アイコン 需要2億トンのアンモニアの新製造法開発/東大西林仁昭教授ら 生産コスト大幅削減へ

 

 

東京大学の西林仁昭教授らのグループが、医薬品や肥料などの原料となる「アンモニア」を効率的に作る方法の開発に成功し、製造コストと二酸化炭素の排出を大幅に減らせる手法として注目されている。

アンモニアは医薬品や肥料、化学繊維などの原料となり、世界で年間約2億トンが製造されている。

現在の主な製造方法は、窒素ガスと水素ガスを、数百度、数百気圧という高温高圧の状態にして反応させるものが主流で、製造の過程で大きな電力を必要とするほか、水素ガスは、天然ガスなどの化石燃料から取り出しているため、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出が課題になっている。

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西林教授らのグループは、マメ科の植物に寄生する「根粒菌」と呼ばれる菌が空気中の窒素からアンモニアを作り出していることに着目、この菌が持つ酵素に似た働きをする触媒を開発した。

そして、この触媒を使って実験したところ化石燃料からの水素ガスを使わずに水と窒素ガスを反応させてアンモニアを作ることに成功したという。

また、製造の際の温度は25度で圧力を上げる必要もなく、電力消費を大幅に減らすことができたという。

研究グループは今後、触媒をより効率的に働かせるために必要な化学物質のリサイクル技術などを確立して、さらに製造コストを抑え、実用化につなげたいとしている。

西林教授は、「自然界の菌の働きを模倣することで温和な条件でアンモニアを作り出すことができた。画期的な製造方法で、企業と共同研究を進めて実用化を急ぎたい」としている。

 

 
[ 2019年4月25日 ]

 

 

 

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