アイコン 5月の韓国貿易収支 単月で7年振りの赤字になる黄色信号

 

 

韓国では、昨年12月に始まった輸出減少傾向が6ヶ月連続することが確実視されている。最も大きな割合を占める半導体と対中輸出が減り続けていることに起因している。
米中貿易戦争は、韓国の輸出割合で25%を占める中国経済を直撃しており、今後とも中国経済と連動性が高い東南アジアへの影響も懸念されている。

韓国関税庁が21日に明らかにしたところによると、今月1~20日の輸出額は257億ドルで前年同期比▲11.7%(34億1000万ドル)減少した。
前年同期より操業日数が0.5日(土曜日は0.5日と計算)多いという点から輸出減少傾向は険しかったと分析される。
操業日数を考慮した1日平均輸出額は前年同期と比較して▲15.0%減った。

半導体輸出が▲33.0%減で最も多く減少。
石油製品輸出も▲5.1%減。

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国別には、主力輸出相手国である中国向けが▲15.9%減、
欧州連合向けが▲19.4%減、
米国向けが▲4.4%減、
日本向けが▲1.4%減
などとなった。
 
この傾向では昨年12月の▲1.7%減から続いた輸出のマイナス行進が今月まで続く可能性が高く、2014年10月から19ヶ月連続で輸出が減少して以降で最長期間となる。
 
同期間の輸入額は、277億ドルで前年同期より▲0.1%落ち込んだ。
産業活動と直結する半導体製造用装備が▲42.7%減、
石油製品が▲10.0%減、
機械類が▲4.9%減などと輸入が減った。
 
 輸入より輸出が急速に減り今月1~20日の貿易収支は▲19億5900万ドルの赤字と記録された。
5月1ヶ月間の貿易収支が赤字を出せば2012年1月の▲23億2000万ドルの赤字以来約7年ぶりとなる。
 
輸出が予想より大きく冷え込み韓国政府の今年の成長目標値である2.6~2.7%を達成するのがさらに厳しくなったという分析が出ている。
民間では野村証券が1.8%とするなど1%台の成長見通しも出ている。
産業通商資源部関係者は「来月までは輸出不振が続き下半期から回復するとみている」としている。
以上、
 
ファーウェイに対する米国の制裁は、サムスン電子に優位に働くとされており、ファーウェイのスマホや4Gの通信基地局向け機器において、スマホの市場シェア奪還と販売台数の回復、5G規格の基地局向け機器の大幅シェア獲得が予想されている。
 
しかし、スマホでは中国にはまだ小米やOPPO・vivoなどが群雄割拠しており、ファーウェイが米国からコケさせられたとしても、そうした中国スマホメーカーはすでに絵画への進出を果たしており、全社を米国が制裁でもしない限り、簡単なことではないと見られる。
 
また、通信基地局向け機器は、ファーウェイ・エリクソン・ノキアの3社が圧倒しており、サムスンがファーウェイのように安売りで市場を拡大しない限り、既存基地局にはそうしたメーカーの製品が入っており、5G規格機器もその延長で採用するケースが多く、そう簡単にはいかないだろう。ファーウェイの機器納入国は中国政府による借金漬者国向けも多い。
 
半導体は、メモリでサムスン+SKが市場を圧倒しているが、市場そのものが米中貿易戦争による世界経済の成長鈍化により、設備投資にも影響してくることから、半導体需要先市場の成長スピードも鈍化するものと見られる。販売単価の下落はまだ止まっていない。
4次産業革命の進捗遅延・・・ただ、先を制するものが勝つ。

 

スマートフォンメーカー別 販売台数ランキング 
by:米IDC 
2018年・年間 
2019年1Q(1~3)
メーカー
百万台
前年比
シェア
百万台
前年比
シェア
サムスン電子
292.3
-8.0%
20.8%
71.9
-8.1%
23.1%
アップル
208.8
-3.2%
14.9%
36.4
-30.2%
11.7%
ファーウェイ
206.0
33.6%
14.7%
59.1
50.3%
19.0%
シャオミ
122.6
32.2%
8.7%
25.0
-10.2%
8.0%
OPPO
113.1
1.3%
8.1%
23.1
-6.0%
7.4%
vivo
112.3
 
8.0%
23.2
24.0%
7.5%
ほか
462.0
-19.4%
24.8%
72.1
-21.5%
23.2%
合計
1,404.9
-4.1%
100.0%
310.8
-6.6%
100.0%
・上記、中国勢4社のシェア合計は39.5%
 
 
 
 
<半導体>
サムスン・SK・マイクロン・東芝はメモリ半導体が主、ほかはシステム半導体など
0523_03.jpg
 
<単価推移>下げ続けている
0523_04.jpg
 
<通信基地局向け機器>
0523_05.jpg
 

 
[ 2019年5月23日 ]

 

 

 

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