アイコン 五輪開催のため入国制限が遅れた代償

 

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国立感染症研究所は、国内の陽性患者から検出されたウイルスのゲノム(全遺伝情報)を解析し、分かったことは二つあった。
一つは、初期のクラスター(感染者集団)は中国・武漢で検出されたウイルスの特徴を備えていたが、このタイプは抑え込みに成功し、ほぼ終息したとみられること。
もう一つは、3月以降に検出されたウイルスの多くが、欧州を「起源」とする遺伝子の特徴を備えていたこと。
感染研のリポートには「3月中旬までに海外からの帰国者経由で“第2波”の流入を許し、全国各地に伝播したと推測される」と記されている。
米国が、欧州(英国を除く)からの入国を禁止したのは3月13日。
日本も早急に水際対策を講じる必要があったが、政府が欧州などからの入国制限に踏み切ったのはその8日後だった。
 なぜ遅れたのか。この間に何があったのか-。
 当時の焦点は東京五輪・パラリンピックの行方。
大会組織委員会幹部は、国際オリンピック委員会(IOC)が大会中止に傾くことを警戒していた。「IOCメンバーで最も多いのが欧州出身者。
無理に日本でやる必要はないという雰囲気が漂い始めていた」
欧州でくすぶる中止論を封じ、日本開催を「既成事実」とする戦略が練られた。
その一つが聖火を確実に日本に到着させること。

安倍晋三首相は当時、面会した公明党幹部にこうささやいている。
 「聖火が到着しさえすれば、延期になっても日本開催は揺るがない。日本に聖火が着くことこそが重要なんだ」
 聖火の採火式は3月12日、ギリシャで行われた。出席した遠藤利明元五輪相は、次々と感染の火の手が上がる欧州の現実を目の当たりにした。現地の聖火リレーは初日こそ行われたが、2日目の13日に中止された。
 「採火式が何日かずれていたら(聖火を日本に移すのは)難しかったかもしれない」。遠藤氏自身、フランスでの視察予定を取りやめ、急きょ帰国した。ぎりぎりのタイミングだった。
 20日、待望の聖火が日本に到着。
翌21日、政府は欧州を含む38ヶ国からの入国者に自宅待機を要請する措置を始めた。イタリアの感染者は4万7千人に達し、フランスは1万人を超えていた。
 そして24日夜、日本の戦略が成就する。
首相はIOCのバッハ会長と電話会談し、東京五輪の1年程度の延期で合意した。
「東京オリンピック・パラリンピックの中止はないということを確認した」。
首相は記者団にあえて強調した。
政府が、欧州からの入国拒否に踏み切ったのはその3日後だった。
既に欧州各国から帰国した旅行者らを通じてウイルスは都市から地方へ拡散、感染経路をたどれない状況が水面下で進行していた。
 欧州を刺激せず、聖火の到着を待ち、五輪の日本開催を守るために、私たちは何を失ったのか。
どんな代償を払ったのか。詳しい検証はまだなされていない。
以上、西日本新聞が報じている。

以上の問題のほかに別の問題もある。
これは厚生省の検疫当局の問題である。
厚生労働省は3月17日、成田空港検疫所の検査室内で新型コロナウイルスのPCR検査の試薬による汚染が疑われる事例が発生したことから、3月11日から検査を停止していることを明らかにしていた。
厚労省の発表資料では3月22日にはじめて新コロナの検疫検査数が開示されるが、累計感染者数は16人、累計検査数は1173件となっている。

欧州で感染が拡大したのは、イタリアでは2月20日前後から、ほかの欧州主要国や米国は3月7日前後からであった。中でもイギリスは3月10日からであるが、ロンドン市長は東京五輪の代替え地としてロンドン五輪施設をそのまま使用できることから名乗り上げていた。24日現在のイギリスの感染者数は30万6千人、死者は4万3千人を超えている。

当然、政府が新コロナ防疫対策より東京五輪を優先させたことにより、政府も東京都もメディアも情報統制していたのか、報道機関も武漢コロナや韓国コロナは報じても日本コロナはほとんど報じもしなかった。

厚労省も感染検査数を増加すれば、感染者数が増加することは自明であり、感染検査数が増加すれば、東京五輪開催ができなくなるとあくまで開催主催者たちに忖度していたと見られ、極力、感染検査数を少なくする方策に動いていた。口実は医療崩壊だ。これも厚労省の公表統計によると、重症患者数の最大数は5月1日の328人、たかが全国で328人の重症患者で医療パニックならば、それはこれまで公的医療機関を閉鎖し続け、そうした医療機関にあったICUの代替措置をとってこなかった政府の責任となる。医療労組によると3000以上この間減少しているという。当然現在も5000近くあるが、既存の患者で空きがないことも現実問題としてあった。
それでも328人でパニックとは信じられない。

小池都知事に至っては黙秘し続け、五輪の行方が判明した3月23日にいきなりロックダウンを打ち上げ、横文字を乱発させ、きれいに花を咲かせた。役者だ。

厚労省は、欧州・イタリアなどで感染爆発、2月23日に中止になるまで10日以上ベネチアカーニバルも開催されていたことから、大勢の日本人客が欧州旅行から急遽帰国した。
そうした人たちを、感染検査もろくにせず、居住地に帰国させ、欧州コロナを日本国中に拡散させた。
厚労省検疫当局は、辻褄合わせのように4月6日から1日2000件あまりと大幅に感染検査数を増加させている。6月24日までの累計検査数も67,704件(累計感染判明者286人)と増加させている。

イタリアのミラノ市があるロンバルディア州で感染者が急増しだしたのは2月20日前後、すでに集団感染が発生した村や町が封鎖されたりもしていた。ベネチアも北部にあり、世界中からの観光客がベネチアもミラノも観光して帰国、そして欧州中に感染が急拡大した。
そうした中に、日本人観光客も多くが、入管で検査試薬の汚染から検査できない状態が続く中、帰国していた。
それ以前もほとんど検査していなかったことが、3月22日に公表された検疫累計検査数で明らかになっている。

こうした厚労省の杜撰さが、今日の17,723人(検疫+チャーター機帰国者含まず)の感染者と963人の死亡者を出した大きな原因となっている(6月25日午前00時現在/厚労省発表値)。

4月3日、日本政府は、米国・中国・韓国などからの入国拒否、すべての入国者に対して14日間の待機措置(隔離ではない)が講じた。
4月7日、7都府県に対して緊急事態宣言を発した。
4月16日、緊急事態宣言を全国に拡大させた。

日本には公的な医療機関や医療研究機関に35台のロシュ製全自動PCR検査機(1日最大10万件以上検査可能)がある。
ロシュ社は3月中旬までに、日本に高価な検査機器を35台も購入してもらっていることから、日本に優先的に検査試薬を投入した。しかし厚労省が認可して税金の予算をつけ購入させたにもかかわらず、厚労省はロシュ製検査機器をほとんど使用させなかった。京都大学医学部か付属の大学病院にロシュ製の検査機器が設置されているが、埃をかぶっているという。
そうした事実を一切、公表しない厚労省である。国民への愚弄も沸点を通り越している。

欧州と比較するのではなく、アジアで比較すれば、日本の死亡率はワースト3位、厚労省が5月8日に検査基準を撤廃したものの、それまで高齢者であっても重症化し、CTで灰検査の異常を確認してから感染検査をさせていたことから、最初から感染重症者の入院が多く、際立った致死率になっている。アジアの中では後進国並みの高い致死率。

 

[ 2020年6月25日 ]

 

 

 

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