窮地のJDI 中国企業から支援を受ける方針
期待のiPhone XRが売れず、JDIは大きな岐路に立たされている。
産業革新機構が2000億円の巨額政策出資している経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)が、中国のファンドや企業から支援を受ける方向で交渉していることが明らかになった。
JDIは主力のスマホ向け液晶パネルの不振で2018年3月期まで4期連続で最終赤字を計上した。
財務の立て直しが急務となっており、産業革新機構がもう出せませんと言ったようで、国内外で出資者を探している。
支援企業としては中国系の複数のグループが検討されている。
関係者によると政府系のシルクロード基金のほか電子部品会社も候補に挙がっているという。
以上、報道参考
産業革新機構はINCJに名称を変えそのままある。新規投資は行わないが、既存投資企業への追加投資は行う。残高は1兆円を超える。
産業革新投資機構は、産業革新機構を9月会社分割して設立したとされるが、産業革新機構の衣替えではなく、まったく新しく設立されたものが実態。
そのため、まったく新しく投資が始まる。予算規模は2兆円とされている。
政府は何故、別個に設立したのだろうか。
意外とJDIが破綻した場合、産業革新機構への批判が高まることを恐れ、それを回避するため、新規に設立したのではなかろうか。
経産省から産革投資機構にすでに示された報酬額を、官邸が差し戻させるとはいかがなものだろうか。産革投資機構は当然、そうした報酬規定に基づき取締役たちの人材も集めてもいる。
もっと言うならば、現行の産業革新機構= INCJの報酬規定は、業務収益によりすさまじい高額になっている。
産革投資機構の辞任した取締役が述べたように、政府が投資に直接関与するならば、官民ファンドではなく官ファンドであり、投資業務を責任持ってできないと発言したのも頷ける。
政府は政府予算を産革投資機構に出資することから当然投資方針なりを指し示すが、政府案件は相談するだけにすべきで、直接投資にかかわるべきではなかろう。
金融の専門家を米国からも何名も集め、日本の将来のためになる投資を行おうとした民間取締役9人の実力は計り知れないほど大きいもののように見える。
辞任の記者会見では、きっぱりと政府批判したが、そうした事例がお上天国の日本にこれまであったろうか。
マレーシアのIMDのような政府系投資ファンドに多かれ少なかれなってしまうのが、日本政府の紐付き機関の宿命だろうか。
財界まで利用する政府の金融・投資の考え方は20年以上遅れている。お上という潜在意識により、永遠と水面下の官製談合と忖度に慣れ勤しんでいることに起因していようか。
JDI 液晶ディスプレイ会社
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連結/百万円
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16/3期
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17/3期
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18/3期
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売上高
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989,115
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884,440
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717,522
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営業利益
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16,710
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18,502
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-61,749
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経常利益
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-12,934
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-8,871
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-93,658
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当期利益
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-31,840
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-31,664
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-247,231
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総資産
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813,861
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915,631
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614,692
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自己資本
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363,149
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324,861
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80,337
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資本金
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96,863
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96,863
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96,863
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有利子負債
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8,681
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100,700
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174,082
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自己資本率
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44.6%
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35.5%
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13.1%
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・産業革新機構が2000億円出資
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・2012年4月、ソニー・東芝・日立の中小型液晶ディスプレイ事業統合会社
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・解像度は有機ELに匹敵するが、時代が有機 EL=高級品というイメージ醸成
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・iPhoneXRにすべてを賭けていた。
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