アイコン 韓国の失業問題 10月雇用悪化 新コロナ事態でさらに悪化


韓国統計庁は10月の雇用動向統計を発表、それによると10月の就業者が2708万8千人で、昨年同期比▲42万1千人減少し、4月の▲47万6千人減以来で最大の落ち込みとなった。3月から8ヶ月間連続して減少している。9月は▲39万2千人減だった。
8ヶ月連続で就業者が減ったのはリーマンショック後の2009年1~8月以降となる。減少幅も新コロナ感染拡大がピークを迎えていた4月の▲47万6千人以降、6ヶ月ぶりの大きな悪化となっている。

雇用率は60.4%で前年同月比▲1.3%ポイント下落。失業率も前年同月比▲0.7ポイント悪化して3.7%(失業率は季節調整済では4.2%)となった。失業率は2000年10月の3.7%以降、20年ぶりに最も高い水準となっている。
10月の失業者数は102万8千人で、前年同月比16万4千人増加している。

失業は文大統領支持率が一番高い働き盛りの40代で特に深刻となっている。40代の雇用率は通貨危機以降最悪。
10月基準で40代の雇用率は76.8%、これはリーマンショックの1998年10月の75.0%以来の悪化となっている。
40代が最も大きな比重を占める製造業就業者数は▲9万8千人減少している。
10月の輸出は、一部回復の兆しを示したが、それまでに累積していた不振を覆すような水準には至っていない。

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1、宿泊業やレストラン等飲食業は、前年同月比▲9.9%減の▲22万7千人減、
2、卸売や小売業は▲5.2%減の▲18万8千人減、
3、教育サービス業は▲5.5%減の▲10万3千人減
4、製造業就業者数は▲9万8千人減
など対面サービス業種不振は底が見えない状況が続き、製造業も新コロナの再拡大で内外需とも低迷、厳しい状況が続いている。

10月の青年層(15~29歳)の雇用は、昨年同期に比べて▲25万件減少している。政府が税金で作った60代以上の働き口を除けば、全年齢層で昨年より就業者数が減り、失業者が増加している。

国内経済の不振、半導体を除く輸出企業の不振が続き、大手企業の半分が採用を見送っている現状から、青年層や30代の雇用回復は見えてこない。

新コロナの再拡大で企業の雇用に一段の圧力がかかっている。

韓国の失業率は、文政権が非生産部門の公共機関で大量採用することから実態が見えてこない。高齢者を75万人採用している記事もあり、また、文政権公約の非生産の公務員の大幅増計画のうち13万人をすでに増加させているといい、また大学生を卒業させずに研究生として残させ、研究生にお手当を支給している記事も掲載されていた。
こうした費用は莫大、一方で失業問題を解決したかのような錯覚を国民にもたらしている。失業率が悪化すれば、すぐまた高齢者を大量採用することから、失業率も下がり、政府投資も増加し、GDPさえ増加させている。韓国の失業率で山・谷が大きく動くのはそうした官丸抱えの雇用によるものが非常に大きなウエイトを占めている。
統計庁長官は忖度長官として知られ、100のうちの1つの都合の良い良い数値しか大統領に報告せず、大統領や上層部は改善した改善したと常に自らの政策を賛美し続け、忖度官僚たちばかりとなり、大統領のメガネは曇りっぱなしとなっている。

公的機関の高齢者大量採用という見せ掛けの失業率と、雇用は改善されたとという文政権の毎度の公表により、本来の失業・経済対策が遅れ、その間に、新コロナ事態に至り、半導体を除くほとんどの内・外需分野が低迷している。

こうした非生産的な採用増の巨額費用をごまかすためか、文政権の公約違反となる公共投資の大幅増加を一方で行っている。
しかし、今般の新コロナ事態も加わり、経済浮揚もままならず、文政権は発案特許の韓国版ニューディール計画を打ち上げ、民間資金も投入させ向こう5年間で15.5兆円(170兆ウォン)規模の投資を行うという。
財政悪化は新コロナ事態も加わり膨張スパイラルに歯止めがなくなってきている。

企業も、昨年の勢いだと日本から輸入している素材や部品などを国あげて内製化し、マスコミは1000あるうちの1つか2つを国産化したと大はしゃぎして「日本に勝った」と大喜びの記事を掲載、今年はその勢いが付いていてもおかしくない。しかし、韓国の輸出不振から来るものを除き、日本からの輸入素材・部品が減少したとの話は聞かない。日本製のそうした素材や部品を真似て造ろうとしても、現実は日本企業の知財=特許問題が横たわってもいる。

韓国も日本と同じく若い女性たちの自殺者が急増している。新コロナの直撃を受け大量失業に直面している飲食・店頭販売などのサービス産業に従事する女性たちは、非正規雇用、低賃金で蓄財に乏しく、失業した場合、失業保険の対象にもならない人たちも多く、生活苦から最悪の道を辿っている。偉そうな男たちやそうした男たちに追従する女性たちではなく、若い人たちに寄り添った現場に詳しい女性たちによって、緊急生活保護制度や緊急融資制度が日本にも韓国にも求められよう。

教条主義・権威主義の文政権、そろそろ目を覚まさなければ、北朝鮮・中国同様、独裁政権になるしか、国民を押さえ込むことはできなくなる。それを国民が盲目的に求めているのならばそれはそれで仕方ないことだろう。他山の石として放置するしかない。

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↓季節調整済みの韓国の失業率
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↓季節調整済みの韓国の失業率の5年間推移
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[ 2020年11月16日 ]

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