アイコン 韓国側は3品につき申請違反か こじれる日韓関係 深刻

 

 

安倍首相が7月3日の党首討論会で、日韓請求権協定や慰安婦合意に言及し、「韓国が国際約束を守らなかった」と発言し、「約束を守らない国には優遇措置を取れないとして、今回の(3品優遇措置解除)措置は世界貿易機関(WTO)に反しない」と述べた。

経済産業省の世耕大臣は1日、7月4日からの輸出優遇措置解除を発表し、「大韓民国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生した」と述べた。しかし、「不適切な事案」が何なのかについては一言も言及していない。
ただ、3日の発言では3品の中に「輸出管理を巡り、不適切な事案が発生している」ものがあったと説明している。

韓国側では、日本政府が報復措置に対応して韓国政府が応酬に出た場合、韓国に反撃するために出すための「切り札」を握っているのではないかという観測まで出ている。

戦略物資に関する「包括輸出許可制度」(1回の申請認可で3年間有効)は、輸出業者が輸出先を含めエンドユーザーまで細かく申告することになっている。ところが、実際にエンドユーザーが申告した内容と異なる場合、これを問題視し「不適切な事案」とみなす可能性がある。

韓国の関税庁によると、2018年の日本からの輸入量は、
フッ化ポリイミド(フッ化水素)が1万4199トン(4億3281万ドル/約470億円)、
レジストが1091トン(3億2069万ドル/約340億円)、
エッチングガスが8万3327トン(1億5951万ドル/約170億円)
となっている。

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すでに4日・5日申請分は認可されなかったという。
経産省は平均して90日間の審査を要するとしているが、韓国側の報道では優遇されていない中国企業の例として、認可されるまで1ヶ月程度かかっているという。結果、どのくらいで認可されるか?
半導体メーカーの半導体の在庫は2~3ヶ月分あるという。

<フッカ水素>
フッ化水素の在庫期間は1ヶ月程度とされているが、日本からの輸入比率は40%台、韓国産が50%占めている。しかし、韓国産は最先端微細半導体には対応できず、10ナノ以下の半導体の生産は、在庫がなくなればストップする可能性が高いという。
また、ソルブレーンなど韓国メーカーは日本から中間材を輸入して製造しているとされ、中間材を日本が輸出規制対象にしていれば、韓国産分も生産に支障をきたすことになる。

韓国にはほかにもメーカーはあったが2012年9月、亀尾産業団地の(株)ヒューブグローバルがフッ化水素酸漏出事故を起こし、近隣住民含め1500人以上が被災した事件があった 。
2012年には亀尾のLGシルトロンでも漏出事故を発生させ、サムスンの半導体製造工場でも2013年にかけ、何回も漏出事故を起こし、死亡事件も1件発生させていた。
こうした劇薬のフッ化水素を取り扱う企業は少なくなっていた。

<レジスト>
また、サムスン電子は1ナノメートル(10億分の1メートル)~15ナノメートルの波長の光で使用される極端紫外線EUV用レジストの在庫を1ヶ月分しか保有していないという。
EUV用レジストは米国の化学メーカーも一部生産しているが、日本企業の技術力の方がはるかに高い。日本はまた、EUV工程よりもさらに小さな単位の製品を作れる次世代光源を使った「電子ビーム・イオンビーム用レジスト」も規制対象に入れている。

<3品の2019年1~4月の累計値>
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<3品の1~5月の累計値による対日依存率>
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康京和長官が「(日本が報復に乗り出せば)われわれも黙っているわけにはいかない」としながら、現行、門前払いされる可能性が高いWTOへの提訴しか打ち出せていない。
洪楠基経済副首相兼企画財政部長官も「日本に打撃を与えることができる輸出規制などの措置を取る可能性もある」と述べた。
韓国側がなんらか禁輸措置や輸出規制をしたところで、韓国企業に打撃となるだけで、自ら、明らかなWTO違反になる。

日本は韓国の製品がなくともやっていけるが、韓国は日本の部材や部品などを組み込まなければ、製品化することがない輸出用電子製品が多く、製品化に遅滞が生じる。

<韓国文政権は元徴用工問題を韓国で処理することを表明しなければ・・・>
韓国は、工業全般に影響してくる8月からのホワイト国からの除外前に、なんらか手を打たなければならないにもかかわらず、韓国政府は相変わらず「関係企業による自主的な拠出金で賠償しよう」と2度日本政府から拒絶された提案を、今後ともとしつっこく提案するという。
与党の一部から出ている法律を制定して国内で処理する案も大統領府が拒絶しているという。

日本政府の1965年日韓国交正常化条約および協定に基づく公式な協議要請を、半年間も無視し続けた韓国文政権の代償は大きすぎる。
また、元徴用工賠償問題外にも、日本は多くの問題を韓国側から突き付けられ続けており、単に元徴用工問題だけではないことに、日本側も簡単に振り上げた刀を鞘に納めるわけにはいかない。こうした状態・事態を、文在寅氏は大統領就任来、日本に対して創り続けている。
当然、今回の事態に陥ることも、計算に入れてのことだろうが・・・。

<WTO提訴の前段階の協議を日本に要請>
一方、兪明希通商交渉本部長は、WTOに提訴すべく、協議開催を日本側に要請した。日本側が、WTO提訴に馴染まないとして無視するか、協議に対応し反論するか知らないが、WTOに訴えても勝訴する確率は低く、期間も2年以上が必要となる。

<海外に同調させることも無理がある>
輸出しないのではなく、輸出審査の優遇措置を解除するというものであり、韓国が海外国へ同情を誘っても無理がある。
韓国が愛するドイツにしても、こうした訴訟を外国人から受け、ICJで決着付けたのは2012年である。現在もギリシャが賠償金は異常に少なかったとして、巨額賠償金を請求するという問題を抱えており、相手にするはずもない。

<韓国は2重基準>
韓国は、現在のような司法と外交も司る行政で、外交について2重基準があること事態が問題である。外交も司る行政と立法(条約などは国会が承認して批准される)が締結した条約を、司法が覆すような韓国では、どこの国も安心して条約や協定は結ばなくなるだろう。
また、前政権が国家間で合意した事案でも、政権が変われば、次の政権が簡単に合意を実質否定し、合意違反を続けるような国の政権とどうして付き合うことができようか。

日本が拠出し、前政権が設立した「癒し財団」を、現政権は一方的に閉鎖し登記さえ抹消した。康外交部長官は慰安婦合意違反となる慰安婦問題を、国連などの公の席で今年になっても3回もスピーチしている。康長官は慰安婦問題を国連勤務時代から取り上げ続け、慰安婦問題では日本批判の専門家だろうが、日韓合意違反は日本関係を悪化させるばかりである。逆であっても、どこに国であっても、そうであろう。
国家間で良好な関係を維持するには、外交の一貫性、礼節は、一番大事なところではないだろうか。
政権や司法に関係なく、最低限、国家間の条約や協定、合意は遵守すべきである。文大統領が国民を代表して日韓関係を破壊するならば別だろうが・・・。
 

 
[ 2019年7月 6日 ]

 

 

 

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