ワガ大統領は、同問題について、「国連でも問題にする」「あらゆる国際会議で、この問題について述べる」などと発言した。

一方、中国政府は、
外交部の華報道官は6日の定例記者会見で、
ナウルについて
「拙劣な茶番劇を演じた」と批判。
「ナウル側の関連する発言は事実にまったく合致せず、完全に白を黒と言いくるめるものだ」などと非難した。

さらに、「フォーラムのメンバー国の多くは失望した。反省して謝罪すべきはまさに、ナウル側だ」などと述べた。

太平洋の島国で、台湾と国交を維持しているのはナウル1国だ。他の国は中国と関係を構築している。中国はナウル以外の太平洋諸国に莫大な援助をしているとされる。
PIFをめぐる中国・ナウルの衝突でも、(借金の漬物になっている)サモアがナウルを批判するなどの動きがあった。

華報道官は、
「ナウルが演じているこの劇の舞台監督に言っておきたいことがある。一つの中国というとうとうたる歴史の流れに直面し、わけもなく騒ぎを起こし、自らをおとしめることをしてはならない」と述べ、暗に台湾政府を批判した。

ナウルは太平洋南西部の島国。国土面積は21平方キロメートルで、バチカン、モナコに次いで世界で3番目に小さな国。2016年時点の人口は1万人で、バチカン、ニウエ、ツバルに次いで、世界で4番目に人口の少ない国。
中国は13億8,271万人の国。
以上、各種報道参照
かつて、南太平洋の国々は、中国が国連に加盟したあとも台湾と国交を有していたが、インフラ整備の資金を援助(借款)支援すると称して、太平洋の島々に入り込み、その条件として、台湾と国交を断絶させ、中国と国交を結ぶように強制した。
そうしたことから、南太平洋の島々が挙って台湾との国交を断絶して中国に靡いた。中国はこうした島国に身動き取れないほどの借款を与え、借款(=借金)の漬物にしてしまっている。

中国は2006年以降、東ティモール、フィジー、パプアニューギニア、サモア、トンガ、バヌアツ、ニウエ、クック諸島、ミクロネシア連邦の9ヶ国に対して、毎年援助している。
パヌアツでは港湾整備に対する中国支援により、中国が借款の軽減目的で戦略的拠点として一部を軍港として99年間借用するのではと見られている。
パプアニューギニアは元々オーストラリアの統治領だった国、鉱山資源が豊富で中国の巨額借款の狙いはその資源にあると見られている。
フィジーは漁業資源、中国漁業の南太平洋域・南極海域における拠点にしたい意向があるとされている。

しかし、元々太平洋諸島フォーラム(PIF)は、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカが主導して作られた会議、援助についてもオーストラリアが最大の援助国でもある。
最近、オーストラリアなどは関係を強化することで、こうした南太平洋における中国に対する牽制する動きを始めている。
中国は、南シナ海に数々の要塞を構築したが、米国主導の第一列島線(日本-台湾-フィリピン)の枠内、それを打破すべく、南太平洋諸国と経済的にも政治的にも軍事的にも親密な関係を構築し楔を打つことを目論んでいるとされる。
南太平洋の国々も今では、中国による経済支配・政治支配を脅威に受け取りつつある。

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[ 2018年9月11日 ]

 

 

 

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