北朝鮮 ボルトン補佐官「愚か者」、ボンペオ長官は交渉から外せと要求
昨年5月、6.12米朝首脳シンガポール会談に先立ち、事前の高官交渉に北朝鮮へ行ったポンペオ長官、一方的に核の廃絶を北朝鮮側に迫り、北朝鮮が激怒していた。
これは当時のホワイトハウスで、核完全廃棄に向けた合意が先決と主張したポンペオ長官と制裁緩和は核の完全廃棄が唯一の交渉条件とするボルトン補佐官が対立、その勢いで北朝鮮に乗り込み、強硬派に変身してしまったことによるものだった。
ただ、ポンペオ氏は、2.28ハノイ米朝首脳会談に先立ち、国務省からビーガン特別代表を北朝鮮に派遣した。しかし、韓国に立ち寄り、文政権から完全にオルグられたのか、北朝鮮の要求を飲んだのか、米国へ帰ってからも、ビーガンは制裁緩和を主張していた。当然ポンペオの本来の柔軟路線を継承したものだったのだろう。
しかし、2.28ではボルトンの意見がポンペオを勝り、トランプ大統領はノーディールで会談を打ち切った。
こうした昨年5月と今年のビーガン=ポンペオ氏からして、北朝鮮はポンペオ氏の力のなさを嫌ったものと見られる。
<北朝鮮、ポンペオ長官忌避>
北朝鮮外務省幹部は、米朝の非核化交渉からポンペオ氏を外すよう求めた。しかし、ポンペオ氏は「私が引き続き交渉チームを率いる」と述べ、要求を一蹴した。
<北・崔外務次官がポルトン氏を>
北朝鮮の崔善姫第1外務次官が対北朝鮮強硬派である米ホワイトハウスのボルトン国家安保補佐官に向け、現在の状況把握からしっかりするようにとの趣旨で批判したと朝鮮中央通信が20日に報道した。
同通信によると崔外務次官はこの日朝鮮中央通信記者がボルトン補佐官の最近のインタビューについて質問すると、「われわれはボルトン補佐官が一度でも理性的な発言をすると期待したことはないが、それでもホワイトハウス国家安保補佐官であるなら両首脳間に第3回首脳会談に関連してどんな趣旨の対話が交わされるかということぐらいは把握して口にすべきであった」と話した。
崔外務次官はまた、「今、ボルトンのこの発言は第3回首脳会談に関連する朝米首脳の意思に対する理解力の欠如から出たのか、さもなければ自分なりにユーモア的な感覚を生かして言おうとして外れたのか、とにかく私には魅力がないものに聞こえ、愚か者に見える」と批判した。
崔外務次官は「ボルトンのこの答弁には、米国人の発言で一般的に感じられるアメリカ式才覚さも論理性も見られがたい。警告しておくが、今後も引き続きそのようなふうに事理分別なく言えばあなたたちによいことがないだろう」と警告した。
これに先立ちボルトン補佐官は17日にブルームバーグとのインタビューで、「米国にとって何が必要か」との質問に、「北朝鮮が核を放棄するとの戦略的決定をしたことを示す真の兆候だと考える」と話した。
ポンペオは米国務長官の器ではないが、ビーガンもまた特別代表としてはお粗末過ぎる。
米国が北朝鮮に対して何十年も何を求めているのか押えていない。
韓国の文大統領は盧武鉉政権時代に番頭として、北朝鮮に対して、核開発しないことを前提に、借款を繰り返した挙句、北朝鮮は2006年10月に初めて核実験を行った。それでも開城工業団地から撤退しなかった(米国の撤退要請を受け入れなかった)。
当然、3000億円以上の借款も実際は核開発に費やされ、まったく戻ってもこない。
核実験後の2007年(盧武鉉政権時代)、日米が主導した国連の「対北人権非難決議案」に韓国が賛成でなく棄権に回ったのは、大統領秘書室長だった文在寅が、事前に北朝鮮にお伺いの連絡を入れ、棄権に回ったことが当時の外相の回顧録に記されている。
文在寅氏の今の動きは、完全に北朝鮮の核容認派の動きであり、一応、同盟国の米国が核廃棄を求めていることから、口先だけ合わせているだけという思考の持ち主。「ともに民主党」はすべてそうした盲目的な北朝鮮愛だけの人物たちの集まり。