東証株価 30年ぶりに3万円台突破
15日の東証の日経平均株価(225種)は大幅反発し、終値が前週末比564円08銭高の3万0084円15銭とバブル経済期の1990年8月2日以来、約30年半ぶりに3万円の大台に乗せた。日米欧が新コロナ惨禍の景気対策で進める大規模な金融緩和や財政出動に加え、日本の昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が大幅なプラス成長だったことが追い風となった。
新コロナワクチンへの期待も後押ししている。ただ景気の先行きは依然不透明で、株価上昇は実体経済と乖離し過熱感があるとも指摘される。
日経平均の過去最高値は1989年12月29日の3万8915円、株価の上昇とともに不動産価格が急上昇し続け、沈静化させるため荒療事の金利を大幅上昇させ、不動産も証券も暴落、見事バブル崩壊。今回は1200兆円の国債残高でも理解できるとおり、金利を上げる状況には一切なく、低金利、市場への資金のタレ流しは止むことはなく、証券だけが米ダウに攣られ突っ走っている。不動産価格は新コロナに打ちのめされ、五輪景気もすでに空振三振、振り逃げの機会は残っているが、実体経済は伴わず、主要都市の空き室率は増加の一途を辿っている。
来年か再来年のインバウンドに期待するしかないが、インバウンド景気は経済全般に占める割合はごく一部、表面化するだけの気持ちの問題に過ぎない。
株は夢で買い、現実で売る。しかし、ドルはじめ各国通貨のばら撒きにより、世界での金余りは低金利を伴い未曾有に増加し続け、その資金は証券投資に向かい、仮想通貨さえ空前の相場となっている。夢は企業への期待感からではなく、単に値上がり期待感だけで高くなるばかりの異常な世界となっている。もしも覚めたら世界恐慌、覚めるわけにはいかないのは世界共通事象。どうなることやら。
このままだと10万円も射程圏内に入る。