【映画】罪の声 グリコ森永事件とはなんだったのか
去年の10月30日に公開された、小栗旬と星野源がW主演を務めた「罪の声」。
昭和の未解決事件の一つである「グリコ森永事件」をベースにした小説を映画化したもの。
作中では別の名前で事件は展開、原作者は綿密な資料をもとに事件の真相を描いたという。
この映画は小栗旬と星野源が初共演、W主演ということで注目されていた。
ストーリーは、犯行グループが送った脅迫テープの声をめぐりドラマが進んでいく。
この声は自分だったのか、なぜ犯人は自分を使ったのか。
そして他の声の持ち主の行く末はどうなったのか。
新聞記者の阿久津英士(小栗旬)が、30年以上前の事件の真相を追うなかで、幼少に犯行声明の声に使われた曽根俊也(星野源)と出会う。
そして二人で事件の真相を追い続け、まったく別の人生を送った別の声の持ち主を見つけ物語は完結へ向かう。
終盤になり主人公の一人である曽根俊也(星野源)は、脅迫テープに自分の声を使った真犯人を知り驚愕する。
ただ、彼は事件後30年以上普通の暮らしを送っていたが、別の声の持ち主らの人生はまったく逆のいたたまれないほど悲惨であった。
その描写が陰惨で胸が痛くなるほど。
事件にからんでしまった家族の末路を、バイオレンスとともに描いており、映画でもっとも印象深かいシーンでもある。
しかし、いったいグリコ森永事件とはなんだったのか。
確かに映画にある犯人像ならば、声の持ち主らの話もリアルにありそうではあるが・・・。
今回の映画では有名な「キツネ目の男」はあまり重要ではない。
事件は大がかりな組織犯罪として描かれ、その中でひとつの家族が消えて行き、同様の事件に関わったにも拘らず何も知らず時間を過ごしてきた一人の男がそこへ辿り着く。
実際の事件の真相も今回の映画のように株価操作説や、別の菓子会社の陰謀だとか、北朝鮮がからんでるのでは?など様々に語られている。
思うに、犯人が全員死んでもいない限り真相を知る人間がどこかにいる可能性はまだありそうだが・・・。
大がかりな事件が真相究明されずに歴史の闇に消えるということは、これほど人の好奇心をゆさぶるものはない。
おそらく作者もその一人だったのではないだろうか。
まだまだ関連作は出てくる魅力がこの事件にはあるようだ。