アイコン 韓国の造船業苦境 来年急減 韓国造船業を支える商船三井


韓国紙は、常に韓国の造船会社が中国より多くを受注した、世界一だと韓国No1記事を書き続けてきた。事実、英造船市況調査会社クラークソンの造船受注はそうなっている。
しかし、世界の海運は、過剰船腹、米中貿易戦争、新コロナ禍で停滞。船会社の発注そのものが極度に減少している。
リーマンショック前に大量に建造された商船、その後は、より高率な超大型船に切り替えられ、大量輸送によりコストを下げ、シェア拡大と利益の追求している。
リーマンショック前の大型船舶は叩き売られたものの海運市場には超大型船に加え大型船もあり、大陸間航路には超大型船でなければ価格対応できない時代に突入、大型主体では世界第7位の韓国・韓進海運が2016年に破綻し淘汰されている。

韓国紙は次のとおり掲載している。
造船業受注の崖が続いている。
今月初めまでの韓国造船業の船舶受注額は昨年の半分にも満たなかった。受注の崖による波及効果は翌年から現れるだけに、来年の造船所の雇用減少などが予想される。
現代重工グループ、大宇造船海洋、サムスン重工の大手3社によると今月初めまでの3社の受注額は96億ドルで昨年の270億ドルの半分に満たなかった。
造船大手3社すべてで受注が落ち込んでいる。
現代重工グループは今月初めまでに52億ドルを受注したが、昨年の130億ドルの40%水準にとどまっている。
大宇造船海洋は33億ドルで昨年の68億ドルの半分、
サムスン重工業は11億ドルで昨年の71億ドルの15%水準にとどまった。

実際の受注額は3社が掲げた目標受注額313億ドルの3分の1水準。年末までの受注を考慮しても目標を大きく下回るものとみられる。

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リーマンショック前の1/8に減少
クラークソンリサーチによると、今年上半期の世界の船舶発注量は575万CGT(標準貨物船換算トン数)と、前年同期比▲58.3%減少した。
これはクラークソンが統計を出し始めた1996年以降で最も少ない。従来の最低は通貨危機直後の1999年の658万CGTだった。好況だったリーマンショック前の2007年(4619万CGT)と比較すると8分の1にすぎない。

カタールとの100隻のLNG船契約
韓国造船3社は今年6月、カタール国営石油会社とLNG運搬船100隻、総額23兆6000億ウォン(約20兆円)規模のスロット契約を締結したと報じた。
しかし、スロット契約(本契約前のドック予約)を結んだが、本契約は先送りされている。
(エネルギー価格の反騰が予想より大幅に遅れている中、新コロナの影響で財政面も、需要面も読みにくい環境にある)
クラークソンによると、今年上半期の16万立方メートル級LNG船の一日スポット運賃は3万4000ドルと、前年同期比で▲38.1%下落している。

産業研究院のイ・ウンチャン副研究委員は「カタールを含め大型プロジェクトが新コロナで遅れている。主要海運会社が今年から施行される船舶環境規制を考慮し、LNG推進船の発注が続くと期待したが、同じ理由で延期された」と話している。

期待はずれの「IMO2020」環境対策船
国際海事機関(IMO)は、船舶用燃料の硫黄酸化物含有率を3.5%から0.5%に下げる「IMO2020」を今年から適用した。
IMO2020が施行されれば、LNG運搬船で技術優位を持つ韓国が恩恵を得られると予想したが、現実はそうでなかった。

NH投資証券のチェ・ジンミョン研究員は「カタールなど大型LNGプロジェクトに対する妥当性が悪化したものではないが、世界的海運会社の財政難がバラ積船やタンカーだけでなくLNG運搬船の発注まで全方向に悪影響を及ぼした」とした。

カタールプロジェクトに対する期待が過度だったとの指摘
ある業界関係者は「カタールプロジェクトは2024年に始まるためLNG運搬船の発注は2022年からだが、あたかも受注したかのように話した側面がある」と話した。
また、当初新造船100隻でなく老朽船舶の置き換え分がさらにあるとみていたが、これ以上の発注はないというのが業界の支配的な見方となっている。

底を打って反騰?
受注は急減したが、7~9月期の造船業の業績は悪くなかった。現代重工業グループの中間持株会社である韓国造船海洋の営業利益は昨年7~9月期より34.3%増加した407億ウォンを記録し、サムスン重工業は昨年より赤字幅を大きく減らした。
理由は2018年から昨年まで受注量が着実に増えたことによるもの。
発注から引き渡しまで3年がかかる大型船舶プロジェクトは通常翌年から売り上げに反映される。

世界の造船発注は3~4年周期で上下を繰り返している。
2016年に最悪の受注減を体験し、今年再び急減した。専門家らは今年が底で来年下半期以降に反騰すると予想している。

ハナ金融投資のパク・ムヒョン研究委員は「今後各国の環境規制が硫黄酸化物だけでなく二酸化炭素排出制限などに拡大する。LNGを燃料に使うLNG推進船に対する需要は増加するほかない。中国・日本はLNG推進船に対する技術がなく、需要は増えながら競争者は減った局面」と話した。

カタールプロジェクトの本契約は、来年4~6月期ころと予想
チェ・ジンミョン研究員は「4~6月期に40~60隻の発注が予想される。来年4~6月期にLNG運搬船をはじめ7~9月期にはバラ積船とタンカーなども正常化軌道に入るものとみられる」と話した。ただし、今年の受注急減による来年の手持工事量減少にともなう備えが必要という見方もある。

イ・ウンチャン副研究委員は「造船3社よりは協力企業の雇用減少が予想される。大型造船所は協力企業従業員の現場離脱防止に向けた努力が必要だ」と付け加えた。
以上、

こうした状況は、日本はさらに厳しい、造船政策放棄の日本の政治。
そうした中、商船三井は日本の造船業者ではなく、韓国の大宇造船海洋に砕氷船型LNG船3隻を発注した。同社は政府系の日本政策投資銀行も大株主、当然融資も行っている。日本の造船業を駄目にする商船会社に株主になったり、融資したり必要があるのだろうか。商船三井はこれまでにも超大型コンテナ船を何隻も韓国の造船会社に発注している。競争だから仕方ないでは政治の政策がないことになる。現在のところ、日本の政治は軍艦さえ造れる能力があれば民需は知らんと放棄している。

新コロナにより低迷した世界の物流、経済再開を受け、急激に海運も増加している。
韓国では船舶が足りず、海運価格が急騰しているという。政府が韓進海運を救済せず潰したからだと目先の価格上昇に政府批判の報道もある。しかし、欧州では新コロナが感染拡大し再びロックダウン、回復しつつあった海運会社もまた影響を受けることになる。昨今の上昇は新コロナの反動で増加しているに過ぎず、パルチック海運指数を見る限りすでに下落している。

米国も大統領選では、トランプ陣営はマスクもせず大集会を続けていたことから、このところ10万人台という異常な事態が続いている。新型コロナウイルスはトランプもバイデンも関係なく、人が密集する場所で多くが感染し、そして死んでいく。トランプ支持の高齢者たちが心配だ。
米国もバイデンになった場合、ワクチンが間に合わなければ、大感染地帯の規制強化やロックダウンもありえる。
中国の輸出は10月大幅に増加したが、新コロナ再急拡大の欧米しだいでは今後も増加するかはわからない。船会社も先が読めないだろう。
アメリカではバイデンが大統領になれば、中国を除く海外国とは貿易が活発化するものと見られる。少しは明るいだろうが・・・。

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新型コロナウイルス感染者数/ワールドメーター版

2020年

感染者

死亡数

人口

 

累計

11/7日

世界

50,722,782

472,468

1,261,745

77億人

アメリカ

10,288,480

102,726

243,768

3億31百万人

カタール

134,203

190

232

280万人

 

[ 2020年11月 9日 ]

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